牽引免許の一発試験は1回6,900円!条件と流れ、教習所との差
牽引免許は、試験場で技能試験を1回受けるだけで取ることもできます。受かれば払うのは6,900円で、教習所の17万円前後と比べると25分の1ほどです。
大型や中型とちがって、けん引には仮免許も路上練習も取得時講習もありません。そのかわり練習できる場がほとんどなく、何回か落ちる人が多い試験です。
トレーラーや大きな連結車を動かした経験がある人なら、一発試験がいちばん安く早い取り方です。
- 一発試験の費用と内わけ
- 受けられる人の条件
- 試験の日の流れ
- 方向変換で落ちないコツ
- 落ちた回数と教習所との差
- 大きな車に乗る経験者の月収
- けん引は、750kgをこえる車を引っぱるときに要る免許。
- トレーラーの仕事なら、けん引のほかに大型か中型の免許も要る。
- 送迎のワゴンや軽バンの配送は、AT限定の普通免許のまま働ける。
目次
牽引免許の一発試験は1回で受かれば6,900円
東京で受けて1回で受かったときの総額は6,900円です。受験料と試験で使う車の料金、免許証の交付料を足した額です。
けん引の一発試験の費用(警視庁と茨城県警の案内(2026年11月1日に確認))
| かかるもの | 金額 |
|---|---|
| 受験料 | 2,800円 |
| 試験車の使用料 | 1,750円 |
| 免許証の交付料 | 2,350円 |
| 合計(1回で受かった場合) | 6,900円 |
茨城県警の案内でも同じ6,900円でした。マイナ免許証だけで受け取ると交付料が1,550円に下がるので、合計は6,100円になります。
交付料は受かったときだけ払います。落ちた回は受験料と試験車の4,550円をまた払う形です。
取得時講習がないので受かればその日に終わる
神奈川県警の案内では、取得時講習が要る免許は二種・大型・中型・準中型・普通・二輪です。けん引はこの一覧に入っていません。
大型の一発試験では講習だけで24,150円かかります。けん引は講習代がまるごとないので、総額がここまで小さくなります。
けん引が要るのは750kgをこえる車を引くとき
引っぱる側の車の免許とは別に、引かれる側が重いときにけん引が要ります。境目は、引かれる車の車両総重量が750kgをこえるかどうかです。
車両総重量は、車そのものと積む物を合わせた重さのことです。物流のトレーラーはまちがいなくこえるので、トレーラーの仕事ならけん引は必ず要ると考えてください。
小さなキャンピングトレーラーや水上バイクの台車なら、750kg以下のこともあります。その場合は今の免許のまま引けます。
けん引第二種は別の試験になる
お客さんを乗せた車を引く仕事には、けん引第二種という別の免許が要ります。ふつうの運送の仕事で使うのは、ここで書いているけん引(第一種)です。
第二種は受けられる年齢や持っている免許の条件がちがいます。トレーラーで荷物を運ぶ人は、第一種だけ考えれば足ります。
牽引免許の一発試験は18歳以上でほかの免許があれば受けられる
受けられるのは18歳以上で、普通・準中型・中型・大型・大型特殊・二種のどれかを持つ人です。大型のような免許歴の年数の決まりはありません。
- 視力の基準は、両目で0.8以上かつ左右それぞれ0.5以上。
- 深視力は3回の検査の平均誤差が2cm以内で合格。
- 受験できるのは住民票のある都道府県の試験場だけ。
深視力は、3本の棒のうち動く1本が横に並んだ瞬間にボタンを押す検査です。普通免許では測らないので、初めて受ける人は眼鏡の度を先に合わせておきましょう。
関連記事深視力の検査で落ちないための対策→AT限定の普通免許でも受けられる
AT限定の普通免許でも、けん引の試験を受けることはできます。ただ試験の車はトラクタ(前で引っぱる頭の車)がMTのことが多いです。
AT限定のまま受かると、けん引もAT車だけに限られます。トレーラーの仕事を考えるなら、先にAT限定を外すほうが近道です。
牽引免許の一発試験は適性試験と技能試験の2つ
流れは、適性試験に受かってから技能試験を予約して受けるだけです。ほかの免許を持つ人なので学科試験はありません。
