トラックの待機時間に給料は出る?経験者10人の声と時間別の月収
トラックの待機時間は、車を離れられずに待つなら労働時間です。給料が出るのがふつうの扱いです。
ただ、荷待ちを休憩として扱う会社もあります。経験者130人のうち待つ時間にふれた人は10人で、その多くが「拘束時間が伸びる」と書いていました。
拘束時間は、出勤から帰るまで休憩もふくめた全部の時間のこと。荷待ちが長いと、運転していなくてもこの時間が伸びます。
トラックとルート配送の正社員の月収は、1日10〜12時間で29.0万円でした。ただ、この時間帯は87%が「きつかった」と答えています。
待つ時間がどう給料に入るのかを、声と数字で見ていきます。普通免許やパートで考えている人に向けた話も入れました。
- 待機時間に給料が出る場合
- 待つ時間にふれた10人の声
- 待機と拘束時間の伸び方
- 勤務時間別の月収と時間あたりの額
- 待ち時間を自由に使えた人
- 求人と面接での確かめ方
- よくある質問
目次
トラックの待機時間は労働時間なら給料が出る
荷待ちのあいだ車から離れられず、呼ばれたらすぐ動く時間を手待ち時間といいます。手待ち時間は労働時間にあたり、給料の対象です。
反対に、車を離れて自由に過ごせる時間は休憩です。同じ「待つ」でも、自由に使えるかどうかで扱いが変わります。
- 車の見張りが必要で、自由に離れられない待ち時間は労働時間です(厚生労働省「確かめよう労働条件」の説明)
- 車両総重量8t以上か最大積載量5t以上のトラックは、30分以上の荷待ちを乗務記録に書く決まりです(2017年7月から)
- 2024年4月から、トラックの拘束時間は1日13時間までが原則になりました。延ばしても15時間までです
- 1日8時間をこえた分は残業で、割増した残業代の対象になります
記録の決まりがある車は、普通免許では乗れない大きいトラックです。車両総重量は、荷物を積んだときの車全体の重さを指します。
普通免許で乗れる軽バンや小さいトラックでも、待つ時間が労働時間なら給料が出ることは同じです。
待つ時間が休憩あつかいか労働時間かで、同じ拘束時間でも給料が変わります。入る前に会社の扱いを聞いておくと安心です。
休憩か待機かは4つで見分ける
待ち時間が休憩か労働時間かは、名前ではなく中身で決まります。次の4つに当てはまるほど、労働時間に近くなります。
- 車から離れて自由に過ごせない
- 停めている車や荷物を見張る必要がある
- 呼ばれたらすぐ車を動かさないといけない
- 次の作業を始める時間が決まっていない
最後の「次の作業の時間が決まっていない」は、いつ呼ばれるかわからず気が抜けない状態です。トイレや食事に行けても、すぐ戻れる場所にいないといけないなら休憩とは言いにくくなります。
待機が残業になると時給の25%増し
1日8時間をこえて待った時間は残業になり、時給の25%増しで計算します。時給1,200円なら、残業1時間で1,500円です。
毎日1時間の荷待ちが残業になる月を20日とすると、月3万円になります。休憩あつかいにされると、この3万円がまるごと出ません。
関連記事残業代はどう出る?みなし残業の見抜き方→待つ時間にふれた経験者は130人中10人
自由に書いてもらった答えで、荷待ちや待機にふれた人は10人でした。いちばん多いのはトラックの5人です。
待つ時間にふれた10人の職種
ルート配送が2人、送迎と食品配送と軽貨物が1人ずつです。働き方では正社員が7人、パートが2人、業務委託が1人でした。
荷物を積む・降ろす相手先が決まっている仕事ほど、待つ時間の話が出ています。送迎は荷物ではなくお客さんを待つ時間です。
待機の話は「働く前と違ったこと」に多い
10人が待つ時間を書いたのは、「働く前と違ったこと」の欄がいちばん多く6人でした。「一番きつかったこと」が3人、「確かめるべきこと」が2人です。
1人が2つの欄に書いていることもあります。入ってから待機の長さに気づいた人が多いということです。
「待機が長い、コースによっては業務間インターバルが短い。」
