トラック運転手の冬がつらいのは雪道の怖さと車の外の寒さ、年末の荷物の多さが重なるからです。
ドライバー経験者130人のうち18人が、冬のつらさを自分から書いていました。崖の手前で止まった話や、吹雪で動けなくなった話もあります。
冬に多い職種と、入る前に聞いておけば冬が楽になることを順に見ていきます。
- 冬がつらいと書いた人の割合
- 雪道と路面凍結の怖さ
- 車を降りたときの寒さ
- 年末の荷物の多さ
- 冬に多い職種
- 冬が楽な職場の見分け方
トラック運転手の冬がつらいと書いた人は130人中18人
冬のつらさを書いた人は18人で、7人に1人の割合です。中身は大きく3つに分かれます。
いちばん多いのは雪道と路面凍結の運転で8人でした。寒さの中の作業は6人、年末の物量は4人です。
雪道と寒さの両方を書いた人が3人います。ほかに雪の日の確認や雪の配達全般を書いた人が3人いて、合わせて18人です。
冬のつらさは、雪の運転と寒さと忙しさの3つで考えると見通しが立ちます。どれが重いかは、走る地域と運ぶ物で変わります。
入る前は、車の中にいれば寒さとは無縁だと考えていた人もいました。
「あと車の中でエアコンもあるし暑さや寒さを感じない点もいいなと思いました。」
冬にいちばん怖いのは雪道と路面凍結
冬の声でいちばん多かったのは、雪道と凍った路面の運転です。8人が書いていて、そのうち北海道の経験者が3人いました。
坂道でのスリップがいちばん多い
「もう二度と雪の日の坂道は上りたくありません。」
住宅街の急な坂で車が滑り、ガードレールの手前で止まった人の声です。時間に追われていて、坂の下に車を停めずに上ろうとしたのがきっかけでした。
「冬は雪が非常に多く凍結した道を運転するのは当たり前ですが、そんな日の運転で坂道で滑り、車が半分浮いたような状態で崖ギリギリに止まったのは大変でしたし、寒さもありその状態で知り合いの業者を呼んで車を救出したのは一番きつかったです。」
広島で2tトラックに乗っていた人は、坂で滑って車が半分浮いた状態になりました。雪の日は急ぐほど危なくなります。
会社の車は自分の車と勝手がちがう
「会社の車での配送だったので、愛車の四駆とは勝手が違いました。」
ふだん雪道に慣れていても、会社の車では感覚がずれます。荷物の重さで止まるまでの距離も変わります。
吹雪やアイスバーンで何時間も動けなくなる
「冬、北へ向かう高速道路で、猛吹雪に巻き込まれてしまい、視界が完全に遮られて立ち往生してしまいました。」
「大雪の日に道路がアイスバーンでトラックが動かせなくなり、レッカー待ちでそこに6時間半滞在したこと」
アイスバーンは、路面が氷のように凍ってつるつるになった状態のこと。大きなトラックでも動けなくなります。
長い距離を走る仕事では、雪で何時間も止まることがあります。車に食べ物と防寒具を積んでおくのは、こうした日のためです。
関連記事事故の不安はどれくらい?ドライバー経験者の声→冬の寒さがこたえるのは車を降りたとき
寒さを書いた6人のうち5人は車の外の話でした。荷出し・洗車・待ち時間など、暖房の届かない場面です。
残りの1人は、吹雪で止まった車の中で寒さに耐えた話です。
冷蔵車の荷出しは体の芯から冷える
「深夜から早朝にかけての配送において、冬場の極寒の中での作業が一番きつかったです。」
食品を運ぶ冷蔵車や冷凍車は、荷台の中がもともと冷えています。冬は外の寒さと荷台の冷たさが重なります。
冷たい物を運ぶ仕事は、冬の作業がとくに厳しくなります。深夜や早朝に走る運行だと、気温がいちばん低い時間に外へ出ることになります。
待ち時間と洗車も寒い
「夜間は1名の担当者とメールでのやり取りしか方法が無いので、寒い中待たされることも多々あり、不安でいっぱいになりました。」
「冬の寒い中でも水で洗車したり、雨の中の配達は少し大変でした。」
車を引き取りに行く仕事や、車を洗う作業も冬は手がかじかみます。手袋と替えの靴下があるだけで、半日の体の楽さがかなりちがいます。
ルート配送の経験者は、冬の寒い日を夏の暑い日や雨の日と並べてつらかったと書いています。季節のつらさは、外を歩く時間の長い仕事ほど出ます。
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冬のつらさは天気だけではありません。年末やお歳暮の時期の物量を書いた人が4人いて、全員が宅配の経験者でした。
12月は朝7時から夜10時まで働き通しで、休みは週1日だったという宅配の経験者もいます。
「特に年末年始や大型連休前は配送件数が通常より大幅に増え、時間指定も多くなるため、常に時間との勝負でした。」
12月は荷物が増えるうえに日が短く、暗い中を走る時間も長くなります。雪が降れば、荷物の遅れをお客さんに責められることもあります。
