2024年問題でドライバーの給料は下がる?正社員は1日10時間を境に月7.5万円の差
2024年4月から、トラックドライバーの残業に年960時間の上限ができました。残業代で稼いでいた人ほど、給料が減るのではと気になるところです。
経験者の正社員で比べると、1日10時間以上の人は月30.0万円で10時間未満の人は22.5万円でした。時間が短くなると、この差の分だけ月収が下がる形です。
そのかわり「きつかった」と答えた人は70%から24%に減ります。2024年問題で給料と体がどう変わるのかを、経験者130人の数字と声で見ていきます。
- 1日10時間を境にした月収の差
- 2024年問題で決まった上限
- 上限に近い12時間以上の人
- 時間が減ったときのきつさと後悔
- 規制にふれた経験者の声
- 短い時間でも月30万円以上の人
- 求人で確かめること
目次
- 2024年問題でドライバーの給料は下がる?10時間未満なら月22.5万円
- 2024年問題で決まった残業の上限は年960時間
- 上限に近いのは12時間以上の正社員で月30万円以上が67%
- 時間が減ると体は楽になる?きつかった人は70%から24%へ
- 時間を減らしても後悔は48%残る
- 規制にふれた経験者5人は全員1日10時間以上
- 長く走った正社員が確かめてと書いたこと
- 時間が短くても月30万円以上の正社員は5人とも経験3年以上
- パートや短い時間で働く人に2024年問題は響く?
- 2024年問題のあとに求人で確かめること
- 2024年問題のあとのドライバーに向いている人と向いていない人
- 2024年問題とドライバーの給料でよくある質問
- 2024年問題で下がるのは長く走って稼いでいた分の給料
2024年問題でドライバーの給料は下がる?10時間 未満なら月22.5万円
正社員で1日10時間未満の人の月収は中央値22.5万円でした。10時間以上の人は30.0万円で、差は月7.5万円です。
正社員は68人いて、10時間以上が33人で10時間未満も33人でした。残りの2人は日によって大きく違ったと答えています。
正社員の1日の勤務時間別 月収の中央値
月収の金額まで答えたのは、10時間以上の33人のうち19人と10時間未満の33人のうち20人です。残りの人は10万円ごとの幅で答えたので、中央値はこの39人で出しています。
中央値は、低い額から順に並べてちょうどまんなかの人の額です。人数が多くないので、7.5万円は目安の差として見てください。
未経験から入る人は、最初の数年はもう少し低めです。金額で答えた正社員のうち経験1〜3年の10人は、月24.8万円でした。
2024年問題で下がるのは、長く走って積んでいた分の月収です。1日10時間をこえて働く正社員が、時間を減らされたときにいちばん響きます。
答えには手取りと額面(税金などを引く前)が混ざっています。額面の答えなら、手元に残るのはその8割ほどと見ておいてください。
2024年問題で決まった残業の上限は年960時間
2024年問題は、トラックドライバーの残業に年960時間の上限がついたことをさします。月にならすと80時間で、1日あたりでは3時間半ほどの残業です。
- 1日8時間をこえて働いた残業(時間外労働)は年960時間まで
- 会社にいる時間(拘束時間)は1日13時間までが基本で、長くても15時間まで
- 仕事を終えて次に始めるまでの休みは、続けて11時間を基本にして9時間を下回らない
- 拘束時間は1か月284時間まで・1年3,300時間までが基本
拘束時間は、運転だけでなく荷物の積み下ろしや待つ時間・休憩もふくめて会社にしばられる時間のことです。ルールの数字は国が決めたトラック向けのもので、タクシーやバスには別の決まりがあります。
正社員68人の1日の勤務時間
いちばん多いのは10〜12時間の21人で、8〜10時間の20人が続きます。6時間未満の正社員はいませんでした。
正社員のほぼ半分は1日10時間以上で、ルールの影響を受けやすい側にいます。とくに12時間以上の人は、1日の拘束時間の基本の13時間に近い働き方です。
関連記事残業代はいくら出る?みなし残業の見方→上限に近いのは12時間 以上の正社員で月30万円 以上が67%
1日12時間以上の正社員は12人中8人が月30万円以上でした。6〜8時間の人では13人中1人しかいません。
正社員の1日の勤務時間別 月30万円以上の割合
8〜10時間は20人中4人で、10〜12時間は21人中11人です。時間が長い帯ほど月30万円以上の人が増えていました。
12時間以上の12人は、トラック5人とタクシー4人が中心です。ほかは宅配とルート配送と軽貨物が1人ずつでした。
月30万円台を時間で積んでいた人ほど、2024年問題で額を守る工夫が要ります。金額で答えた人の中央値は12時間以上の8人で35.0万円でした。10〜12時間の11人は30.0万円です。
職種もちがうので、12時間以上から1〜2時間減ればきっかり月5万円下がるとまでは言えません。時間が減る月は数万円の幅で下がると見ておくと安全です。
年収にすると差はどれくらい?
