宅配ドライバーはやめとけ、という声を見て応募をためらう人は多いと思います。経験者130人のうち宅配で働いた21人の答えで確かめました。
後悔した人は21人中10人で、ほかのドライバー職とほぼ同じ割合でした。ただきつかったと答えた人はほかより多く、中身はエレベーターのない階段と重い荷物です。
後悔は働き始めの半年と、5年以上続けた人に集まっていました。最初の半年をどう越えるかと、長く続けるなら体力の先の準備が分かれ目です。
- 後悔ありは21人中10人
- きつさの中身は階段と重い荷物
- 後悔は最初の半年に多い
- 後悔した10人の声
- 後悔しなかった人の共通点
- 求人で確かめること
宅配ドライバーはやめとけ?後悔ありは21人中10人
宅配の経験者21人のうち、後悔が「ある」「少しある」の人は10人(48%)でした。ほかのドライバー職109人では50人(46%)です。
宅配とほかの職種の後悔の有無
後悔が「ない」「あまりない」は8人で、残りの3人は「どちらともいえない」と答えています。差は2ポイントで、宅配だけが特に後悔の多い仕事とは言えません。
やめとけと決めつけるほどの数字ではない、というのが21人の答えです。
21人のうち19人は未経験から宅配を始めていました。正社員5人・パート7人・業務委託4人と、働き方もさまざまです。残りは契約社員と副業が2人ずつ、個人事業主が1人です。
業務委託は、会社に雇われず1個いくらで配達を請け負う働き方のこと。自分の軽バンを使い、ガソリン代も自分で払う形が多くなります。
月収を金額で答えた9人の中央値は16万円でした。中央値は金額を低い順に並べてまん中に来る人の額で、ここには1日数時間のパートや副業も入っています。
正社員5人のうち月収の幅を答えた4人は、全員が月30万円以上でした。フルタイムで働くなら、今の手取りより下がるとはかぎりません。
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後悔の割合は同じでも、きつさはちがいました。宅配で「きつかった」と答えた人は13人(62%)で、ほかの職種は41%です。
宅配とほかの職種の「きつかった」の割合
きつかった人のすべてが後悔したわけではありません。きつかった13人のうち後悔ありは8人(62%)です。「普通」か「楽」と答えた8人では2人でした。
きつかったかどうか別の「後悔あり」 の割合(宅配)
宅配はきついと覚悟して入るのが前提で、そのきつさを軽くできる会社を選べるかで後悔が変わります。
1日10時間以上働いた9人は7人がきつかったと答え、10時間未満の12人では6人でした。後悔ありは10時間以上で4人・10時間未満で6人で、時間の長さだけでは後悔は決まっていません。
一番きつかったのは階段と重い荷物
一番きつかったことと想像とのちがいを読むと、エレベーターのない階段で重い荷物を運ぶ話が7人でした。道や住所を覚える苦労も7人・不在と再配達が5人です。
宅配で一番きつかったこと(21人)
1人が2つ以上に入ることがあり、3つすべてに入った人が1人・2つに入った人が2人います。重なりを除くと15人で、残りの6人は事故の不安や繁忙期の物量などを書いていました。
「雨が降っている時に重い荷物をエレベーターがない団地の5階に配達する時。」
1tで5年以上働いた50代後半の正社員です。宅配は届け先を選べないので、階段の多い団地を受け持つと毎日これが続きます。
「エレベーターのないマンションに配達に行く時は在宅しているか分からないのに重い荷物を持って階段を駆け上がってた。」
普通車で1〜3年働いた40代前半の契約社員です。2tで働いたパートの女性は、マンションの上の階へ飲料の箱を運び続けて腰を痛めたと書いていました。腰が心配な人は、担当エリアに団地やエレベーターのないマンションが多いかを先に聞いておきましょう。
不在と再配達は時間と気持ちを削る
宅配ならではのつらさが、留守の家にもう一度届けに行く再配達です。重い荷物ほどこたえるという声もありました。
「一番きついのはお客様の不在や再配達が、一番きついです。」
業務委託で3〜5年続けた50代前半の人です。それでも後悔はなく、人間関係に悩まないことを良さに挙げていました。
お中元とお歳暮の時期は荷物が一気に増える
宅配には、年に何度か荷物が急に増える時期があります。12月や夏のお中元の時期を一番きつかったことに挙げた人もいました。
「最近は波動が少ないですがお中元、お歳暮の初日は人員を増員するがこの日限りはかなりの物量を集配することとなり憂鬱でした。」
大手で5年以上働いた30代後半の正社員です。最初の「波動」は、荷物の量の波のこと。入る時期が繁忙期に重なると、慣れる前にいちばん重い月を迎えることになります。
始める時期を選べるなら、繁忙期の直前は避けたほうが体を慣らしやすくなります。
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経験年数で分けると、半年未満でやめた6人のうち4人が後悔していました。半年〜5年未満の10人では2人です。