- 試験場で適性試験(視力・深視力など)を受ける
- 受かったら技能試験の日を予約する
- 予約の日に試験場のコースで技能試験を受ける
- 受かったらその日に免許証をもらう
東京では府中と鮫洲の試験場で、平日だけ受けられます。適性試験に受かった日には技能試験を受けられないので、最短でも平日を2日使います。
- 今の運転免許証。
- 申請用の写真(茨城県警では予約のときに2枚)。
- 受験と試験車の手数料。
- 眼鏡が要る人は眼鏡。
受付の時間は午前の早い時間に決まっていることが多いです。遅れると次の受験日まで延びるので、受付の締め切りを先に見ておきましょう。
技能試験の日はほぼ半日いる
当日は受付をすませたあと、試験官からコースと注意の説明を聞きます。そのあと受ける人が1人ずつ順に走ります。
ほかの人が走るあいだは待つので、半日ほどは試験場にいるつもりで来ます。結果は走り終わったあとに、その場か待合所で知らされます。
走る前に車のまわりを歩いて、連結のピンや電線のつなぎを見るところから点を見られます。乗りこむ前の確認を省かないことが、点を落とさない一歩目です。
コースは事前に頭に入れておく
試験場のコースは決まった数通りあり、当日にどれを走るか告げられます。試験場の窓口やホームページで、コースの図をもらえるところもあります。
道順をまちがえると、運転がうまくても減点や中止になります。コースの図は前の晩までに覚えて、当日は運転だけに集中しましょう。
牽引の技能試験でいちばん落ちるのは方向変換
試験場の中のコースを、トレーラーをつないだ車で走ります。いちばんの難所は、後ろに下がって車庫のような枠に入れる方向変換です。
けん引の車は、ハンドルを切った向きと反対に後ろの荷台が曲がります。普通車のバックの感覚がそのまま逆に出るので、ここで止まる人が多くなります。
- 下がる前に、止まる位置と荷台を向けたい向きを決めておく。
- ハンドルは小さく切り、荷台が動き出してから直す。
- 荷台が大きく折れる前に止まって前に出す。
連結した2台が大きく折れ曲がると、自分の力では戻せなくなります。曲がりすぎたと思ったら、すぐ止まって前に出るほうが点は残ります。
S字やクランクは内輪差で見られる
狭い曲がり角では、引っぱる車より荷台のほうが内側を通ります。縁石に荷台の車輪を乗せると大きく減点です。
角では車の頭をふだんより一歩先まで出してから曲がります。左のミラーで荷台の車輪を見続けるのが基本です。
落ちた理由はその場で聞いておく
試験のあとに試験官へたずねると、減点の場所を教えてもらえることがあります。次の予約までの練習は、そこだけにしぼります。
聞いた中身をメモに残すと、2回目からの直しがぐっと早くなります。
牽引の一発試験は5回落ちても教習所より14万円以上安い
落ちるたびに足されるのは4,550円です。5回落ちて6回目で受かっても、試験場に払う額は29,650円で終わります。
落ちた回数ごとの総額(教習所は小田原の料金表・2026年10月24日に確認)
| 受かった回 | 試験場に払う総額 | 小田原(169,400円)との差 |
|---|---|---|
| 1回目 | 6,900円 | 162,500円 |
| 3回目 | 16,000円 | 153,400円 |
| 6回目 | 29,650円 | 139,750円 |
| 10回目 | 47,850円 | 121,550円 |
教習所の料金は、埼玉県戸田市の教習所が181,500円で神奈川県の小田原が169,400円でした。安いほうの小田原と比べても、10回目で受かってまだ12万円ほど差があります。
ただ、この表には休んだ日の給料と練習のお金が入っていません。1回落ちるごとに仕事を1日休む損まで足して考えましょう。
関連記事教習所でけん引を取るときの時限と料金を見る→合宿の額と比べても差は大きい
那須の合宿では、けん引だけのプランが135,300円でした(2026年10月24日に確認)。これは中型8t限定のMT免許を持つ人の額で、宿と食事も入っています。
合宿は泊まりこみなので、そのあいだは続けて仕事を休むことになります。一発試験で3回目に受かれば16,000円なので、休みを短く刻みたい人には試験場が向く形です。
