ドライバーは休憩が取れない?経験者130人でわかった取れない職場の特徴
ドライバーの休憩が取れないのは、渋滞や繁忙期で時間が押した日に休憩が削られるからです。経験者130人のうち、休憩が取れなかったと書いた9人の声からわかりました。
9人のうち6人は1日10〜12時間働いていました。休憩が取れなかった人ほど、仕事をきつかったと感じています。
お昼を食べる時間もなく走り続ける毎日だと、この仕事を続けていいのか迷います。どんな職場で休憩が消えるのか、取れる職場をどう見分けるのかを順に見ていきます。
- 休憩が取れなかった人の働き方
- 取れない人のきつさと後悔
- 休憩が消える3つの場面
- 法律で決まった休憩の時間
- 休憩を自由に取れた人の働き方
- 面接で休憩を確かめる質問
目次
ドライバーで休憩が取れないと書いたのは9人
経験者130人のうち、休憩が取れなかった・削った・細切れになったと書いたのは9人です。そのうち6人が1日10〜12時間働いていました。
130人の中では7%で、多い数ではありません。それでも書いた人の働き方には、はっきりした共通点がありました。9人のうち正社員は7人です。
9人は「一番きつかったこと」や「働く前と違ったこと」に、休憩のことを自分から書いた人です。書かなかった人が毎日休めていたとは限りません。
残りの勤務時間は8〜10時間が2人、12時間以上が1人でした。休憩が消えるのは、1日の仕事がもともと長い職場です。
「その上、休憩時間がほとんど取れなくて、昼食が取れないようなこともあった」
この40代の男性は送迎の正社員で、1日8〜10時間働いていました。人間関係のつらさも重なり、後悔は「ある」と答えています。
休憩が取れない人はきつさも後悔も多い
休憩が取れなかった9人のうち7人(78%)がきつかったと答えました。130人全員では45%です。
休憩が取れなかった9人 と全員の「きつかった」
9人の内わけは「かなりきつかった」4人・「ややきつかった」3人・「普通」1人・「かなり楽だった」1人です。楽だった1人も、休憩を削って運転し車をこすったと書いていました。
後悔は5段階で聞いていて、「ある」と「少しある」を合わせて後悔ありとしました。9人では6人(67%)が後悔ありです。
休憩が取れなかった9人 と全員の「後悔あり」
9人の後悔の内わけは「ある」2人・「少しある」4人・「どちらともいえない」2人・「あまりない」1人です。9人だと1人ちがうだけで割合が11%動くので、差は目安として見てください。
休憩が取れない職場は、仕事のきつさがそのまま後悔につながりやすいと見ておきましょう。
休憩が取れない3つの場面
9人の声を読むと、休憩が消えるのは渋滞や時間指定で遅れた日・繁忙期・慣れない道を走る時期の3つでした。どれも時間が押して、休憩が後回しになっています。
渋滞で遅れると休憩から削られる
届ける時間が決まっていると、遅れを取り戻せるのは休憩の時間だけです。コンビニ配送のように分刻みの納品だと、渋滞ひとつで休憩がなくなります。
「コンビニ配送だったため、分刻みのスケジュールで納品しなければならず、渋滞が発生すると休憩も取れずに次へ向かう必要があります。」
この40代の男性はルート配送の正社員で、1日10〜12時間働いていました。荷箱の積み降ろしも重く、腰への負担は初日から厳しかったそうです。
繁忙期は休憩が細切れになる
年末などの繁忙期は配る数が増え、休憩はあっても5分や10分に分かれてしまいます。宅配の正社員は、12月は朝7時から夜10時まで働き通しだったと書いていました。
「特に繁忙期は休憩を取るタイミングも少なく、食事を急いで済ませることも多いです。」
この30代の男性はトラックの正社員です。仕事全体は「かなり楽だった」と答えていて、楽な職場でも繁忙期は休憩が削られることがわかります。
慣れないうちは自分で休憩を削ってしまう
入ったばかりのころは、配る家を探すだけで時間がかかります。宅配のパートを始めて1〜3か月の20代の女性は、12時間働いて休憩は15分ほどの日もあったと書いていました。
