ドライバーに年齢の上限はありません。経験者130人の中にも、50代以上が30人いました。
年を取ると体がもつのか、何歳まで雇ってもらえるのかは気になるところです。50代以上の30人の答えを、若い人とくらべて見ていきます。
50代以上で「きつかった」と答えたのは40%で、20〜30代と変わりませんでした。後悔した人は、給料と並んで職場の人づきあいでつまずいています。
- ドライバーは何歳まで働けるか
- 50代以上のきつさと後悔
- 50代以上の後悔は人間関係
- 年代別の月収と勤務時間
- 50代からでも続けやすい仕事
- 長く続けるために求人で見ること
ドライバーは何歳まで?法律の上限はなく60代も働いている
ドライバーの仕事に年齢の上限はありません。免許があれば、何歳でも運転の仕事はできます。
会社の定年はそれぞれちがいます。高年齢者雇用安定法という法律で、会社は65歳まで働ける場を用意することになっていて、70歳までは努力するよう求められています。
経験者130人の年代
130人のうち50代前半が14人・50代後半が9人・60代以上が7人でした。20〜30代は62人・40代は38人で、合わせて130人になります。
50代以上の30人のうち18人は、3年以上続けていました。年を取ってから始めた人もいて、経験1年未満の人も9人います。
60代以上の7人 はどう働いていたか
60代以上の7人のうち3人は5年以上続けていました。トラックが3人で、食品配送・宅配・送迎・その他が1人ずつです。
きつかったと答えたのは3人、後悔ありは3人でした。長く続けた人ほど後悔は少なく、経験が1年に届かない2人は後悔を書いています。
「知らない土地にたくさん旅が出来たことは、今でも素晴らしい経験だったと思います。」
60代でも、合う職場に入れた人は長く続けていました。反対に合わない職場では、年齢に関係なく早くつまずいています。
年代は答えたときの年齢です。60代以上は7人と少ないので、ここからは50代と60代を合わせた「50代以上」で見ていきます。
50代以上のきつかったは40% で若い人と変わらない
仕事が「きつかった」と答えた50代以上は30人中12人(40%)でした。20〜30代は42%・40代は53%です。
年代別「きつかった」の割合
「きつかった」は「かなりきつかった」と「ややきつかった」を足した数です。40代がいちばん高く、50代以上は若い人と同じくらいに落ちついています。
年を取ったからといって、ドライバーの仕事がきつくなるとは言えません。50代以上は短い時間で働く人も多く、それがきつさを下げていると考えられます。
「毎日、完結する仕事なので、精神的には楽だから後悔はないです。」
その日の仕事がその日に終わる気楽さを挙げる声もありました。営業や接客から移った人には、この点が合っていたようです。
体がきついと感じた場面
きつかった人が挙げたのは、暑さと重い荷物でした。年齢よりも、夏の作業と手で運ぶ量で差がつきます。
「夏の暑い時期の車の乗り降り。」
「雨が降っている時に重い荷物をエレベーターがない団地の5階に配達する時。」
荷物の重さは職種と会社でまったくちがいます。手で積むか・どれくらいの重さかを入る前に聞けば、年を取っても体はもちます。
関連記事ドライバーの腰痛はどれくらい?経験者の声を見る→それでも50代以上は後悔「ある」が多い
後悔が「ある」とはっきり答えた50代以上は30人中11人(37%)でした。20〜30代は7人(11%)・40代は7人(18%)なので、50代以上が目立ちます。
年代別の後悔の有無
「少しある」まで足すと、50代以上は15人(50%)です。20〜30代の44%・40代の47%とくらべると、少し高くなりました。
きつさは低いのに、後悔ははっきり残る。50代以上は、体のつらさとは別のところでつまずいていました。
後悔した50代以上は経験の浅い人に多い
後悔した15人のうち、経験1年未満の人が7人いました。50代以上で1年未満の人は9人なので、その多くが後悔しています。
年を取ってから新しい職場に入ると、仕事も道も人も一度に覚えることになります。最初の数か月を乗りこえられるかが、50代以上の分かれ道でした。
最初から長時間の仕事を選ばず、慣れるまでは短い時間で始めるのも一つの方法です。研修の期間と、ひとりで回り始める時期を面接で聞いておきましょう。
50代以上の後悔は給料と職場の人間関係
後悔した50代以上の15人のうち、7人は上司や先輩など職場の人のことを書いていました。給料や経費の不満と並んで、50代以上に目立つ後悔です。
「最初は助手から入ったのですが、年下の先輩に怒鳴られて腹がたち辞めたくなった。」
「営業職の経験者故に、社内でのドライバー職に対する他の社員の態度があまり良くないと実感していました。」