中央値の月7.5万円の差を12か月にすると、年に90万円ほどです。賞与はここに入っていないので、今の年収と比べるときは賞与を外して並べてください。
10時間以上の30.0万円は年に360万円ほどで、10時間未満の22.5万円は270万円ほどになります。家族を養う人は、この差を家計で受け止められるかを先に計算しておきましょう。
関連記事月給を時給に直すといくら?時間あたりで比べる→時間が減ると体は楽になる?きつかった人は70% から24%へ
仕事が「きつかった」と答えた正社員は、10時間以上で33人中23人(70%)でした。10時間未満では33人中8人(24%)です。
正社員の1日の勤務時間別「きつかった」の割合
きつさは「かなりきつかった」から「楽だった」までの5段階で聞いていて、ここでは上の2つをきつかったとしています。
時間が短い会社に移ると、給料は下がっても体の負担は大きく減ります。月7.5万円の差を体の楽さと引きかえにできるかが、選ぶときの分かれ目です。
「12時間労働時が通常業務だった。」
この人は前の会社で12時間働くのがふつうでした。いまは1日6〜8時間のトラックの正社員で、残業もほぼないと書いています。
腰が気になる人は、時間と一緒に荷物の積み下ろしのやり方も聞きましょう。手で1つずつ積む手積みか、台車ごと運ぶ形かで、同じ時間でも体の負担が変わります。
休みの間が11時間 あくと何が変わる?
仕事を終えてから次に始めるまで、続けて11時間あけるのが基本になりました。夜10時に帰った人は、次の日は朝9時より前に始められない計算です。
眠る時間が取れるので、朝の早い便と夜遅い便が続くような組み方は減ります。体はそのぶん楽になりますが、早朝と夜の両方で稼いでいた人は月の額が減りやすくなります。
関連記事1日何時間働く?勤務時間ときつさの関係→時間を減らしても後悔は48%残る
仕事選びを後悔したと答えた正社員は、10時間以上で19人(58%)でした。10時間未満も16人(48%)と半分近くいます。
正社員の1日の勤務時間別「後悔あり」の割合
後悔は「ある」から「ない」までの5段階で聞いていて、「ある」と「少しある」を後悔ありにしています。正社員68人全体では53%で、きつさほど大きな差はつきませんでした。
時間が短いだけでは、入ってからの後悔は消えません。短い時間の正社員の後悔には、残業代や月の額が思ったより少なかった声が入っています。
「残業代が決まった額しか出なかったので、収入面をもっと知っておくべきだった」
この人は1日6〜8時間のルート配送の正社員で、月20万円と答えました。決まった時間ぶんの残業代を先に月給へ入れる払い方(みなし残業)だと、残業が減っても増えても額は動きません。
関連記事基本給が低い求人は大丈夫?総額と時間で見る→規制にふれた経験者5人 は全員1日10時間以上
残業の上限や規制のことを自分の仕事の話として書いた人は5人でした。5人とも正社員で、トラック4人とルート配送1人です。
1日の勤務時間は10〜12時間が3人で12時間以上が2人でした。ルールの変わり目を肌で感じたのは、長く走っていた人たちです。
「2024年問題で改善しようとはしているけど、働き方はまだまだ昭和だと思う。」
この人は1日10〜12時間のトラックの正社員です。会社は2024年問題で直そうとしていても、現場はまだ追いついていないと書いていました。
「給与面で特に残業代について今はどうかだけどみなし残業込みでの総額いくらのとこはとことんこき使われ制限ギリギリで急に配車がゆるなって結局超過分がないという微妙な扱いになるのでよく読むこと。」
残業が上限に近づくと急に仕事を減らされ、決まった額より上の残業代が出ないまま終わったという声です。口コミの配車は、どの車にどの荷物を運ばせるかを決める仕事のこと。