宅配の経験年数別「後悔あり」の割合
人数は6人・10人・5人で合わせて21人です。1つの区分が10人以下なので目安ですが、半年を越えて続いた人は後悔が少なくなっています。
「仕事の大変さと時給の割合がそこまで合っていないと思いました。」
パートで3〜6ヶ月働いた20代後半の人です。体力に自信があるほうではなく、毎日の疲れに時給が見合わないと感じていました。軽バンの業務委託で1〜3ヶ月走った50代前半の人も、再配達で帰りが遅くなり後悔したと書いています。
半年を越えた人は道と体が慣れていた
半年をこえて続いた人の声には、道を覚えて楽になったという話が出てきます。最初の数か月は、知らない住所を1件ずつ探すだけで時間が消えていきます。
「やりたくて受けた仕事なので、後悔はしません。」
パートで1〜3年続けた30代後半の女性です。配送ルートが決まったら先に教えてもらい、予習しておくのもよいとすすめていました。最初の半年は道を覚える期間と割り切ると、気持ちが折れにくくなります。
5年以上の後悔は体力と会社選び
5年以上続けた5人は全員が正社員で、4人が後悔ありでした。中身は年とともに落ちる体力への備えや職場の人間関係などさまざまです。
5人のうち月収の幅を答えた4人は、いずれも月30万円以上でした。長く続けた人ほど、体が動かなくなる先の不安を口にしています。40代から入るなら、最初から次の資格まで考えておくと安心です。
「体力が無くなっていくことも考えて他の資格も取り準備をしておくべきだった。」
2tで5年以上走った40代前半の人で、月40万円をかせいでいます。長く続けるなら、大型免許や運行管理者(ドライバーの運行を管理する人)の資格を早めに取っておくと次の道が開けます。
宅配ドライバーで後悔した10人の声
後悔した10人の声を中身で分けると、体力が追いつかなかった人と会社や職場の選び方を悔やんだ人が3人ずつでした。
宅配の後悔の中身(10人)
10人はどれか1つの中身にだけ入ります。ほかの4人は時間に追われた話が2人・自分の車の傷み・運転が合わなかった話が1人ずつでした。
「働く前は可愛い制服を着て荷物を笑顔でお届けする爽やかなイメージを持っていましたが、現実は毎日の凄まじい物量との戦いでした。」
大手の宅配で1〜3年働いた20代後半の契約社員の女性です。ウォーターサーバーの水を何個も抱えて階段を上り、翌日は動けなかったと書いています。体力に合ったエリアや会社を選ぶべきだった、というのが本人の後悔です。
「求人サイトに勤務経験者のレビューがなかったので立ち上げてからの日数が短いのでしかたないのかと思っていたが、やはりレビューがない勤務先はやめておいた方がよいと思う。」
60代以上でパートに入り、1ヶ月たたずにやめた人です。面接で名乗らない代表者や、始める日の連絡がない会社に不安を感じていたそうです。面接で答えがあいまいな会社は、応募を急がずほかと比べてから決めましょう。
「仕事内容がきつく人間関係も大変で心身共に病んでしまい、家族にも心配をかけたこと。」
運転中は一人でも、朝の積み込みや営業所では人と顔を合わせます。宅配の後悔は、荷物の重さと職場の空気の両方から来ていました。

宅配の後悔は入る前の見きわめ
宅配の21人が一番きつかったことに書いたのは、荷物と時間に追われる毎日の話でした。
多かったのは手積み・重い荷物と時間指定・焦りの話です。どちらも入る前に確かめられます。
入る前に聞いておきたいこと
- 手積み・手降ろしがあるか、カゴ台車かを確かめる
- 1日の配達件数と時間指定の多さを聞く
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
体力の不安は、担当エリアと1日の個数を聞けばかなり読めます。会社の様子は面接と営業所の雰囲気で見ておきたいところです。
手積み・手降ろしは、荷物を1つずつ手で積んで降ろすこと。カゴ台車は車輪のついた大きなかごで、これで運べると体がずっと楽になります。
宅配ドライバーで後悔しなかった人の共通点
後悔が「ない」「あまりない」の人は8人でした。良かったことを読むと、一人で働ける気楽さとお客さんからの感謝が並びます。
宅配の経験者が書いた良かったこと(21人)
一人の気楽さを書いた8人のうち、後悔ありは2人だけでした。前の職場の人間関係に疲れて宅配に来たと書いた人もいました。
「人付きが苦手なので天職だと感じたくらい」
普通車で副業として半年あまり走った30代後半の人です。不在の多さには参ったものの、後悔はないと答えています。
「ドライバーになってから自由にドライブ気分に配達が出来て休憩時間も自由ですから、楽しい仕事です。」
- 人に気をつかう職場から離れたかった
- 届け先の人と顔なじみになるのを楽しめた
- 階段や重い荷物の少ないエリアだった
- 半年を越えて道を覚えるまで続けられた
宅配の良さは人間関係の軽さで、それを求めて入った人は後悔しにくい傾向です。
女性の宅配ドライバーは後悔が少なめ
宅配の女性9人のうち、後悔ありは3人(33%)でした。男性は12人中7人(58%)です。
宅配の男女別「後悔あり」の割合
