ドライバーのストレスでいちばん多いのは、事故の不安と時間に追われることです。経験者130人のうち54人が、体ではなく心のきつさを「一番きつかったこと」に書いていました。
今の仕事のストレスから離れたくて、ドライバーを考えている人もいると思います。運転の仕事にはどんなストレスがあり、どこで後悔につながるのかを順に見ていきます。
- ストレスを一番に挙げた54人の内訳
- 原因1位の事故の不安
- 時間に追われるストレス
- 後悔につながりやすいストレス
- 職種と勤務時間でのちがい
- ストレスの少ない職場の見分け方
ドライバーのストレスは130人中54人が一番に挙げた
一番きつかったことに心のストレスを書いた人は、130人中54人(42%)です。重い荷物や暑さなど体のきつさを書いた人と、ほぼ半分ずつに分かれます。
一番きつかったことに書いたストレスの原因(130人中)
人数は事故の不安25人・時間に追われる22人・人とのもめごと11人・不在と再配達5人です。2つ以上の原因を書いた人が9人いるので、重なりを除いた人数は54人です。
上位の2つは、どちらもハンドルを握っている間に続くストレスです。人づきあいのストレスは思ったより少なく、一人の気楽さを良かったことに挙げた人は76人いました。
ストレスの原因1位は事故の不安で25人
いちばん多い原因は事故の不安で、25人が挙げました。自分が気をつけていても、飛び出しや無理な割りこみは避けきれないからです。
「繁忙期など忙しい時でも一日中運転しているので、事故をしないように気を張っているのが大変だった。」
「運転が得意じゃないことに途中で気がついて、事故をしないかなど毎日不安になりしんどかったです。」
事故の不安は、一日中ずっと気を張り続けるつらさとして出てきます。走っている間は休む場面がなく、仕事が終わるとどっと疲れが出ます。
一方で事故の不安を書いた25人のうち、後悔ありは9人にとどまりました。気を張るのはつらくても、慣れるにつれて付き合い方がわかってくる人が多いようです。
雨や雪の日は事故の不安が強くなる
事故の不安を書いた人の話には、雨・雪・台風の日がよく出てきます。路面がすべって前も見えにくい日は、いつもの道でも緊張が続きます。
「2026年8月、雨が降っていて、事故を起こしてしまった。」
天気の悪い日は配達が遅れやすく、時間の焦りまで重なります。悪天候の日に無理をさせない会社かどうかで、不安の大きさは変わります。
雪の多い地域で働くなら、冬の配達の遅れをどう扱うかを面接で聞いておきましょう。遅れてもよいと言ってもらえるだけで、ハンドルを握る気持ちはかなり楽になります。
関連記事事故の不安はどれくらい?経験者の声と会社選び→時間に追われるストレスは22人が挙げた
2番目は時間に追われるストレスで、22人です。時間指定の荷物や、決まった時刻までの納品に間に合うかどうかで焦る声が並びました。
「時間指定を間に合わせるために常に焦り続けないといけない点でした。」
「渋滞や天候で予定通りに進まなくても、配達時間や到着時間は基本変わらないので、常に時計を気にしながら動くプレッシャーがあります。」
一番きつかったことに渋滞を書いた人は11人いて、その多くが時間の焦りとセットで書いていました。渋滞そのものより、渋滞で時間に遅れることがストレスになっています。
遅れると会社からも責められる
遅れたときに会社やお客から責められると、焦りはさらに強くなります。お届け先からクレームが来たという声もありました。
「指定時間に遅れることが度々だったので帰社時間を計測されてどうして時間がかかるか問い詰められたり、とてもプレッシャーを感じた」
時間指定は、お客が受け取る時間を指定した荷物のこと。時間指定の多さと1日の件数は、求人を選ぶ段階で聞いておけば避けられます。
人とのもめごとのストレスはいちばん後悔につながる
後悔にいちばんつながるのは人とのもめごとです。一番きつかったことに人のことを書いた11人のうち、8人(73%)がドライバーになったことを後悔していました。
ストレスの原因別「後悔あり」の割合
人数は人とのもめごと11人・時間に追われる22人・事故の不安25人です。心のストレスなしは、一番きつかったことに体のきつさなどを書いた76人を指します。
事故の不安を書いた人の後悔は、心のストレスなしの人より少なめでした。不在と再配達を書いた5人は人数が少ないのでグラフから外し、後悔ありは3人です。
「人間関係が最悪でした。」
事故や時間のストレスは慣れで軽くなりますが、人のストレスは相手が変わらないかぎり続きます。ここが後悔の差になっていると考えられます。
ただし人とのもめごとを一番に書いた人は130人中11人で、多くはありません。職場の上司や先輩ともめた話は、別の記事でくわしく紹介しています。
ストレスを一番に書いた正社員は月収も低め
月収を金額で答えた正社員39人で比べると、心のストレスを一番に書いた15人のまんなかは22.0万円でした。書かなかった24人は27.5万円です。