「年々トラックの規制も厳しくなってきていますしGPSで管理もされてきているのでストレスのたまる仕事になりつつあるので何年かいくらか目標を決めて勤務するのもひとつかなと私個人的な意見はそう思う。」
ほかに、残業時間の制限が小さい会社では稼げないと書いたルート配送の人もいました。上限ができたことは、体には助けになり月の額には向かい風になっています。

長く走った正社員が確かめてと書いたこと
1日10時間以上の正社員33人が入る前に確かめてと書いたことには、時間とお金の話が並びました。
長い拘束時間・休めないの声がいちばん多く、次が給料・経費でした。面接で聞けば先に手を打てる内容です。
面接で確かめたいこと
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
- 固定給か歩合か、経費はだれが払うかを確かめる
- 手積み・手降ろしがあるか、カゴ台車かを確かめる
2024年問題のあとは、何時間までならいくらになるかを会社に聞いておくと入ってからの額のずれが小さくなります。
時間が短くても月30万円 以上の正社員は5人とも経験3年以上
1日10時間未満で月30万円以上だった正社員は5人いて、全員が経験3年以上でした。5年以上が3人で3〜5年が2人です。
乗っていた車はトレーラーや2tトラックで、職種はトラック2人と宅配・ルート配送・その他が1人ずつでした。4人は男性で、1人はルート配送の女性です。
- 大きい車や運ぶものの単価が高い仕事に移っている
- 同じ会社で3年以上続けて、時間ではなく役割で額を上げている
- 1日8〜10時間のうちに仕事を終える段取りが身についている
2024年問題のあとに額を守る近道は、時間ではなく乗る車と経験で上げることです。5人は少ない人数なので、目安として読んでください。
トレーラーや大型は大型免許が、4tは中型免許が要ります。2017年3月12日以降にとった普通免許なら車両総重量3.5t未満までなので、準中型免許で乗れる車を広げるのが一歩目です。
車両総重量は、車と荷物と人を合わせた重さのことです。AT限定の人は、軽バンや1tの配送から始めて経験を積むのが始めやすい道です。
関連記事給料を上げるには?経験者が月収を上げた方法→パートや短い時間で働く人に2024年問題は響く?
パートの人には大きくは響きません。経験者のパート33人のうち27人は1日8時間未満で、上限の手前で働いていました。
金額で答えたパート19人の月収の中央値は10.0万円です。働いた時間がそのまま月収になる形なので、上限より勤務の日数とシフトの入りやすさが効いてきます。
パート33人の1日の勤務時間
いちばん多いのは6時間未満の16人で、6〜8時間の11人が続きます。10時間以上のパートは3人だけでした。
短い時間で働きたい人にとって、上限ができたことは追い風です。長い残業を前提にした会社が減れば、決まった時間で帰れる仕事を選びやすくなります。
女性の経験者42人で見ても、27人は1日8時間未満でした。送迎やルート配送のパートなら、子どもが学校にいる時間で終わる働き方を選べます。
子どもの送り迎えがある人は、終わる時間が毎日そろうかを面接で聞いておきましょう。配送の量で帰りが延びる職場もあるので、延びた日の上がり時間まで聞くと安心です。
関連記事配送バイトはきつい?パート経験者の声→2024年問題のあとに求人で確かめること
求人の月給が、上限の前と後のどちらの働き方で出た額かを確かめましょう。去年の実績を出してもらえれば、上限のあとの額がわかります。
2024年問題のあとに聞く例文
求人の月給は、1日何時間・月に何時間くらい残業した人の額でしょうか。
残業の上限ができてから、ドライバーの月収は前の年と比べて変わりましたか。
みなし残業は何時間ぶんで、それより少ない月も額は同じですか。