この人は女性のトラック正社員で、1日10〜12時間働いていました。業務間インターバルは、仕事が終わってから次の出勤までの休みの時間です。
待機の多い人は体より時間がつらい
待つ時間にふれた10人で「きつかった」と答えたのは3人の30%でした。130人全体の45%より少なめです。
仕事が「きつかった」と答えた人の割合
仕事選びを後悔した人も10人中4人の40%で、全体の46%と大きくは変わりません。10人の比較なので、1人ちがうだけで割合が10%動きます。
待つ時間は体を動かさないぶん、つらさは「時間がしばられる」ほうに出ます。帰りの時間が読めないことが、いちばんの負担です。
後悔した4人 は全員8時間以上の正社員
10人のうち後悔が「少しある」の4人は、全員が1日8時間以上の正社員でした。2人は10〜12時間です。
後悔が「ない・あまりない」の4人には、6時間未満の送迎やパートの食品配送が入っています。残りの2人は「どちらともいえない」でした。
長い時間しばられる働き方ほど、待つ時間が重く感じられやすいのかもしれません。4人ずつの比較なので、目安として見てください。
「さらに、拘束時間の中に「荷待ちの時間」がどれくらい含まれているかも、生活リズムを守る上で非常に重要になります。」
ルート配送の正社員の声です。荷待ちの長さが生活リズムに直結するので、入る前に聞くべきだと書いています。
荷待ちで拘束時間が伸びる
待つ時間が長い・つらいと書いた6人のうち、4人はトラックでした。残りはルート配送と軽貨物が1人ずつです。
6人のうち5人は正社員で、1日10時間以上の人が3人いました。
荷物の積みこみが終わるまで待たされると、運転していなくても1日が長くなります。前の会社で1日16時間近くになったと書いたルート配送の人もいました。
「積み込み作業は肉体的に大したことではないのが、積み込むまでの待ち時間が不安定で、駐車場所の確保にメンタルを病む。」
軽バンで走っていたパートの人の声です。待ち時間が日によってちがうと、その後の配達も押していきます。
- 積み込みの順番待ちで出発が遅れると、帰りの時間も遅れます
- 納品先で待つと、次の届け先の時間に追われます
- 待ち時間を休憩とされると、拘束時間は長いのに給料は増えません
積みこみの待ちと納品先の待ちがある
待つ時間は、出発前の積みこみ場所と届け先の2か所で起きます。積みこみ場所では、ほかのトラックの順番が終わるまで出られません。
届け先では、受け取る側の準備や前の車の荷降ろしを待ちます。どちらもドライバーが自分で短くすることはできない時間です。
待つ時間の長さは、ドライバーの腕より会社と荷主で決まります。だから入る前の会社選びがいちばん効きます。
関連記事ドライバーの労働時間は?1日10時間以上が35%→トラックとルートの正社員は10時間 をこえると月収が上がる
トラックとルート配送の正社員は44人で、月収を金額で答えたのは24人でした。1日10〜12時間の8人のまんなかは29.0万円です。
まんなかの額は中央値といい、金額を順に並べたときの真ん中の人の額です。ひとりだけ高い人がいても引っぱられません。
トラックとルート配送の正社員の勤務時間別の月収の中央値
6〜8時間の7人は24.0万円、8〜10時間の5人は23.2万円でした。12時間以上の4人は37.5万円で、人数が少ないので参考の額です。
月の額は10時間をこえると上がりますが、8時間台までは変わりません。数人ずつの比較なので、目安として見てください。
時間あたりにすると1,200円前後
月22日働くとして、時間帯のまんなかの時間で割ってみます。6〜8時間は7時間で割っておよそ1,558円でした。
8〜10時間は9時間で割って1,172円、10〜12時間は11時間で割って1,198円です。12時間以上は13時間で割ると1,311円でした。
6〜8時間だけ高いのは、7人の中に月40万円の人や大型トラックの人が入っているためです。人数が少ないと、1人の額で時間あたりが大きく動きます。