「そのため、一つ一つに時間を取られてしまい、12時間勤務して休憩が15分ほどしか取れないこともあった。」
同じ職場でも、慣れた人は空いた時間にきちんと休憩を取れていたそうです。最初の数か月の休めなさは、道と配り方を覚えると軽くなります。
関連記事配送の道を覚えられないときの声を見る→1日10〜12時間がいちばんきつい
勤務時間ごとに見ると、10〜12時間の29人は79%がきつかったと答えています。6〜8時間の30人では20%でした。
1日の勤務時間別「きつかった」の割合
12時間以上の17人は53%で、10〜12時間より低めでした。12時間以上にはタクシー4人や長距離トラックが入ります。休憩を自分の判断で取れる勤務や、走った翌日が休みになる勤務が多い働き方です。
このあと紹介する、休憩を自由に取れたと書いた5人のうち3人も12時間以上の勤務でした。長く働く人の中にも、休み方を自分で決められる人がいます。
勤務の長さが日ごとにばらばらだった5人は、このグラフに入れていません。長い勤務の中でも、休憩を自分で決められない働き方がいちばんきつく出ています。
月収も見ておきます。1日10〜12時間の正社員11人の月収の中央値は30.0万円です。8〜10時間の正社員10人の23.1万円より高めでした(どちらも金額で答えた人)。
中央値は、金額を低い順に並べてまんなかに来る人の額です。10時間をこえると月収は上がりますが、休憩が削られやすい働き方でもあります。
休憩が取れなかった9人のうち10時間以上は7人です。130人全員では46人(35%)が10時間以上でした。
1日10時間 以上働いていた人の割合
職種で見るとトラックとルート配送に多い
休憩が取れなかった9人の職種は、トラック3人・ルート配送3人・宅配2人・送迎1人でした。トラックは30人中3人で、ルート配送は31人中3人です。宅配は21人中2人、送迎は9人中1人にあたります。
どの職種も1割前後で、職種だけで休憩の取りやすさは決まりません。同じ職種でも、届ける時間がきつく決まった運行かどうかで分かれます。
トラックでは渋滞と長い運転が休憩を削っていました。ルート配送は分刻みの納品で、宅配は繁忙期の件数の多さで休憩が消えています。自分が行く職種で、何に時間を取られやすいかを知っておくと備えられます。
関連記事ドライバーの労働時間の実態を見る→休憩を自由に取れたドライバーの働き方
休憩を自由に取れた、運行の管理がしっかりしていたと書いた人は5人いました。宅配3人・トラック1人・タクシー1人です。
5人のうち3人は1日12時間以上でしたが、きつかったと答えたのは2人でした。休憩を取れなかった9人と並べると差がわかります。
休憩の取りやすさ別「きつかった」の割合
5人と9人はどちらも少ない人数なので、差は目安です。それでも長く働いても休憩を自分で決められる人は、楽だったと答えやすい傾向が出ています。
「人間関係に関しては上下関係はなく、出勤や休憩も自由でしたので、かなり良い仕事です。」
この50代の男性は業務委託の宅配で、1日12時間以上働いていました。業務委託は、社員として雇われずに配達を1件いくらで受ける働き方です。
「大手だからかもしれませんが点呼による体調管理や休憩などの運行管理はかなりしっかりしていた」
こちらは大手の宅配で5年以上働いた30代の男性です。点呼は、走る前に会社が顔色やお酒の残りを見る手続きです。休憩まで会社が管理している職場は、入る前の質問で見分けられます。
ドライバーの休憩は法律で何分と決まっている
休憩は法律で6時間をこえて働くなら45分、8時間をこえるなら1時間と決まっています。トラックにはこれに加えて、運転の続け方の決まりがあります。
トラックは4時間運転したら30分休む決まりで、4と30をとって「430休憩」と呼ばれます。くわしくは次のとおりです。
- 労働基準法では、6時間をこえると45分以上、8時間をこえると1時間以上の休憩が要る
- トラックは続けて運転できるのが4時間まで。4時間までに合わせて30分以上は運転をやめて休む
- 30分は1回10分ほど以上なら分けて取れる。2024年4月からは、止まった時間を荷物の作業でなく休みにあてるのが原則になった