残業が減った分を、手当や基本給で上げる決まりはありますか。
- 月給の額だけで、何時間ぶんかが書いていない
- 月収例が残業の多い月の額だけになっている
- みなし残業の時間が上限の80時間に近い
月収例が出たら、その月の残業時間まで聞いてから比べましょう。上限のあとも同じ額が出ている会社は、運ぶ料金や手当を見直している会社です。
2024年問題のあとのドライバーに向いている人と向いていない人
上限のあとのドライバーに合うかは、時間で稼ぐ形をやめても困らないかで決まります。月の額を時間で積みたい人には、前より合いにくくなりました。
- 毎日決まった時間に帰り、体を休めながら長く続けたい人
- 大型や中型の免許を取って、乗る車で額を上げるつもりの人
- 子育てや介護で、1日8〜10時間までしか働けない人
- 残業を増やして、すぐに月30万円台をねらいたい人
- 家のローンを、今の長時間の月収を前提に組んでいる人
- 免許や経験を増やさずに、額だけ上げたい人
時間で稼ぐ道がせまくなった分、免許と経験で上げる道が太くなっています。今の月収を下げたくない人は、乗れる車を広げる計画をセットで立てましょう。
営業職などから移って年収を下げたくない人は、経験1〜3年の正社員の24.8万円を最初の数年の目安にしてください。3年目以降に車と役割で上げていく流れを、面接で先輩の例として聞いておくと安心です。
2024年問題とドライバーの給料でよくある質問
2024年問題でドライバーの給料はどれくらい下がりますか?
時間がどれだけ減るかしだいです。経験者の正社員では1日10時間以上の19人が月30.0万円で、10時間未満の20人は22.5万円でした。
2024年問題でドライバーの給料が上がることはありますか?
残業が減った分を基本給や手当で上げる会社もあります。経験者でも時間が短いまま月30万円以上の正社員が5人いて、全員が経験3年以上でした。
残業の上限は1日に直すと何時間ですか?
年960時間を月にならすと80時間で、月22日働くなら1日3時間半ほどです。1日の拘束時間は13時間までが基本になります。
時間が減ると仕事は楽になりますか?
楽になる人が多いです。正社員で「きつかった」と答えた人は、1日10時間以上で70%、10時間未満で24%でした。
未経験で入るなら2024年問題の前と後でどちらが得ですか?
長い残業で稼ぐ働き方はしにくくなりました。そのかわり時間が読みやすくなり、体の負担は軽い会社が増えています。
パートのドライバーにも残業の上限は関係ありますか?
経験者のパート33人のうち27人は1日8時間未満で、上限の手前で働いていました。月収は働いた時間で決まるので、シフトの入りやすさのほうが効きます。
2024年問題で下がるのは長く走って稼いでいた分の給料
2024年問題で響くのは、1日10時間をこえて残業代で月収を積んでいた正社員です。時間が短い正社員の月収は22.5万円で、体のきつさは大きく減ります。
- 正社員の月収の中央値は1日10時間以上で30.0万円・10時間未満で22.5万円
- 12時間以上の正社員は12人中8人が月30万円以上だった
- きつかった人は10時間以上で70%・10時間未満で24%
- 後悔は時間が短くても48%残り、残業代の払い方でつまずく人がいる
- 時間が短くても月30万円以上の正社員5人は全員経験3年以上だった
上限のあとの月収を守るには、時間ではなく乗る車と経験で額を上げる道を選びましょう。年代や車両ごとの月収は、給料のテーマのページにまとめてあります。
求人を見るときは、月給が何時間ぶんの額かを聞きましょう。上限のあとに額が変わったかもあわせて聞いてから決めると安心です。
関連記事ドライバーで稼げる人は?月30万円以上の条件→あわせて読みたい
横にスクロールして27本の記事を見られます →