女性はきつかった人も9人中4人で、男性の12人中9人より少なめでした。女性はパートや副業で短い時間に働く人が多く、その差も出ていると読めます。
「一人で気楽にできるのでよかったし、子供も連れてできるのがよかったです。」
自分の軽バンで業務委託をした30代前半の女性です。時間を自分で決められる働き方なら、子どもの予定と合わせやすくなります。短い時間で始めれば、女性でも続けやすい仕事です。
女性9人は人数が少ないので目安です。事故が心配だったと書いた女性も2人いました。運転に不安があるなら、慣れるまでは短い時間の求人から試すと負担を小さくできます。
関連記事女性ドライバーのきつさを経験者の声で見る→宅配ドライバーに向いている人・向いていない人
向いているのは一人で動くのが好きで、体を動かすことを苦にしない人です。届け先で声をかけられるのが励みになる人も続いていました。
- 職場の人間関係に疲れている
- 歩く・階段を上ることが苦にならない
- 知らない道を覚えるのが楽しめる
- 腰やひざに不安がある
- 時間に追われると焦ってしまう
- 運転そのものに自信がない
「自分に合っていない職だったなあと働かなかったらよかったと後からおもいました。」
軽バンのパートで1〜3ヶ月働いた30代前半の女性で、運転が得意でないと途中で気づいたそうです。運転が不安なら、軽い荷物で短い時間の求人から試すのが安全です。
軽バンや普通車の宅配は普通免許で運転できます。AT限定の人は、AT車をそろえた会社を選べば始められます。免許証の普通免許の取得日が2017年3月12日以降なら、2tトラックの多くは運転できないので気をつけてください。
宅配ドライバーの求人で確かめること
宅配の経験者が「確かめた方がいい」と書いたことは、残業・休み・拘束時間が11人でいちばん多くなりました。給料の払い方が5人・1日の個数とエリアが4人です。
宅配の経験者が確かめてと書いたこと(21人)
1人が2つ以上を書いていることもあります。拘束時間は、朝の積み込みから営業所に戻るまでの全部の時間のことです。
大手で働いた20代後半の女性は、1日の平均の個数と担当エリアの特ちょうを面接で必ず聞くようすすめていました。同じ個数でも、団地の多いエリアでは体の負担がまるでちがいます。1日の個数と担当エリアは、面接で数字と地名で聞いておきましょう。
「稼げるとうたっていても稼働時間が長ければ意味がない。」
5年以上働いた正社員の言葉です。求人の金額は、何時間働いた人の額なのかとセットで見てください。
面接でそのまま読めるように、質問の文を用意しました。
宅配の面接で聞く質問
朝は何時に集まり、ふだんは何時ごろ営業所に戻りますか。
1日に届ける荷物は平均で何個くらいですか。12月のいちばん多い日は何個くらいになりますか。
担当するのはどのあたりですか。エレベーターのない団地やマンションは多いですか。
給料は固定給・時給・1個いくらのどれですか。再配達にも手当はつきますか。
一人で回るまでに、先輩と一緒に何日くらい回れますか。
駐車違反の反則金をだれが払うかも、都心の宅配では聞いておきたいことです。都内で配った人は、反則金も減点も自分持ちの会社があると書いていました。
求人票だけでわからないことは、営業所の様子で見えることもあります。大手で5年以上働いた人は、早朝や夜の営業所を外から見に行くようすすめていました。
関連記事業務委託の宅配で後悔しないために→宅配ドライバーのやめとけについてよくある質問
宅配ドライバーは本当にやめとけと言われる仕事ですか?
宅配の経験者21人のうち、後悔した人は10人(48%)でした。ほかのドライバー職の46%とほぼ同じです。
宅配ドライバーの仕事はきついですか?
きつかったと答えたのは21人中13人(62%)で、ほかの職種の41%より多めです。いちばん多いのは階段と重い荷物の話でした。
宅配ドライバーで後悔するのはいつですか?
半年未満でやめた6人のうち4人が後悔していました。半年〜5年未満の10人では2人です。
宅配ドライバーは未経験でもできますか?
宅配の21人のうち19人は未経験から始めていました。軽バンや普通車なら普通免許で運転できます。
女性でも宅配ドライバーはできますか?
宅配の女性は9人で、後悔ありは3人(33%)でした。男性は12人中7人(58%)です。
宅配ドライバーの良いところは何ですか?
一人で働ける気楽さを8人・お客さんからの感謝を7人が挙げていました。人間関係に疲れた人ほど良さを感じています。
宅配ドライバーはやめとけではなく最初の半年とエリアで選ぶ仕事
- 宅配の後悔ありは21人中10人の48%でほかの職種は46%
- きつかった人は62%でほかの職種の41%より多い
- 一番きつかったのは階段と重い荷物で7人
- 後悔は半年未満の6人中4人に対し半年〜5年未満は10人中2人
宅配そのものをやめとけと言う数字は出ていません。きついのは確かですが、後悔した人の多くは体力やエリアを知らずに入っていました。
1日の個数と担当エリアは、聞いてから選びましょう。最初の半年を越えれば、一人で働ける気楽さが残る仕事です。