- 荷物を待つあいだも車から離れられないなら、休憩ではなく働いている時間
決まりがあっても、運行の組み方に無理があれば現場では守れません。
休憩が取れなかった9人の多くは、届ける時間に追われて自分から休憩を削っていました。会社が休めと言うだけでなく、休んでも間に合う運行かどうかを見ることが要ります。
1日の拘束時間にも上限がある
拘束時間は、休憩も入れて出勤から仕事を終えるまでの時間のことです。トラックの1日の拘束時間は原則13時間までで、のばせるのは15時間までです。
休憩が取れなかった9人の多くは、1日10〜12時間の勤務でした。上限の内側でも、休憩が消える働き方はあるということです。求人の時間が決まりの中に収まっていても、休憩の中身まで聞いておきましょう。
「パーキングエリアでの仮眠時間が十分に確保できないまま次の運行指示が出ることもあり、休日を返上して働く副業としては肉体のリカバリーが追いつかないほど過酷な現実でした。」
この40代の男性は副業で長距離トラックに乗っていました。週末に走る働き方で、体の戻りが追いつかなかったと書いています。
休憩を削ると事故につながる
休憩を削って走ると、集中が切れて事故を起こしやすくなります。休憩が取れなかった9人の中にも、急いで休憩を削り車をこすった人がいました。
「渋滞や配達の遅れが続いた時、焦る気持ちから休憩を削って運転したことがありました。」
この人は狭い道で車を軽くこすり、急いでも安全より先にしてはいけないと反省したそうです。遅れの連絡を入れて休むほうが、結果として仕事を守れます。
「勤務時間が提示されていた内容と大きく異なっていたり、昼休憩がなかったり、荷物が重かったり、高めにうつった給料が働いてみてあれっ低くねと思い始めました。」
この20代の男性はルート配送の正社員で、働き始めて1か月未満でした。勤務時間も聞いていた内容と大きくちがい、寝不足が重なって仕事を辞めています。

休憩が取れなかった人がつらかったこと
休憩が取れなかった9人が「一番きつかったこと」に書いた内容を見てみます。
長い拘束時間・休めないの声がいちばん多く、次が事故・眠気の不安でした。面接で聞けば先に手を打てる内容です。
面接で確かめたいこと
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
- 運行の組み方と、仮眠や休憩が取れるかを聞く
- 1日の配達件数と時間指定の多さを聞く
休憩が取れない人のつらさは、届ける時間に追われ続けることから来ていました。休めるかどうかは、体力より運行の組み方で決まります。
休憩が取れないときに経験者がしていたこと
休憩が取れない日が続くなら、短くても止まって休む時間を先に決めることです。経験者の声から、毎日できる工夫を並べました。
- 10分でも止まれる場所を、走る前にルートの中で決めておく
- 遅れそうなときは会社に連絡して、休憩を削らずに済む形にする
- 昼食は片手で食べられるものを用意し、止まった数分で済ませる
- 車を降りて腰と肩をのばし、座りっぱなしをやめる
- 眠気が来たら15〜20分の仮眠を取ってから走る
仮眠は短いほうが起きたあとに頭がすっきりします。車によってはシートが倒せず、車の中で休んでも窮屈だという声もありました。
「高速バス会社によって拘束時間や休憩環境がかなり違い、仮眠室が狭かったり設備が古かったりする会社もありました。」
この40代の男性は高速バスに5年以上乗っていました。給与だけで会社を選んだのは少し失敗だったと書いています。休む場所の質も、会社によって大きくちがいます。
関連記事トラックの眠気の原因と対策を見る→休憩が取れる職場を求人と面接で見分ける
求人では1日の勤務時間・休憩の分数・1日に回る件数の3つを見ましょう。休憩の欄に「60分」とあっても、件数が多ければ実際には取れません。
「しっかりと休憩時間が取れるかどうかは確認した方がいいと思う時間が押した時は休憩時間が取れなかったので」
送迎の正社員だったこの人は、時間が押した日に休憩が取れなかったと書いています。面接では、遅れた日にどうしているかまで聞くと実態が見えます。
