トラックドライバーの人間関係は、楽だと感じる人のほうが多い仕事です。経験者130人のうち76人が、一人で働ける気楽さを良かったことに書いていました。
職場の人やお客ともめた話を書いたのは26人です。その相手の多くは、運転中ではなく事務所や倉庫で会う上司や先輩でした。
前の職場の人づきあいに疲れて、ドライバーを考えている人は多いと思います。どんな人が楽になり、どんな職場でつまずいたのかを順に見ていきます。
- 人間関係が楽だった人ともめた人の数
- もめた相手は社内の上司と先輩
- 社内でもめた人ほど後悔していた
- 職種と働き方で変わる人間関係
- 人間関係が嫌で転職した15人のその後
- 人間関係が楽な職場の見分け方
トラックドライバーの人間関係は楽と感じる人が多い
楽と感じた人が多数です。良かったことに一人の気楽さや人間関係の楽さを書いた人は76人(58%)でした。
もめた話は「一番きつかったこと」「後悔したこと」「働く前と違ったこと」の3つの答えから拾いました。130人のうち26人なので、5人に1人ほどです。
「人間関係が希薄なので余計な気を使わなくてよいですし、毎日行く場所が変わるので気分転換になり、達成感も味わえます。」
荷物を積んで走り出せば、運転席はひとりの場所になります。上司の目や同僚の雑談から離れられるのが、この仕事のいちばんの気楽さです。
26人は自分からもめた話を書いた人です。書かなかった人にも、小さな行き違いはあったと考えておくほうが安全です。
気楽さを感じながら、もめごとも経験した人がいます。もめた26人のうち14人は、良かったことに一人の気楽さも書いていました。
関連記事ドライバーのやりがいは?一人の気楽さを挙げた人の声→人間関係でもめた相手は社内の上司と先輩
もめた相手は社内の人がいちばん多く、上司・先輩・同僚が19人でした。お客や届け先、近所の人は8人です。
人ともめた話を書いた人(130人中・相手別)
15%が19人、6%が8人にあたります。両方を書いた人が1人いるので、足すと27人になります。もめた人の実人数は26人です。
「人間関係がその先輩のせいで破綻していて何もしてないのに嫌われて勝手に無視されていたのがしんどかった当時の課長に状況は説明していたが改善は見られなかった。」
「最初は助手から入ったのですが、年下の先輩に怒鳴られて腹がたち辞めたくなった。」
点呼は、出発前に体調やお酒が残っていないかを上の人に確かめてもらう決まりのことです。
運転中は一人でも、朝の点呼や積みこみでは毎日同じ人と顔を合わせます。そこで上の人とうまくいかないと、逃げ場がありません。
お客や近所の人とのもめごと
お客との話では、時間に遅れて怒鳴られた・乗せた人に叩かれたという声がありました。荷物を運ぶ仕事では、停めた車のことで近所の人に文句を言われた人もいます。
「仕事を始めてから1ヶ月くらいのときに、走行中の車の中で、認知症の利用者さんに理不尽に怒鳴られたことがありきついと感じました。」
人を乗せる送迎やタクシーは、お客と同じ車内にいる時間が長くなります。人と話すのが苦手なら、荷物を運ぶ職種のほうが向いています。
社内で人間関係にもめた人ほど後悔していた
上司や先輩ともめた19人のうち、13人(68%)がドライバーになったことを後悔していました。もめた話がない104人では42%です。
もめた相手別「後悔あり」の割合
お客ともめた8人は人数が少ないので目安です。後悔ありは4人でした。
お客とのもめごとはその場で終わりますが、社内のもめごとは毎日続きます。後悔の差はそこから来ていると考えられます。
「人間関係において「ずっとこの人とやっていくのか」という不安や不満点が大きかったです。」
この人は二人一組で回る配送で、組んだ相手と合わずに辞めていました。二人で乗る仕事かどうかは、求人を見るときに必ず確かめたいところです。
新人のうちは教える先輩との相性が大きい
社内でもめた話には、入ってすぐのころの出来事がよく出てきます。道も荷物もわからない時期は、横に乗って教えてくれる先輩に頼るしかありません。
その先輩がきつい人だと、毎日がつらくなります。最初の数か月だれに教わるかで、職場の印象は大きく変わります。
「男性に嫌な絡まれ方をしたこともあったが、同僚の女性職員が庇ってくれたりした。」
反対に、かばってくれる同僚が一人いるだけで続けられた人もいます。研修の期間と教える人の決まり方は、面接で聞いておくと安心です。
関連記事ドライバー1年目が辛いのはいつまで?最初の3か月の声→トラックドライバーは職種の中でも人間関係でもめにくい
トラックドライバー30人のうち、人ともめた話を書いたのは2人でした。職種の中でも少ないほうです。
職種別「人ともめた話を書いた人」の割合(9人以上の職種)
グラフは9人以上の職種で125人ぶんです。タクシーなどの少ない職種は外しています。