年を取ってから入ると、教える人が年下になることがよくあります。前の仕事で立場があった人ほど、扱いの差に傷ついていました。
ほかに後悔に多かったのは、給料の安さと長い拘束時間です。会社にしばられる時間が長いと、年を取ってからの疲れは抜けにくくなります。
「こんなに拘束がきついのかなぁと、自由がなさすぎてとつてもつらい、」
人間関係でつまずかないためにできること
後悔した人の声を読むと、入る前に職場を見ていなかった人がほとんどでした。面接で「きつい人はいないか」と聞いても、本当のことはなかなか出てきません。
おすすめは、朝の出発前の時間に見学させてもらうことです。ドライバーと事務所の人の話し方で、年上の新人がどう扱われそうかが見えてきます。
ドライバーの年齢層を聞いておくのも手です。同じ50代が何人かいる会社なら、年下に囲まれて浮くことは少なくなります。
関連記事ドライバーの人間関係は楽?もめた人の声を見る→年代別の月収は50代以上も23万円で下がらない
月収の実額を答えた人で中央値をくらべると、50代以上は23万円でした。20〜30代は20万円・40代は22万円です。
年代別の月収(中央値)
中央値は、低い順に並べてまん中に来る人の金額です。金額で答えた人は20〜30代30人・40代23人・50代以上19人で、下の勤務時間のグラフ(50代以上の全員)とは人数がちがいます。
年を取っても月収が下がるわけではありません。ただ人数が少ないので、年代よりも職種や働き方の差のほうが大きいと考えてください。
50代以上の1日の勤務時間(30人)
50代以上は8時間未満の人が10人いる一方、10時間以上の人も10人いました。年を取っても長時間で働く人と、短く働く人に分かれています。
「朝5時から出勤、終わるのが夜10時という長時間労働で時間給で考えたら最低賃金を下回っていた。」
長時間の仕事で後悔した声は、ほとんどが「思っていたよりきつい」でした。年を取ってから長く走るなら、休みの日数まで先に聞いておきましょう。
関連記事ドライバーの労働時間の実態を見る→年を取っても続いた理由は一人で働ける気楽さ
50代以上で「やってよかったこと」に一人の気楽さを書いた人は30人中18人でした。半分をこえる人が、運転席で一人になれることを良かったと書いています。
年代別「一人で気楽」を挙げた割合
「一人で気楽」は、一人で働ける・人間関係が楽・自分のペースでできる、といった声をまとめたものです。運転席に一人でいられることが、年を取っても続けられる支えになっていました。
「一人で運転している時間は人間関係のストレスが少なく、自分のペースで仕事を進められる点が精神的にとても楽で良かった。」
「ドライバーになってから自由にドライブ気分に配達が出来て休憩時間も自由ですから、楽しい仕事です。」
職場の人づきあいで後悔した人が多いのに、運転中の一人の時間は好かれています。出発前と帰ってからの人間関係さえ合えば、気楽に続けやすい仕事です。
50代以上がつまずいたのは職場
後悔した50代以上の15人は、運転そのものより給料と職場でつまずいていました。
目立ったのは給料・経費。人間関係がそれに続きます。求人を選ぶ段階で避けられるものばかりです。
求人を選ぶときに見ておくこと
- 固定給か歩合か、経費はだれが払うかを確かめる
- 横乗り研修の期間と、相談できる人がいるかを聞く
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
年齢で断られることは少ない仕事です。気をつけたいのは入る会社の人のほうです。見学や面接で、教えてくれる人と職場の空気を先に見ておきましょう。
50代からでも続けやすいドライバーの仕事
50代以上の30人がしていた仕事は、トラックが8人・ルート配送が7人・宅配が5人でした。年を取ってから選ばれている仕事は、若い人と大きく変わりません。
50代以上の職種(30人)
初めてなら、回る先が決まっていて手で運ぶ量が少ない仕事が続けやすいです。経験者からも、給料が決まっているルート配送をすすめる声がありました。
「初めてやるなら月給制や時給制のルート配送をお勧めします。」
2t以上のトラックは、普通免許だけでは運転できないことがあります。2017年3月以降に取った普通免許なら、準中型免許が必要です。
AT限定の普通免許でも、軽バンや普通車での配送と送迎はできます。初めはその範囲で探すと選びやすくなります。
- 回る先がほぼ決まっているルート配送
- 手積み手降ろしが少ない荷物(パレットや台車で運ぶもの)
- 午前だけ・日中だけなど時間を選べる働き方
- 人を乗せる送迎(荷物の重さより接客が中心)