面接で休憩を確かめる質問
休憩は1日に何分くらい取れていますか。決まった時間に取る形ですか。
渋滞で遅れた日は、休憩をどうしている人が多いですか。
1日に回る件数は、平均でどれくらいですか。繁忙期は何件くらいに増えますか。
休憩は車の中で取ることが多いですか。会社や納品先で休める場所はありますか。
休憩のことを聞くと、やる気がないと思われそうで気が引けるかもしれません。安全に走るための質問なので、聞いてかまいません。答えをにごす会社は、休憩が取れていない可能性があります。
関連記事ドライバーの面接で聞くことを見る→休憩が取りにくい仕事が向いている人・向いていない人
休憩の取りにくさに耐えられるかは、時間に追われることを苦にしないかで分かれます。
- 時間に追われても焦らず、遅れの連絡をためらわない
- 短い時間でさっと食べて切りかえられる
- 稼ぐために長い勤務も受け入れられる
- 決まった時間にお昼を食べたい
- 眠気や腰にもともと不安がある
- 子どものお迎えなどで帰る時間を守りたい
短い時間の仕事なら休憩の悩みは少なめ
子育て中で日中だけ働きたいなら、送迎やルート配送のパートのように短い時間の仕事から始める道があります。休憩が取れなかった9人は、全員が1日8時間以上働いていました。
送迎で休憩が取れなかった1人も、1日8〜10時間の正社員です。1日6時間未満の22人は、きつかったが36%でした。日中の短い勤務なら、お昼の休憩はまず確保しやすい働き方です。
ただし短い時間でも、座りっぱなしの運転は腰に来ます。送迎のパートで長く運転した人は、連続運転で腰痛がひどくなると書いていました。
関連記事送迎ドライバーのきつさと月収を見る→ドライバーの休憩についてよくある質問
ドライバーは休憩が取れないのが普通ですか?
普通ではありません。経験者130人のうち休憩が取れなかったと書いたのは9人で、多くは1日10〜12時間の職場でした。休憩を自由に取れたと書いた人も5人います。
トラックドライバーの休憩時間は何分ですか?
8時間をこえて働くなら1時間以上の休憩が要ります。運転は4時間までに合わせて30分以上やめて休む決まりで、430休憩と呼ばれます。
休憩が取れないのはどんな職種ですか?
9人はトラック3人・ルート配送3人・宅配2人・送迎1人でした。届ける時間が決まっていて、1日が長い職種に多く出ています。
荷待ちの時間は休憩になりますか?
車から離れられず、呼ばれたらすぐ動く必要があるなら休憩ではなく働いている時間です。自由に離れられるかで分かれます。
女性やパートでも休憩が取れないことはありますか?
あります。9人のうち女性は1人で、宅配のパートを始めたばかりのころでした。道を覚えると休憩は取りやすくなったそうです。
送迎やルート配送のパートでも休憩は取れますか?
休憩が取れなかった9人は全員が1日8時間以上の勤務でした。日中の短い時間のパートなら、休憩の悩みは少なめです。面接でお昼の取り方だけは聞いておきましょう。
休憩が取れない職場は辞めたほうがいいですか?
休憩が取れなかった9人の後悔ありは67%でした。毎日取れない状態が続くなら、休憩を会社が管理している職場へ移ることも考えましょう。
ドライバーの休憩は運行の組み方で決まる
- 休憩が取れなかったと書いたのは130人中9人で、6人が1日10〜12時間
- 取れなかった9人は、きつかった78%・後悔あり67%で全員より多い
- 休憩が消えるのは渋滞で遅れた日・繁忙期・慣れない時期
- 法律では8時間をこえる勤務で1時間、トラックは4時間ごとに30分の休憩
- 休憩を削って走ると事故につながる
- 面接では休憩の分数・遅れた日・件数・休む場所を聞く
ドライバーの休憩が取れるかは、本人のがんばりより会社の運行の組み方で決まります。入る前に聞いておけば、休めない職場はかなり避けられます。
これから選ぶなら、1日8〜10時間ほどで休憩の分数と件数をはっきり答えてくれる会社が目安です。稼ぎと休める時間の両方を見て、長く続けられる職場を選びましょう。
あわせて読みたい
横にスクロールして20本の記事を見られます →