「(雪で荷物が最寄りセンターに届いてないにも関わらずすぐ持ってこいなどは日常茶飯時)」
宅配の冬は、雪と年末の忙しさが同じ時期に来ます。12月だけは別の仕事だと思って体力を残しておきましょう。
忙しい時期は残業代が出るので給料もよくなる。宅配の経験者からはそんな声もありました。
忙しさと引きかえに、1年でいちばん稼げる月になる人もいます。お歳暮の初日だけ人を増やす営業所もあるそうです。
「最近は波動が少ないですがお中元、お歳暮の初日は人員を増員するがこの日限りはかなりの物量を集配することとなり憂鬱でした。」
波動は、日によって荷物の量が大きく上下することを指す言葉です。
年末に入社すると、仕事を覚える前にいちばん忙しい時期が来ます。冬に始めるなら、11月までに入って道と荷物に慣れておくと楽です。
冬がつらいと書いた人は食品配送と宅配に多い
職種で比べると、冬のつらさは食品配送と宅配に多く出ています。
職種別「冬のつらさを書いた人」の割合
食品配送は13人中5人、宅配は21人中5人です。食品配送は3人に1人をこえ、宅配は4人に1人ほどでした。ルート配送は31人中3人、トラックは30人中3人です。送迎9人・軽貨物9人・タクシー5人は1人も書いていません。人数が少ないので目安として見てください。
食品配送は冷たい荷物と早朝の運行、宅配は年末の物量が冬のつらさを大きくしています。ルート配送とトラックは10人に1人ほどでした。
人を乗せる送迎やタクシーは、車の外にいる時間が短い仕事です。寒さが苦手な人は、こうした仕事も候補に入ります。
女性だから冬がつらいわけではない
冬のつらさを書いた18人のうち女性は6人で、33%です。回答者全体の女性も130人中42人で32%なので、割合はほぼ同じでした。
日中の送迎の仕事を考えている人もいると思います。送迎の経験者9人は冬のつらさを1人も書いておらず、人数は少ないものの冬の心配は小さめと見てよさそうです。
関連記事食品配送ドライバー13人のきつさと月収を見る→冬の声から見えた会社選びのちがい
冬のつらさを書いた18人に、入る前に確かめておけばよかったことを聞きました。雪そのものより、事故や時間の扱いの話が目立ちます。
多かったのは長い拘束時間・休めないと事故・眠気の不安の話です。どちらも入る前に確かめられます。
入る前に聞いておきたいこと
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
- 運行の組み方と、仮眠や休憩が取れるかを聞く
- 手積み・手降ろしがあるか、カゴ台車かを確かめる
雪は止められませんが、雪の日に急がされない会社なら冬の怖さはかなり減らせます。
冬がつらくても後悔が多いわけではない
冬のつらさを書いた18人と、それ以外の112人を比べました。冬の声の人のほうが後悔は少なめでした。
仕事が「きつかった」と答えた人の割合
冬を書いた18人中7人(39%)で、それ以外は112人中51人(46%)です。
ドライバーになって「後悔あり」と答えた人の割合
冬を書いた18人中7人(39%)で、それ以外の112人中53人(47%)より少なめでした。
冬のつらさは、仕事を辞めたくなる決め手にはなりにくいようです。18人と人数が少ないので、目安として見てください。
雪道で怖い思いをした人でも、仕事そのものは楽だったと答えた人がいます。レッカーを6時間半待った人は、きつさを「かなり楽だった」と答えていました。
「未経験でも最初はしんどいですが、慣れると天職なのでぜひ一緒に頑張りましょう」
トラック運転手が冬を乗り切る備え
冬の備えは雪の日に急がないことと、止まったときに困らない準備の2つです。経験者の声から考えると次のようになります。
- 雪の日は坂の上に無理に車を入れない。下に停めて歩いて運ぶ
- 出発前に会社の車のタイヤを見る。冬用タイヤかどうかを自分で確かめる
- 車に飲み物・食べ物・毛布・手袋の替えを積んでおく
- 冷蔵車の荷出しは厚手の手袋と重ね着で体を冷やさない
- 吹雪で前が見えないときは無理に進まず、会社に連絡して指示をもらう
雪の日の事故は続けて起きることがある
「さらに北海道ですので大雪や吹雪になったりすると大変な思いをします、一週間に2回も事故にあって凹んだ時もありました。」
北海道でお弁当を届けていた人の声です。12時までに届ける決まりがあり、時間に追われながら雪道を走っていました。
時間の決まりがきつい仕事ほど、雪の日の事故が増えやすいと考えておきましょう。事故のときの負担も入る前に聞いておくと安心です。
「また、一番重要なのは「事故時の自己負担」があるかどうかです。」
ガードレールの手前で止まった人も、急いで坂を上ろうとしたのが始まりでした。遅れの連絡を早めに入れるほうが、事故を起こすよりずっと軽くすみます。
