ドライバーの求人票は、給与と勤務時間の欄から読むと入ってからのずれが減ります。経験者130人に聞くと、この2つを確かめるべきと答えた人がどちらも57人でいちばん多くいました。
求人票はどの会社もよく見えるように書かれています。月給の数字だけで選んで、始業の時間や手積みの多さに入ってから驚く人は少なくありません。
ここでは経験者が「ここを見ればよかった」と書いた欄を、給与・勤務時間・仕事内容・休日・事故と経費の順に読んでいきます。
- 経験者が確かめるべきと答えた欄
- 求人票と違った声
- 給与欄の見方
- 勤務時間欄の見方
- 休日欄と仕事内容欄の見方
- 面接で聞く例文
ドライバーの求人票の見方は給与と勤務時間の欄から
確かめるべきと答えた人が多かったのは給与と勤務時間で、どちらも130人中57人(44%)でした。仕事内容の50人、休日の37人がそれに続きます。
求人を選ぶとき確かめるべき欄(130人)
1人がいくつもの欄を書いているので、割合を足すと100%をこえます。2つ以上の欄を挙げた人は74人いました。
勤務時間と休日をひとつの「時間と休み」として数えると、給与より多くなります。後ろの口コミのまとめで時間の話が1位に出るのはこのためです。
お金と時間はセットで読むのが経験者の見方です。月給が高くても、拘束が長ければ時間あたりの額は下がります。
「給与が高く見えても、深夜便や連勤が多く体力的にかなり厳しい会社もあります。」
この声は高速バスの運転士の方のものです。トラックでも宅配でも、高い月給の裏に長い時間がないかは同じように見ておきたいところです。
求人票と違ったのは始業時間と手積み
求人サイトやハローワークなどで仕事を見つけた人は95人(73%)でした。多くの人が求人票を頼りに会社を選んでいます。
その求人票と入ってからがずれた話で目立ったのは、朝の始まりの時間と手積みです。どちらも求人票では小さく書かれやすい部分です。
「手積みほぼなしと求人にも書いてあったがいざ入社するとほぼ手積みで体力的にきつかった」
「特に朝は決められている開始時間よりも1時間近く早く出勤しなくてはいけなかったので、実際の勤務時間は明らかに長く想像とは違っていました。」
「手積みほぼなし」「8時始業」は、そのまま信じずに面接で中身を聞きましょう。何割くらいが手積みか・何時に営業所へ着いている人が多いかまで聞くと、答えがぼやけません。
関連記事想像とのずれで後悔は増える?転職した経験者の声を見る→給与欄は固定残業代と働き方で見る
給与欄でまず見るのは働き方です。月収の中央値は正社員26万円・パート10万円で、同じドライバーでも倍以上ちがいます。
働き方別の月収の中央値(金額で答えた人)
中央値は、低い順に並べてちょうど真ん中の人の額です。金額で答えたのは正社員39人・契約社員8人・パート19人で、手取りと額面が混ざっています。
正社員の26万円を12か月にすると、賞与を入れずに年312万円です。今の年収とくらべるときの目安にしてください。
パートの10万円は、1日の時間が短い人が多いためです。求人票の時給と1日の時間をかけて、月にいくらになるかを自分で出してみてください。
「求人票では高収入に見えても、実際は長時間労働や残業込みだったというケースもありました。」
固定残業代は、決まった時間分の残業代を先に月給へ入れておく払い方のこと。「固定残業代◯時間分を含む」の時間が長いほど、基本の給料は低くなります。
- 月給の内訳(基本給・固定残業代・手当)が分けて書いてあるか
- 固定残業代は何時間分か。超えた分は別に払うと書いてあるか
- 賞与は「あり」だけか、前の年の実績(何か月分)まで書いてあるか
- 歩合なら、何をいくらで数えるのか(1個いくら・売上の何割)
「自分がやってるとこは時給何円と書いていなく、面接時に聞きに行った。」
額が書いていない求人は、面接で聞けば答えが返ってきます。この方のように自分から聞きに行くのが近道です。
「月給30万円以上」 は上の額のこともある
求人票の月給の幅は、いちばん稼いだ人の額を上に書いていることがあります。入ったばかりの人がもらう額は、幅の下のほうと考えておくと外れにくくなります。
面接では、入って1年目の人の月の額を聞いてみてください。下の額と残業の時間がわかれば、自分の月収の見当がつきます。
関連記事求人の月給は手取りでいくら?経験者72人の実数を見る→勤務時間欄は終わりの時間で見る
1日の勤務時間が10時間をこえる人は130人中46人(35%)いました。求人票の「8時〜17時」だけでは、この長さは見えてきません。
1日の勤務時間(130人)
6つの区分を足すと130人になります。「日によって大きく違った」と答えた人も5人いました。
時間が長いほどきつさもはっきり増えます。10〜12時間の人は29人中23人(79%)がきつかったと答えました。
1日の勤務時間別「きつかった」の割合