8時間をこえる帯どうしでは、長く働くほど月の額は増えても時間あたりは1,200円前後のままです。待つ時間まで給料に入っているかで、この額はもっと変わります。
待つ時間がただ働きだと時間あたりが下がる
10〜12時間の29.0万円の人が、毎日1時間よけいに待って12時間しばられたとします。時間あたりは1,198円から1,098円に下がります。
月の額が同じでも、待つ時間が給料に入らないと時給は100円ほど下がる計算です。求人の月給だけで比べないほうが安全です。
答えた金額には、手取りの人も税金を引く前の額面の人もいます。後のきつさの割合は、金額を答えなかった人も入れた44人で見ます。
1日10時間 をこえると「きつかった」も増える
同じ44人で「きつかった」と答えた人は、10〜12時間で15人中13人の87%でした。8〜10時間の12人では2人だけです。
トラックとルート配送の正社員の勤務時間別「きつかった」の割合
6〜8時間は9人中1人、12時間以上は6人中3人でした。12時間以上には、荷待ちが多いのに「かなり楽だった」と答えたトラックの人もいます。
月収が上がる10時間をこえるあたりで、きつさも一気に増えます。待つ時間が長い会社では、走る時間が同じでもこの帯に入りやすくなります。
「手積み手降ろしの有無と頻度(これを知らないと体が持たない) 残業の実態と休日の取りやすさ 事故時の対応(修理負担や保険) 配送ルートの特徴(高速が多いか、市街地か、長距離か) 待機時間の扱い 特に「手積み」と「待機時間」は絶対に確認すべきです。」
トラックの正社員だった人の声です。手で荷物を積む仕事と待機の長さは、求人票だけではわからないと書いています。
待ち時間を自由に使えたドライバーもいる
待つ時間を自由に使えたと書いた人は3人でした。送迎の業務委託、食品配送のパート、トラックの正社員が1人ずつです。
「今では待機時間で資格の勉強等有効活用している。」
送迎は、お客さんを送ったあと次の迎えまで待つ時間があります。この人は1日6時間未満の働き方で、待ち時間を勉強に使っていました。
「待機中は車両の洗車をしたりガソリンを入れに行ったりといった感じです。」
こちらはパートの女性で、待つ時間に車の手入れをしていました。3人とも「きつかった」とは答えていません。
- 待つ時間に車を離れて休める
- 待ち時間が仕事の一部として時間に入っている
- 待つ場所や時間が毎日ほぼ決まっている
送迎の待ち時間は日中のパートにも向く
送迎は、朝と夕方に送り迎えが集まり、そのあいだに待つ時間ができる仕事です。待つあいだに車を離れられる職場なら、体の負担は小さめです。
子どもが学校にいる時間だけ働きたい人には、短い時間の送迎は選びやすい働き方です。待ち時間が給料に入るかは、時給の仕事でも面接で聞いておきましょう。

待機の口コミからわかること
待つ時間にふれた10人の「働く前と違ったこと」を読むと、待機はつらさよりも時間の読めなさとして書かれています。
手積み・重い荷物の声がいちばん多く、次が長い拘束時間・休めないでした。面接で聞けば先に手を打てる内容です。
面接で確かめたいこと
- 手積み・手降ろしがあるか、カゴ台車かを確かめる
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
- 横乗り研修の期間と、相談できる人がいるかを聞く
待つ時間が仕事のうちに入る会社かどうかは、面接で1日の流れを聞くとわかります。
求人と面接で待機時間を確かめる
入る前に確かめたほうがいいことに、残業や拘束時間など時間の話を挙げた人は130人中55人でした。待機の長さもその1つです。
求人票の「拘束時間」と「休憩」の書き方を見て、わからなければ面接で聞きます。待つ時間が休憩あつかいなら、給料は出ません。
面接でそのまま使える質問
荷物の積みこみや納品先で待つ時間は、勤務時間に入りますか。
1日の中で荷待ちはだいたい何分くらいありますか。