北海道の経験者は、冬は冷えこむ時間帯に配達が始まるので運転が怖かったと書いています。雪国で働くなら、最初の冬は先輩の横に乗って道を覚えておきましょう。
関連記事未経験で始めた人がつまずいたことを読む→冬がきつくない職場を求人で見分ける
冬のつらさは、車の装備と雪の日のルールで差が出ます。どちらも面接で聞けば答えが返ってくることです。
宅配の経験者からは、冬に備えたタイヤ交換の補助があるかを聞いておくべきだという声がありました。
「冬季の配送時の事故が起きたときの対応や、ホワイトアウトや路面凍結による配送時間のズレがあった場合の対応策等を上司に確認したら良いと思う」
ホワイトアウトは、吹雪で周りが真っ白になり前が見えなくなることです。
- 冬用タイヤやチェーンは会社が用意するか。交換の費用はだれが払うか
- 雪で遅れたとき、だれが届け先に連絡するか
- 冷蔵車・冷凍車に乗るか。防寒着の支給はあるか
- 12月の残業はどれくらい増えるか
- 年末年始の休みは取れるか
- 雪の日に配達を止める判断を、だれがするか
雪の日の判断を会社がしてくれる職場なら、冬の運転を1人で抱えこまずにすみます。遅れを責める会社かどうかは、面接での答え方でかなり見えます。
「盆や正月などもあまり休みがない場合があるので、特に休日はきちんと確認をした方がいいです。」
冬のトラック運転手に向いている人・向いていない人
冬のつらさがあっても続けている人には、共通点があります。
- 寒い日でも外で体を動かすのが苦にならない人
- 雪の日は遅れても安全を選べる、落ち着いた人
- 防寒や車の備えを自分で整えられる人
- 雪道の運転にどうしても慣れない人
- 遅れそうになると焦って急いでしまう人
- 12月の長時間の勤務がむずかしい人
雪道が不安なら、雪の少ない地域の仕事を選ぶ手があります。寒さが苦手なら、冷蔵車に乗らない仕事や人を乗せる仕事も候補です。
冬のつらさを書いた正社員のうち、月収を金額で答えたのは5人です。その真ん中の額(中央値)は29万円でした。
5人だけの目安ですが、冬がつらい仕事でも月収が低いとは限りません。給料は職種で差があるので、冬のつらさとあわせて見ておきましょう。
関連記事職種別の月収はいくら?ドライバーの給料を比べる→トラック運転手の冬についてよくある質問
トラック運転手の冬は、どれくらいの人がつらいと感じていますか?
ドライバー経験者130人中18人が冬のつらさを書いていました。雪道と路面凍結が8人で、いちばん多い話です。
冬のトラックの運転席は寒いですか?
暖房が効くので、走っている間はそれほど寒くありません。寒さを書いた6人のうち5人は、荷出しや洗車や待ち時間など車の外の話でした。
雪道の運転に自信がなくてもトラック運転手になれますか?
なれます。雪道で怖い思いをした8人のうち、後悔ありは3人でした。雪の日に急がされない会社を選び、最初の冬は無理をしないことです。
冬がいちばんつらい職種はどれですか?
食品配送13人中5人、宅配21人中5人が冬のつらさを書いていました。食品配送は冷蔵車の荷出し、宅配は年末の荷物の多さの話が中心です。
女性は冬のドライバーの仕事を避けたほうがいいですか?
冬のつらさを書いた女性は18人中6人の33%で、回答者全体の女性の割合32%とほぼ同じでした。性別より、走る地域と運ぶ物で選ぶほうが確かです。
冬の年末は稼げますか?
宅配では12月に荷物が増え、残業代が出るぶん給料もよくなるという声がありました。そのかわり朝から夜まで働く日が続きます。
雪の少ない地域でも冬はつらいですか?
寒さの中の荷出しや年末の物量は、雪がなくてもあります。年末の物量を書いた4人は全員が宅配の経験者でした。
冬に入社しても大丈夫ですか?
大丈夫です。ただ12月は荷物が増えるので、仕事に慣れる前にいちばん忙しい時期が来ます。11月までに入るか、年明けから始めると落ち着いて覚えられます。
冬のつらさが理由で辞める人は多いですか?
冬のつらさを書いた18人の後悔ありは39%で、それ以外の47%より少なめでした。人数が少ないので目安ですが、冬だけが理由で後悔する人が多いわけではありません。
トラック運転手の冬のつらさは雪の日の会社の判断で変わる
- ドライバー経験者130人中18人が、冬のつらさを書いていました
- 雪道と路面凍結が8人で、寒さの中の作業は6人と年末の物量は4人です
- 冬のつらさは食品配送と宅配に多く、送迎・軽貨物・タクシーでは0人でした
- 冬の声の人の後悔は39%で、それ以外より少なめです
- 冬用タイヤ・雪で遅れたときの扱い・12月の残業を、入る前に聞いておきましょう
冬が不安なら雪の日に急がされない会社と、車の外にいる時間が短い仕事を選べば大丈夫です。冬以外のきつさはドライバーの仕事はきつい?のページに職種別の数字があります。