6〜8時間の人は30人中6人(20%)でした。6時間未満でも22人中8人(36%)がきつかったと答えています。
短い時間に件数がつまっていれば、時間が短くてもきつくなります。12時間以上の人は17人中9人(53%)で、人数が少ないので目安として見てください。
求人票では始まりより終わりの時間と、月の平均の残業時間を見てください。書いていなければ面接で聞く項目に入れておきます。
「綺麗な求人票でも実際は全然違うことが多いので、面接で先輩ドライバーに直接聞くのが一番です。」
求人票の勤務時間と、ドライバーがよく言う拘束時間は同じではありません。拘束時間には荷物を待つ時間や積み込みの時間、休憩までふくまれます。
「残業少なめ」 は月の時間で聞き直す
「残業少なめ」「残業ほぼなし」の言葉は、人によって受け取り方がちがいます。月に何時間くらいかを数字で聞くと、比べやすくなります。
宅配やルート配送は、年末やお中元の時期に荷物が増えます。忙しい月にどこまで延びるかも、ふだんの時間と一緒に聞いておきましょう。
求人票の「休憩60分」も、実際に取れているかは別の話です。昼を車の中で済ませる人が多い職場なら、面接でそのまま聞いて大丈夫です。
関連記事時間と休みが求人どおりか見分けるには?ブラックな会社のサインを見る→休日欄は年間休日とシフトの数で見る
休日を確かめるべきと答えた人は37人(28%)です。正社員は年間休日、パートは週に何日入るかを見ておきます。
「自分の中で最低限年間休日はこれだけはほしいとおもう条件のところに絞った方がいい。」
年間休日105日は週休2日にほぼ届かない日数です。土日休みの会社の120日前後とくらべると年に15日、月にすると1日あまり少なくなります。
「盆や正月などもあまり休みがない場合があるので、特に休日はきちんと確認をした方がいいです。」
「週休2日」と「完全週休2日」はちがいます。週休2日は、月に1回でも2日休める週があれば書ける言い方です。
「どのくらいの割合でシフトを入れなければいけないのか、最低週3日以上とか書いてあったりするのでそこはちゃんとみて自分のスケジュールと確認したほうがいいです。」
家のことと両立したいパートの方は、週の日数と曜日の決め方を先に見ておくと、入ってから困りません。
有給休暇が取りやすいかも、求人票には出てこない部分です。代わりに走る人がいるかを聞くと、休みの取りやすさが見えてきます。
仕事内容欄は手積みと車両で見る
手積みや荷物の重さを確かめるべきと書いた人は23人でした。手積みは、荷物を台車やフォークリフトを使わず手で積み下ろしすることです。
「とは言ってもパンを運ぶと聞いていて軽そうだと思ったけど軽いのは菓子パンだけで、食パンやあんもちなどはめちゃくちゃ重かった。」
運ぶ物の名前だけでは重さはわかりません。何を・1日に何件・どう積むかの3つがそろって、初めて仕事の重さが見えます。
「トラックが乗り回しなのか固定で専用車両があるのかも確認したほうがいいと思います。」
乗り回しは、日によって違う車に乗る形のことです。決まった1台に乗れる会社は、車の癖を覚えやすく荷台も自分で整えられます。
「宅配をする場合は配達エリアは確認したほうが良いと感じます。」
宅配は配達エリアで1日にこなせる件数が変わります。歩合の人ほど、エリアの欄を給与欄と同じくらい丁寧に読みたいところです。
腰が気になる人は、手積みの有無を仕事内容の欄でいちばん先に見てください。カゴ台車やパレットで運ぶ現場なら、体への負担はかなり軽くなります。
カゴ台車は車輪の付いた大きなカゴ、パレットはフォークリフトで持ち上げる荷物の台のことです。
関連記事手積みはどれくらいきつい?経験者の声と避け方を見る→事故と経費は求人票に書かれにくい
事故のときの負担や経費を挙げた人は32人(25%)でした。この2つは求人票に載っていないことが多い欄です。
「トラックを破損したときに自己負担しなければいけないかも確認しておいたほうがいいと思います。」
- 車をぶつけたとき、修理代のうち自分で払う分はあるか
- 業務委託なら、ガソリン代・車両代・保険がどこまで自分持ちか
- 研修の期間と、その間の給料
業務委託は、会社に雇われず仕事を請け負って売上をもらう働き方です。売上から経費を引いた額で考えるのが基本になります。
事故の負担は、会社の保険でどこまで払うかで変わります。保険を使っても自分で払う分を免責と呼ぶので、その金額を聞いておくと安心です。
こうした話は聞きにくいと感じる人も多いはずです。けれど長く働くつもりなら、入る前に聞くのはふつうのことです。

求人票の見方を経験者の声から
経験者130人が書いた「確かめるべきこと」を読むと、求人票で読み飛ばしやすい欄がはっきりします。
長い拘束時間・休めないの声がいちばん多く、次が給料・経費でした。面接で聞けば先に手を打てる内容です。
面接で確かめたいこと
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