反対に、まとまった休みが取れて確実に取りたい人には合宿が合います。お金と休みのどちらを惜しむかで、取り方を選びましょう。
練習の場がないのがけん引の一発試験の弱み
けん引には仮免許がないので、公道で練習する道がありません。トレーラーを持つ会社の敷地か、練習場を借りるしかありません。
試験場の近くには、けん引の車と指導の人を時間で貸す練習場もあります。練習代を足してもまだ教習所より安いかで決めると迷いません。
会社が費用を出すなら教習所が先
トレーラーの会社には、入社した人のけん引の費用を出すところがあります。出してもらえるなら、一発試験で安くする理由はほとんど残りません。
教育訓練給付金の対象の講座なら、払った額の一部も戻ります。応募の前に、免許の支援があるかを面接で聞いておきましょう。
関連記事免許の費用に使える給付金と会社の支援→大型と一緒に取るなら順番も考える
物流のトレーラーは、引っぱる頭の車が大型か中型の大きさです。けん引だけ持っていても、頭の車を運転できる免許がないと仕事になりません。
大型をまだ持たない人は、先に大型を取ってからけん引を試験場で受ける形が多いです。大型の練習で後ろの見え方に慣れておくと、方向変換の感覚もつかみやすくなります。
関連記事大型を試験場で取る流れと費用→牽引の一発試験の前にやっておく練習は3つ
練習できる時間が少ないけん引では、何を練習するかを先にしぼります。中心は後ろに下がる動き・狭い角・連結の確認の3つです。
- まっすぐ後ろに下がり、荷台を曲げずに止める
- 荷台を左右に向けながら下がり、枠に入れる
- 乗る前に連結と灯火を見て回る
まっすぐ下がれない人は、枠に入れる練習をしても上達しません。最初の1時間は、まっすぐ下がることだけに使いましょう。
- 連結のピンがかかり、抜け止めが入っているか。
- 荷台のブレーキや電線のつなぎが外れていないか。
- 荷台のランプとウインカーが点くか。
まっすぐ下がる練習のしかた
ハンドルの下のほうを片手で持つと、荷台を動かしたい向きと手の動きがそろいます。荷台を右に向けたいなら手を右へ、という感覚です。
ずれ始めたら、大きく戻さず少しだけ切ってすぐ戻します。小さく切って待つをくり返すと、荷台は思ったより素直についてきます。
練習の車を借りるときに聞くこと
会社の車を借りるなら、練習中にぶつけたとき保険が使えるかを先に聞きます。だれが修理代を払うかは、動かす前に決めておきます。
練習場を使うなら、1時間あたりの料金と、試験と同じ形の車かを聞きます。試験の車と長さがちがうと、枠に入れる感覚がずれます。
練習のあとに残しておくこと
練習のたびに、うまくいかなかった場面を1行でメモします。試験の前の晩にそのメモだけを読み返すと、当日の動きが落ち着きます。
動画を撮れるなら、外から荷台の動きを撮っておくと効きます。運転席から見えない折れ方が、あとで見るとよくわかります。
ミラーの合わせ方も練習に入れる
けん引の車は長いので、左右のミラーに荷台の後ろの角が映るように合わせます。合わせ方が毎回ちがうと、枠との距離の感覚も毎回ずれます。
試験の日も、走り出す前にミラーを自分の位置に合わせ直してかまいません。練習のときと同じ見え方を作ってから走ると、落ち着いて下がれます。
牽引の一発試験が向く人と教習所が向く人
一発試験が向くのは、トレーラーやボートを引く車を動かしたことがある人です。初めて連結した車に乗る人は、教習所の12時限(1時限は50分)のほうが結局早く終わります。
運転の仕事が初めてでAT限定の人は、けん引より先に準中型や大型を考える順番です。まずは今の免許で働ける配送から始める道もあります。
- 会社の敷地でトレーラーを動かした経験がある人。
- 免許が切れてしまい、前はけん引を持っていた人。
- 平日に何回か休みを取れる人。
- 連結した車のバックをしたことがない人。
- 練習できる車も場所も見つからない人。
- 入社の日までにけん引を持っていないと困る人。
ボートや水上バイクを引く人は、750kgをこえるかどうかで要るかが決まります。車検証で引く物の総重量を見てから決めましょう。