まんなかの額は、金額を低い順に並べたときの真ん中の人の月収のこと。人数が少ないので目安ですが、時間に追われるわりに給料が上がらない職場では、ストレスが重く感じられます。
家族のために年収を下げたくない人は、月収と1日の件数をセットで比べましょう。件数が多いのに給料が低い求人は、ストレスのわりに報われにくい職場です。
関連記事ドライバーの人間関係は楽?もめた人の声を見る→ストレスが多い職種は食品配送とルート配送
職種で見ると、心のストレスを一番に書いた人の割合は食品配送がいちばん高くなりました。トラックと宅配は3割ほどです。
職種別「心のストレスを一番に書いた人」の割合(9人以上の職種)
人数は食品配送13人中8人・送迎9人中5人・軽貨物9人中5人・ルート配送31人中14人・トラック30人中9人・宅配21人中6人です。その他の職種とタクシーは人数が少ないので外しました。
食品配送とルート配送は、決まった時刻に何か所も回る仕事です。お昼のお弁当や店の開店前の納品など、遅れられない時間が一日に何度もあります。
「一番気使った事は時間に制約がある事でした。」
長い距離を走るトラックは、一度出れば次の納品まで時間に余裕がある運行もあります。宅配は不在と再配達のストレスが目立ちました。
「身体中が痛くなるし、不在が多くてストレスがすごかった」
送迎と軽貨物も半分をこえる
送迎と軽貨物は9人ずつと少ないものの、どちらも半分をこえました。送迎は人を乗せるぶん、事故の不安を書いた人が目立ちます。
軽貨物は会社に雇われず、1件いくらで配達を引き受ける働き方が多い仕事です。件数がそのまま収入になります。不在が続くと時間もガソリン代もむだになるので、再配達のつらさを書いた人がいました。
どの職種にもストレスはあります。自分が耐えやすいのは時間の焦りなのか、人を乗せる緊張なのかを考えて選ぶと、入ってからの後悔が減ります。
関連記事ルート配送ドライバーの体験談とデータを見る→勤務時間が短くてもドライバーのストレスは減らない
勤務時間が短くても、ストレスはあまり減りません。6時間未満の人でも36%が、心のストレスを一番に書いていました。
1日の勤務時間別「心のストレスを一番に書いた人」の割合
人数は6時間未満22人・6〜8時間30人・8〜10時間27人・10〜12時間29人・12時間以上17人です。日によって大きく違った5人は外しました。
短い時間のパートでも、時間に追われる焦りや事故の不安は同じようにあります。体のきつさは時間で減らせますが、心のストレスは仕事の中身で決まります。
「最初は道を覚えたり時間を意識しながら回る事が思った以上に大変でした…渋滞や道路規制で時間に焦る事もありました。」
この人は食品配送のパートで、1日6時間未満の勤務でした。時間を短くしたい人こそ、1日に回る件数を確かめておくと安心です。
関連記事ドライバーの労働時間の実態を見る→人間関係のストレスは減ったと感じる人が多い
人づきあいのストレスは、減ったと感じる人のほうが多い仕事です。130人のうち76人(58%)が、ひとりで走れる気楽さや職場の人づきあいの軽さを良かったことに挙げています。
運転席にいる間は、上司の目も同僚の雑談も届きません。前の仕事で人に疲れた人ほど、この差を大きく感じています。
「前職のように上司や部下の機嫌を伺ったり、理不尽な客の相手をダラダラ続けたりする必要がないため、精神的なストレスは劇的に減り、夜はぐっすり眠れるようになりました。」
「基本は1人なので気を使うこともなくストレスはあまりないのは良かった」
心のストレスを一番に書いた54人のうち、30人は良かったことに一人の気楽さも書いています。運転中の緊張はあっても、人に気をつかうストレスは減ったという人が多くいます。
前の仕事でいちばんつらかったのが上司や客への気づかいなら、ドライバーはそれを減らせる仕事です。代わりに事故と時間のストレスがあると思っておきましょう。
ストレスで悩んだドライバーの声
悩んだ人の声に多いのは、自分ではどうにもできないことへのいら立ちです。渋滞や不在は、どれだけ急いでも減らせません。
「再配達が多く、その日のうちに配達が終わらない見込みになると、他の配達員に荷物を振り分けることになり、その手間や気苦労が本当にストレスになった」
「運転が好きという理由だけだと、荷物の積み下ろしや渋滞のストレスで想像以上にきつく感じる場面が多いと思います。」
ストレスをためない会社選び
心のストレスを一番に書いた54人が、入る前に確かめるべきと書いたことを見てみます。
長い拘束時間・休めないの声がいちばん多く、次が給料・経費でした。面接で聞けば先に手を打てる内容です。
面接で確かめたいこと
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
- 固定給か歩合か、経費はだれが払うかを確かめる
- 運行の組み方と、仮眠や休憩が取れるかを聞く