長い距離を走るトラックは、会社にいる時間がいちばん短い仕事です。反対にルート配送は毎日同じ倉庫や事務所に戻るので、社内の人と会う回数が増えます。
「人間関係もドライバー同士は意外と気楽で、コンビニ飯食いながら愚痴言い合うのも悪くない」
ルート配送を考えている人は、会社に戻る回数と倉庫で働く人の数を聞いておくと安心です。人間関係が楽な職種でも給料の差は大きいので、月収は別に比べておきましょう。
関連記事ドライバーで稼げる職種は?職種別の月収を比べる→働き方で見ると業務委託がいちばん少ない
働き方別「人ともめた話を書いた人」の割合
正社員68人・パート33人・契約社員10人・業務委託12人の比べです。パートと正社員は同じくらいで、もめるかどうかは働き方より職場で決まります。業務委託は会社に雇われず配達を請け負う働き方で、上司がいません。
人づきあいを減らしたいなら、業務委託はひとつの手です。ただし車の費用やガソリン代を自分で払うので、手元に残るお金をよく確かめてからにしましょう。
関連記事トラックドライバーの体験談とデータを見る→人間関係が嫌でドライバーになった15人のその後
前の職場の人間関係や接客に疲れて転職した15人のうち、12人が良かったことに一人の気楽さを書いていました。
人間関係が理由で転職した15人のその後
15人の多くは、走っている時間の静けさを良かったことに挙げています。人づきあいから離れたいという願いは、多くの人がかなえています。
「何より前職で人間関係に苦労していたので、ドライバー職は人との関りが無いので人間関係に悩まずに仕事が出来たので、私的にはピッタリな仕事でした。」
それでも後悔ありは7人いて、全体の46%とほぼ同じ割合です。人間関係が楽になっても、長い拘束時間や体のきつさは別に残ります。
「人間関係に疲れ、ひとりで働きたいと思ってこの職に挑戦したのでかなり気持ちが楽だったことは事実だが、拘束時間が長すぎるため夜遅くまで子供2人がほったらかしになってしまったり、休みの日も疲れ切って動けなかったりで家の中のことがおろそかになりがちで、母親としての罪悪感がどんどん大きくなっていった。」
この人は気持ちは楽になった一方で、帰りが遅く子どもとの時間が取れなかったと書いていました。人間関係だけで決めず、勤務時間もいっしょに見ておきましょう。
前の仕事は接客や事務が多かった
前の仕事を書いた人には、接客・ホテル・飲食・営業・事務の経験者がいました。お客の機嫌や社内の調整に気をつかう仕事から移ってきた人たちです。
「今の仕事で人間関係が一番悩んでいる方はほとんど一人で出来る仕事をおすすめ致します。」
気をつかう相手が多い仕事から来た人ほど、運転席の静けさを大きく感じています。前の仕事でいちばんつらかったのが人づきあいなら、ドライバーはそれを減らせる仕事です。
一方で15人のうち8人は、仕事そのものは「きつかった」と答えています。心は楽になっても体のきつさは残ると思っておきましょう。
関連記事ドライバーの労働時間の実態を見る→運転中は一人でも人と関わる場面はある
人と関わる場面は毎日あります。朝の点呼・積みこみ・配達先の3つでは、どの職種でも人と顔を合わせます。
「結局朝や仕事終わりは事務所に行くので人間関係は少ないけどありました。」
「私だけ一番低いポジションにいることを実感させられるようなお昼休みになっていたことが一番きつかったことです。」
- 朝と夕方は事務所や倉庫で同じ人と会う
- 積みこみや荷下ろしは倉庫の人や届け先の人といっしょ
- 二人一組の配送や助手席に人が乗る仕事は、一日中だれかといる
一日のうち一人でいられるのは、走っている時間だけです。昼に会社へ戻る決まりがあると、思ったより人と過ごす時間が長くなります。
一人がさびしいと感じた人もいる
一人の時間が長いことを、つらさとして書いた人もいます。深夜の長距離では、眠気と孤独感が重なっていました。
「深夜の高速道路を何時間も走り続ける孤独感と、一瞬の居眠りが大事故に直結するという極限の緊張状態が何時間も持続する点は本当にタフな経験でした。」
職場にほかのドライバーがいなくて、話せる相手がいなかったという人もいました。一人が向くかどうかは人によるところです。
話し相手がほしい人は、ドライバーが多く集まる営業所や、日帰りで近くを回る配送を選ぶと気持ちが楽になります。休憩所で同じ会社の人と話せる職場もあります。
人間関係で悩んだドライバーの声
悩んだ人の声に多いのは、入る前に職場の空気がわからなかったという後悔です。面接で確かめたのに外れた人もいます。
「早朝誰よりも早く来て玄関を掃除していても無視でした。」
「お客様の要望通りに走れなかった(スピードが遅かった)ようで、前の車を抜かせ、車線を変更しろと後部座席から叩かれたり怒鳴られたりしました。」
人間関係の外れを減らすには
上司や先輩ともめた19人が「働く前と違ったこと」に書いた内容を見てみます。