トレーラーに近い大きな車の経験者は月収が高め
ドライバー経験者130人の調査のうち、乗った車を答えた76人を見ます。4t・大型・トレーラーに乗っていた人は17人でした。
けん引を使うのはトレーラーだけで、4tと大型はけん引なしで乗れます。トレーラーの経験者は少ないので、大きな車で働く人の目安として見てください。
その17人のうち、正社員で金額を書いた11人の中央値は30.0万円です。
中央値は、額の順に並べたとき真ん中に来る人の額のことです。ほかの車の正社員28人は24.8万円でした。
正社員の月収の中央値(金額で答えた人)
大型とトレーラーに乗っていた6人だけなら、6人とも金額を書き中央値は37.5万円でした。6人の数字なので目安として見てください。
額面で書いた人と手取りで書いた人がまざっています。けん引は大型と組み合わせてこそ月の額に効く免許です。
大きな車のきつさと後悔
17人のうち仕事がきつかった人は6人(35%)でした。ほかの車の59人では26人(44%)です。
車の大きさ別「後悔あり」の割合
後悔があると答えた人は8人(47%)で、ほかの車の24人(41%)と大きくは変わりません。車が大きいから続かないという数字ではありません。
関連記事トレーラーに乗った経験者のきつさを見る→大きな車の人は働く時間の幅が広い
17人の1日の勤務時間は、6〜8時間の人も12時間以上の人も5人ずついました。大きな車だから必ず長いわけではありません。
近い場所を回る4tと、遠くへ運ぶトレーラーでは1日の形がまるでちがいます。けん引を取る前に、どんな運び方の会社に入るかを決めておきましょう。
関連記事けん引のいらない日中の配送の仕事を見る→よくある質問
牽引免許は教習所に通わずに取れますか?
取れます。試験場で適性試験に受かったあと、予約した日に技能試験を受けて受かれば、その日に免許証がもらえます。
牽引免許の一発試験の費用はいくらですか?
1回で受かれば6,900円です。受験料2,800円と試験車1,750円と交付料2,350円の合計です(2026年11月1日に警視庁の案内で確認)。
落ちたら追加でいくら払いますか?
受験料と試験車の4,550円を、受け直すたびに払います。交付料は受かったときだけです。
けん引の一発試験に学科試験はありますか?
ほかの免許を持つ人が受けるので、学科試験はありません。適性試験と技能試験だけです。
けん引に取得時講習は要りますか?
要りません。神奈川県警の案内でも、取得時講習が要る免許の一覧にけん引は入っていません。
けん引の技能試験は何回くらいで受かりますか?
人によって大きくちがいます。連結した車を動かした経験があれば数回で受かる人もいますが、初めての人は何回も落ちることが多い試験です。
けん引の試験はどこで受けますか?
住所のある都道府県の運転免許試験場です。東京なら府中と鮫洲で、平日だけ受けられます。
牽引免許は何歳から取れますか?
18歳からです。普通免許など、ほかの免許を持っていることが条件です。
AT限定でもけん引の試験を受けられますか?
受けられます。ただ受かってもAT車に限られるので、トレーラーの仕事を考えるなら先に限定を外すほうが進めやすいです。
けん引は試験場と教習所のどちらで取るのが得ですか?
連結した車を動かした経験と練習の場があるなら一発試験が安くすみます。初めてなら教習所の12時限のほうが確実です。
牽引の一発試験は練習の場を用意できる人ほど得をする
試験場でけん引を取れば、1回で受かって6,900円です。仮免許も講習もないぶん、ほかの免許の一発試験よりずっと身軽に受けられます。
- 1回で受かったときの総額は6,900円(マイナ免許証だけなら6,100円)。
- 18歳以上でほかの免許があれば受けられ、深視力の検査がある。
- 学科・仮免許・取得時講習はなく、適性試験と技能試験だけ。
- 難所は方向変換で、落ちた回は4,550円をまた払う。
- 10回目で受かっても教習所より12万円ほど安いが、練習の場は自分で探す。
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