ストレスのもとの多くは、拘束時間と件数の決まり方です。運行は、何時に出て何か所を回り何時に戻るかという一日の走る予定のこと。運転の腕よりも、どんな運行の会社に入るかでストレスの量が変わります。
ストレスの少ないドライバーの職場を見分ける
見分けるには1日の件数・時間指定の多さ・事故のときの扱いの3つを聞きます。経験者が確かめるべきと書いたことにも、この3つがよく出てきました。
「配送ルートがなかなか覚えられない場合の対応、時間指定が厳しいかどうか」
「何件配達するのかや1時間あたりに配達する数、ルートなどもチェックしておくべき。」
件数に余裕がある会社なら、渋滞にはまっても焦らずにすみます。事故のときに修理代を自分で払う決まりがあると、運転中の緊張はさらに強くなります。
面接で聞く質問
1日に回る件数と、1時間あたりの配達の数はどれくらいですか。
時間指定の荷物は1日に何件くらいありますか。
渋滞で遅れそうなときは、どこに連絡してどう対応しますか。
事故を起こしたとき、修理代の自己負担はありますか。
道を覚えるまで、だれかが横に乗って教えてくれますか。
道を覚えるまでの期間も聞いておく
新人のうちは道がわからず、時間の焦りと事故の不安が重なります。一番きつかったことに道に迷った話を書いた人もいました。
横に乗って教えてもらえる期間が長い会社なら、ひとりで走り出すころには道に慣れています。最初の1か月の過ごし方は、面接で必ず聞いておきましょう。
関連記事ブラックな運送会社の見分け方を見る→ドライバーのストレスに強い人・弱い人
強いのは、遅れても自分を責めすぎない人です。渋滞や不在は、だれが走っても起きます。
- 上司や客に気をつかう仕事に疲れている
- 決まった手順を毎日くり返すのが苦にならない
- 遅れそうなときに、すぐ会社へ連絡できる
- 時間に遅れることがどうしても許せない
- 運転中にずっと気を張るのが苦手
- 思いどおりに進まないとイライラしやすい
「一人で運転している時間は人間関係のストレスが少なく、自分のペースで仕事を進められる点が精神的にとても楽で良かった。」
自分のペースで走れるかどうかは、会社の運行の組み方しだいです。イライラしやすい自覚がある人は、件数の少ない会社や時間指定の少ない荷物を選ぶと合いやすくなります。
人と話すのが苦手でも続けられる
人づきあいが苦手な人にとって、ドライバーは気持ちの楽な仕事です。荷物を届けるときの会話は短く、ほとんどの時間を一人で過ごします。
「荷物の配送中は個人での仕事になるので人間関係もあまり心配しなくても、関わる時間も短いため人との関わりが苦手でもストレスを感じることはありませんでした。」
この人は軽貨物の正社員で、事故への緊張はあったものの人のストレスはなかったと書いています。苦手なのが人なのか時間なのかで、向く職種は変わります。
時間に追われるのが苦手なら、件数の決まったルート配送より、出発と到着の時刻にゆとりのある運行を選びましょう。人を乗せる緊張が苦手なら、送迎やタクシーより荷物を運ぶ仕事のほうが合います。
ドライバーのストレスによくある質問
ドライバーの仕事はストレスが少ないですか?
人づきあいのストレスは少なめです。経験者130人のうち76人が、一人の気楽さを良かったことに書いていました。ただし事故の不安と時間の焦りはあります。
ドライバーのストレスでいちばん多い原因は何ですか?
事故の不安です。一番きつかったことに事故の不安を書いた人は25人で、時間に追われるが22人でした。
どのストレスが後悔につながりやすいですか?
人とのもめごとです。一番に書いた11人のうち8人が後悔していました。事故の不安を書いた人の後悔は25人中9人です。
パートで短い時間ならストレスは少ないですか?
あまり変わりません。1日6時間未満の22人でも8人が心のストレスを一番に書いていました。件数が少ない仕事を選ぶと楽になります。
女性ドライバーはストレスを感じやすいですか?
女性のほうがやや多めです。心のストレスを一番に書いたのは女性42人中20人(48%)で、男性は88人中34人(39%)でした。女性は事故の不安を書いた人が目立ちます。
AT限定の普通免許でもストレスの少ない仕事はありますか?
あります。軽バンで決まった店を回るルート配送なら、件数も道も毎日ほぼ同じで慣れやすい仕事です。2トンより大きい車は準中型免許が必要になることが多いので、応募の前に車の大きさを見ておきましょう。
ドライバーのストレスは会社選びで減らせる
- 心のストレスを一番きつかったことに書いた人は130人中54人
- 原因は事故の不安25人・時間に追われる22人が上位
- 人とのもめごとを書いた11人は8人が後悔していた
- 勤務時間が短くても心のストレスはあまり減らない
- 一人の気楽さを良かったことに書いた人は76人
ドライバーのストレスは、人づきあいより事故と時間から来ます。1日の件数と時間指定の多さを入る前に確かめれば、焦りの多くは避けられます。