目立ったのは人間関係。給料・経費がそれに続きます。求人を選ぶ段階で避けられるものばかりです。
求人を選ぶときに見ておくこと
- 横乗り研修の期間と、相談できる人がいるかを聞く
- 固定給か歩合か、経費はだれが払うかを確かめる
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
人間関係は運の要素もありますが、見学や面接で空気をつかむことはできます。入る前に一度、出発前の事務所を見ておくと外れを減らせます。
人間関係が楽なトラックドライバーの職場を見分ける
見分けるには一人で回る時間・二人乗りの有無・事務所の空気の3つを見ます。経験者が確認すべきと書いたことも、この3つに集まっていました。
「一人でも気難しい人がいると難しい。」
「人間関係が面倒でドライバーになる方も少なくない(私もその一人)ですが、その所属長との関係が第一です。」
毎日いちばん関わるのは、直属の上司や所長です。面接に出てくる人がその人なら、話し方をよく見ておきましょう。
面接で聞く質問
1日のうち、一人で運転している時間はどれくらいですか。
助手や二人一組で回る仕事はありますか。
お昼や途中で会社に戻る決まりはありますか。
最初は誰に、どれくらいの期間教えてもらえますか。
出発前の時間に職場を見学させてもらえますか。
見学では出発前の事務所を見る
出発前の時間はドライバーが集まるので、ふだんの空気がよく出ます。挨拶を返してくれるかや、事務の人とドライバーの話し方を見てください。
ドライバーどうしが黙々と準備しているなら、一人で回る時間が長い職場です。出発前に長い打ち合わせや朝礼があるなら、社内の人と過ごす時間は多めと考えておきましょう。
事務所の壁にきつい言葉の張り紙が多い会社も、空気がぴりぴりしていることがあります。目に入るものから、ふだんの様子を想像してみてください。
ずっと求人が出ている会社は、人が入れかわっている可能性があります。人間関係が理由のこともあるので、気になったら理由を聞いてみましょう。
関連記事ブラックな運送会社の見分け方を見る→トラックドライバーの人間関係が合う人・合わない人
合うかどうかは、一人の時間を楽しめるかでおおよそ決まります。
- 上司や同僚に気をつかう毎日に疲れている
- 黙々と自分のペースで進めるほうが落ち着く
- 朝と夕方の短い時間なら、多少きつい人がいても流せる
- 仲間と話しながら働くのが好き
- 上下関係のきびしい職場がどうしても苦手
- 一人の時間が長いとさびしくなる
「人間関係はやんちゃな人が多いけど縦社会が大丈夫ならすぐに馴染めます。」
運送の職場には、上下関係のはっきりした会社もあります。そこが苦手なら、若い人が多い会社や業務委託から探すと合いやすくなります。
「健康は保てると思いますが、人間関係ができにくい仕事のため、他で人脈形成をしてください。」
人と話す機会が減るぶん、仕事以外のつながりを持っておくと気持ちが安定します。
トラックドライバーの人間関係によくある質問
トラックドライバーは人間関係が楽ですか?
楽と感じる人が多い仕事です。経験者130人のうち76人が、一人で働ける気楽さを良かったことに書いていました。
トラックドライバーの人間関係で多い悩みは何ですか?
上司・先輩・同僚とのもめごとがいちばん多く19人でした。無視された・怒鳴られたという声があります。
会話が苦手な人でもトラックドライバーになれますか?
できます。人間関係が理由で転職した15人のうち12人は、一人の気楽さを良かったことに書いていました。
人間関係が楽な職種はどれですか?
荷物を運ぶ職種のほうが楽です。トラックドライバーは30人中2人と、もめた話が少なめでした。人を乗せる送迎やタクシーはお客と過ごす時間が長くなります。
女性ドライバーは人間関係で困りませんか?
女性42人のうち、人ともめた話を書いたのは7人でした。同僚の女性にかばってもらえたという声もあります。
AT限定の普通免許でもトラックドライバーになれますか?
軽バンや小さめのトラックなら始められます。2トン以上のトラックは準中型免許が要ることが多いので、求人の車の大きさを見て選びましょう。
運送会社はガラが悪い人が多いですか?
上下関係のはっきりした会社もあります。見学で挨拶を返してくれるかを見ると、職場の空気がわかります。
トラックドライバーの人間関係は職場選びで楽になる
- 一人で働ける気楽さを書いた人は130人中76人
- 人ともめた話を書いたのは26人で、相手の多くは上司・先輩・同僚
- 社内でもめた19人は13人が後悔していた
- 人間関係が理由で転職した15人の12人は一人の気楽さを感じていた
トラックドライバーの人間関係は、走っている間はほぼ気にならず、会社にいる時間で決まります。一人で回る時間が長く、事務所の空気が穏やかな職場を選べば楽になります。