- 固定給か歩合か、経費はだれが払うかを確かめる
- 運行の組み方と、仮眠や休憩が取れるかを聞く
求人票は入口の情報です。書いていない欄ほど面接で聞きましょう。
求人票を読んだあと面接で聞く質問
求人票で気になった欄は、面接で数字で聞き直すとずれが減ります。そのまま使える聞き方を置いておきます。
面接で聞く質問
求人票に8時始業とありますが、ドライバーの方はふだん何時ごろ営業所に着いていますか。
ふだんは何時ごろに帰れますか。忙しい月の残業時間も教えてください。
荷物は手積みと台車やフォークリフトでの積み込みのどちらが多いですか。1日に何件くらい回りますか。
年間休日は何日ですか。お盆や年末に休める日はありますか。
月給のうち固定残業代は何時間分ですか。去年の賞与は何か月分でしたか。
週に何日から入れますか。曜日は自分で選べますか。
数字で答えてくれる会社は、入ってからも話がずれにくい会社です。
- 聞いた答えはメモに残し、内定のときにもらう労働条件通知書と見くらべる
- 労働条件通知書は、給料や時間を会社が書面で示す紙。求人票より優先して確かめる
- 見学ができるなら、朝の営業所と車庫の様子も見ておく
正社員とパートで見る欄はちがう
働き方で、先に見る欄は変わります。正社員は時間と休み、パートは日数と時給から読むのが近道です。
- 正社員は、終わりの時間・年間休日・固定残業代の時間を先に見る
- パートは、週の日数・1日の時間・時給を先に見て月の額を出す
- 業務委託は、1個いくらか・エリア・経費の持ち方を先に見る
「勤務時間は短かったですがその分給与が安かったので続ける事ができませんでした。」
時間が短いぶん月の額は下がります。家計にいくら必要かを先に決めておけば、求人票の時給を見たときに迷いません。
送迎の求人には、1回2時間を1日2回のように時間が分かれたものもあります。間の空き時間が給料に入るかを見ておきましょう。
「1回2時間、1日2回の送迎だけなので楽だと思っていたが、時間通りに送り迎えしなければならない事と、途中で降りたりもするが2時間の運転が肩凝りと腰痛に悩まされるようになり、かなり苦痛だった。」
応募資格の欄も見落とせません。普通免許のAT限定で乗れるのは軽バンや普通車が中心で、2t以上のトラックは免許を取った時期によって準中型免許が要ります。
正社員で入る人は、年収を下げたくない気持ちが強いはずです。月給の額より先に、その額を何時間で稼ぐのかを見ると比べる軸がぶれません。
- 月給の大きい数字だけ見て決める
- 「手積みなし」「残業少なめ」を聞き直さずに信じる
- 休日を「週休2日」の言葉だけで判断する
ドライバーの求人票についてよくある質問
ドライバーの求人票はどこから見ればいいですか?
経験者130人のうち、給与と勤務時間を確かめるべきと答えた人がどちらも57人でいちばん多くいました。この2つを先に見て、月給を時間で割って考えるとずれが減ります。
ハローワークの求人票は何を見ればいいですか?
見る欄はほかの求人サイトと同じです。就業時間・休日・賃金の内訳に加え、固定残業代の時間と賞与の前年の実績が書いてあるかを見ます。
求人票の賞与はどう見ればいいですか?
「賞与あり」だけでは額がわかりません。前の年に何か月分出たかを面接で聞きましょう。求人と違って賞与が出なかったという経験者の声もありました。
求人票と実際の条件が違ったらどうすればいいですか?
入る前なら、内定のときの労働条件通知書で給料と時間を確かめ、違えばその場で聞き直します。入ってから気づいたら、求人票と給与明細を残しておくと相談するときに役立ちます。
求人票の「手積みなし」は信じていいですか?
面接で割合を聞き直すのが安全です。手積みほぼなしと書いてあったのに、入るとほぼ手積みだったという経験者もいました。
パートのドライバー求人は何を見ればいいですか?
週の日数・1日の時間・時給の3つです。パートの月収の中央値は金額で答えた19人で10万円でした。時給と時間をかけて月の額を出してから選びましょう。
ドライバーの求人票は給与と時間をセットで読む
- 確かめるべき欄の1位は給与と勤務時間(どちらも57人)。仕事内容50人・休日37人が続く
- 求人票と違った声で目立ったのは、朝の始まりの時間と手積み
- 月収の中央値は正社員26万円・パート10万円(金額で答えた人)
- 勤務10〜12時間の人は79%がきつかったと答えた
- 事故の負担・経費・研修の給料は求人票に出にくいので面接で聞く
月給の数字は、時間と休みとセットで読んで初めて意味を持ちます。書いていない欄は面接で数字にして聞きましょう。
「ドライバーはやめとけ」と言われる理由の多くは、入る前に見えていなかった条件です。求人票の読み方を変えれば、避けられる後悔もあります。
関連記事ドライバーはやめとけって本当?後悔した人の割合と理由を見る→