出勤から帰るまでの1日の流れを、時間で教えていただけますか。
- 求人票の拘束時間と実働時間の差が大きい会社は、待つ時間が長いことがあります
- 「休憩2時間」と書いてあっても、車を離れられないなら休憩とは言えません
- 待機手当や待機料を出す会社もあるので、手当の欄も見ておきましょう
入ってから待機が長いとわかったら
入ってから荷待ちが長いとわかったら、まず日報や乗務記録に待った時間を毎日書いておきます。大きいトラックなら30分以上の荷待ちは記録する決まりです。
記録があれば、待機が勤務時間に入っているかを給与明細と見くらべられます。合わないときは、記録を持って会社に聞くのがいちばん早い方法です。
業務委託は待ち時間にお金が出ない契約が多い
業務委託は会社に雇われず、運んだ個数や1日いくらで報酬をもらう働き方です。待つ時間は報酬に入らない契約が多く、待つほど時間あたりが下がります。
業務委託で働くなら、積みこみの待ちが長い現場かどうかを先に聞きましょう。1日の報酬を、待ちもふくめた時間で割って考えると損をしにくくなります。
関連記事トラックドライバーの体験談とデータ→待機の多いトラックに向いている人・向いていない人
待つ時間の多い仕事は、待ち時間を気にせず過ごせる人に向いています。帰る時間を毎日決めたい人には合いにくい働き方です。
- 待ち時間に休んだり本を読んだりして気持ちを切りかえられる
- 月の額を上げるために長い拘束時間でもかまわない
- 待つ時間が給料に入る会社を選べる
- 子どもの迎えなどで帰る時間を毎日決めておきたい
- 予定どおりに進まないとイライラしやすい
- 長い時間しばられるのが体にこたえる
帰る時間を決めたい人は、待つ時間が少ない固定のルートや短い時間の送迎から探すと合いやすくなります。
トラックの待機時間と給料でよくある質問
トラックの待機時間に給料は出ますか?
車から離れられず、すぐ動けるように待つ時間は労働時間なので給料の対象です。自由に離れて休める時間は休憩です。
荷待ちはどれくらいありますか?
待つ時間にふれた経験者10人のうち、長い・つらいと書いたのは6人でした。前の会社で1日16時間近くになった人もいて、会社や荷主で大きく変わります。
トラックの月収は勤務時間でどう変わりますか?
待機にふれた人に限らず、トラックとルート配送の正社員で見ました。1日10〜12時間の8人のまんなかは29.0万円、8〜10時間の5人は23.2万円です。
待機の多い仕事はきついですか?
待機にふれた10人で「きつかった」は30%で、全体の45%より少なめでした。体よりも帰りの時間が読めないことが負担になっています。
待機時間が給料に入っているか確かめる方法は?
日報や乗務記録に待った時間を書いておき、給与明細の勤務時間や残業の時間と見くらべます。合わないときは記録を持って会社に聞きましょう。
送迎ドライバーにも待機はありますか?
あります。送迎は次の迎えまで待つ時間があり、送迎の業務委託の人は待ち時間を勉強に使っていました。パートで日中だけ働く人にも合いやすい働き方です。
普通免許でも待機の多いトラックに乗りますか?
30分以上の荷待ちを記録する決まりがあるのは、車両総重量8t以上などの大きいトラックです。普通免許で乗れるのは軽バンや小さいトラックで、待ち時間は積みこみ場所によります。
待機時間は給料に入る会社を選ぶ
- 車を離れられない待機時間は労働時間で、給料の対象です
- 待つ時間にふれた経験者は10人で、トラックが5人でした
- 10人の「きつかった」は30%で、つらさは拘束時間の伸びに出ています
- トラックとルートの正社員の月収は10〜12時間で29.0万円、8〜10時間で23.2万円です
- 面接では、荷待ちが勤務時間に入るかと1日の流れを聞きましょう
待つ時間まで給料に入る会社なら、長い拘束時間もそのぶん月収になります。入る前の質問ひとつで、損をしない会社を選べます。
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