送迎は荷物が軽いぶん、乗せる人への気づかいが要ります。人と話すのが好きな人に向いている仕事です。
50代以上は正社員にこだわらない人も多い
50代以上の働き方(30人)
50代以上の働き方は、正社員が14人・パートが8人でした。業務委託と個人事業主も合わせて5人います。
年を取ってからは、時間を選べるパートや業務委託で続ける人も目立ちます。子育てが終わった人や、年金とあわせて働く人には合う形です。
業務委託は、荷物を運ぶ仕事を1件ごとに引き受ける形のこと。ガソリン代や車の修理代を自分で持つことがあるので、手元に残る額で比べましょう。
「車両持ち込みの場合に、事故った場合、修理代などの負担割合をどうするか。」
長く続けるために求人で確かめること
見るのは荷物の積み方・1日の時間・職場の人の3つです。50代以上の後悔とつまずきが、この3つに集まっていました。
「手積み手降ろしの有無は絶対に確認したほうがいい。」
「我慢できる方はいいですが、そういうのが苦手な場合、職場の雰囲気は確認した方がいいと思います。」
面接では、年齢のことより仕事の中身を数字で聞いておきましょう。5つの質問をコピーして、面接の前にスマホのメモへ入れておくと安心です。
面接で聞く質問
荷物は手で積みますか、台車やパレットで運びますか。
朝は何時に出て、ふだんは何時ごろに戻りますか。
最初は誰について仕事を覚えますか。
いま働いているドライバーの年齢層を教えてください。
定年は何歳で、そのあとも続けられますか。
同じ年代のドライバーがいる会社なら、年下に教わる気まずさも少なくなります。年齢層と定年後の扱いは、遠慮せずに聞いて大丈夫です。
体のことで入る前に見ておきたいこと
年を取ると、暑さと腰にこたえやすくなります。夏にエアコンを止めて配る場面が多いか、荷物を持って階段を上がるかは聞いておきたいところです。
「ボールペンを拾っただけで腰をやることがあります。」
会社の健康診断や、事故のときの補償も確かめておきましょう。年を取ってからの仕事選びは、もしものときの守りまで含めて考えると安心です。
夜の運転が見えにくくなってきた人は、日中だけの仕事を選ぶのも手です。ルート配送や送迎には、夕方までに終わる求人がたくさんあります。
何歳まで続けられる人・早めに見直したい人
長く続けられるかは、体力より働き方の選び方で分かれていました。
- 一人で運転する時間が好きで、人づきあいを減らしたい
- 勤務時間や荷物の重さを自分で選んで入っている
- 年下の先輩から教わることに抵抗がない
- 長時間の勤務と手積みが毎日続いている
- 眠気やふらつきを感じながら走っている
- 職場の人とのやりとりが毎日つらい
「積み込みが終わって会社を出てしまえばマイペースで仕事が出来、周りに気を使う必要がありません。」
眠気やふらつきが続くなら、年齢に関係なく働き方を変える合図です。短い時間の仕事や荷物の軽い仕事に移るだけで、続けられる年数はのびます。
関連記事ドライバーが続かない人の理由を見る→ドライバーは何歳までによくある質問
トラックドライバーは何歳まで働けますか?
年齢の上限はありません。経験者130人のうち60代以上も7人いました。定年は会社ごとに決まるので、面接で確かめておきましょう。
50代未経験からでもドライバーになれますか?
なれます。50代以上の30人のうち26人は、ドライバー未経験から始めていました。
50代以上はドライバーの仕事がきついですか?
50代以上で「きつかった」と答えたのは30人中12人(40%)でした。20〜30代の42%とほぼ同じです。
年を取るとドライバーの給料は下がりますか?
月収の中央値は50代以上が23万円で、20〜30代の20万円より高い結果でした。年代より職種や働き方の差が大きく出ます。
60代からドライバーを始めて後悔しませんか?
60代以上は7人と少ないので目安です。後悔した人は、年下の先輩とのやりとりや職場の対応を挙げていました。
何歳まで大型トラックに乗れますか?
免許に年齢の上限はありません。70歳をこえると免許の更新のときに高齢者講習があり、75歳からは認知機能の検査も受けます。
ドライバーは何歳でも続けられる!カギは職場選び
- ドライバーに年齢の上限はなく130人中30人が50代以上
- 50代以上のきつかったは40%で20〜30代の42%と同じくらい
- 後悔「ある」は50代以上が37%と多く給料と職場の人の声が目立つ
- 月収の中央値は50代以上23万円で若い人より低くない
ドライバーは何歳まででも続けられる仕事です。荷物の積み方と時間、そして職場の人を入る前に確かめれば、50代からでも長く働けます。
ドライバーで後悔した人が何につまずいたのかは、ドライバーはやめとけと言われる理由のデータでもくわしく見られます。