運行管理者の補助者は基礎講習3日でなれる!できる仕事と点呼の決まり
運行管理者の補助者は、国が認めた3日の基礎講習を終えればなれます。運行管理者の試験に受かっていなくても大丈夫です。
補助者は運行管理者の手伝い役で、ドライバーの点呼の一部を受け持てます。ただし運行管理者の代わりではありません。
点呼の3分の1以上は運行管理者が行う決まりで、酒気や体調の不安を見つけたら補助者はすぐ運行管理者に知らせます。
- 運行管理補助者のなり方と費用
- 補助者にできる仕事とできない仕事
- 点呼の3分の1の決まり
- 運行管理者に知らせる5つの場面
- 経験者の出勤時刻からわかる補助者の出番
- 補助者から運行管理者へ進む道
- 点呼は、出発の前と帰ったあとにドライバーの体調や酒気を確かめる仕事
- 運行管理者は、点呼や運行の組み方に責任を持つ人。緑ナンバーのトラックの営業所に必ず置く
- 基礎講習は、ナスバ(自動車事故対策機構)などが開く16時間の講習
この記事は運送の会社でいま働いている人と、ドライバーの次の仕事を考える人に向けて書いています。これから運転の仕事を探す人は、配送バイトの記事から読むと近道です。
関連記事これから運転の仕事を始める人は配送バイトの実態から→目次
運行管理者の補助者は基礎講習を終えればなれる
補助者になれるのは2通りの人です。基礎講習を終えた人か、運行管理者の資格者証を持っている人です。
運行管理補助者になれる人(条件は国の通達・費用はナスバと試験センターの案内で確認)
| なれる人 | 中身 | かかる日数と費用 |
|---|---|---|
| 基礎講習を終えた人 | 国が認めた講習を16時間受ける | 3日・8,900円 |
| 資格者証を持つ人 | 運行管理者試験に受かって申請した人 | 試験6,660円+講習 |
ナスバの基礎講習は3日で受け終わり、手数料は8,900円です。試験がないので、講習に出れば補助者になれる立場が手に入ります。
会社が講習代を出すことも多く、受ける前に会社の負担か自分の負担かを聞いておくと安心です。
基礎講習の受け方と3日間の中身
基礎講習は、ナスバのほかに国が認めた民間の講習機関も開いています。国土交通省のページに認定を受けた機関の一覧があります。
- 講習機関の予約ページで日程と会場を選ぶ
- 手数料を払い受講の案内を受け取る
- 3日間で法令と運行管理の仕事を学ぶ
- 最後に修了の確認を受けて修了証をもらう
講習では、点呼のやり方や運転時間の決まり、事故を防ぐための指導の仕方を学びます。修了証は補助者に選ばれるときと試験を受けるときの両方で使うので、なくさずに取っておきます。
会場に通う形のほか、動画を見て受ける形を選べる機関もあります。仕事を3日続けて休めない人は、日を分けて受けられる形を探すと通いやすいです。
補助者は運輸支局への届け出ではなく会社の決まりに書く
運行管理者を選んだときは、会社が運輸支局に届け出ます。補助者を置くときは、選び方と仕事の中身を会社の運行管理規程に書いておく決まりです。
運行管理規程は、営業所での運行管理の進め方を会社が決めた書類です。自分が補助者に選ばれたら、規程のどこに名前と仕事が書かれているかを見せてもらうと仕事の範囲がはっきりします。
運行管理補助者にできる仕事は点呼の一部まで
補助者は運行管理者の仕事を手伝う人で、代わりに決める人ではありません。その中で点呼だけは、一部を補助者が受け持てます。
補助者にできる仕事とできない仕事(国の通達「輸送安全規則の解釈及び運用」・2026年11月3日に確認)
| 仕事 | 補助者が受け持てるか |
|---|---|
| 出発前と帰ったあとの点呼 | 一部を受け持てる |
| アルコール検知器での確認 | 点呼の中で受け持てる |
| 乗るかどうかの最後の判断 | 運行管理者に指示をもらう |
| 運行の組み方を決める | 運行管理者の仕事を手伝う |
| ドライバーへの指導の計画 | 運行管理者の仕事を手伝う |
補助者の仕事は、運行管理者の指導と見守りのもとで行うものです。迷ったら自分で決めず、運行管理者に聞くのが前提です。
補助者の点呼で確かめること
- 酒気を帯びていないか(アルコール検知器を使う)
- 病気や疲れや寝不足で運転できない状態でないか
- 日常点検が済んでいるか
- その日の運行で気をつけることを伝える
帰ったあとの点呼では、道路や車の様子を聞いて記録に残します。記録は点呼簿に書き、あとから運行管理者が読めるようにします。
点呼でそのまま使える声かけ
点呼は毎日の短い会話です。決まった言い方を持っておくと、相手の答え方のちがいに気づきやすくなります。
補助者の点呼の声かけ例
おはようございます。昨日は何時間くらい眠れましたか。体で気になるところはありますか。
では検知器に息を吹きかけてください。数字を一緒に見て点呼簿に書きます。
今日は午後から雨の予報です。2便目の納品先は道が細いのでゆっくりお願いします。
おつかれさまでした。道路や車で気になったことはありましたか。明日の人に伝えておきます。
ドライバーの1日を見ると、点呼は出勤してすぐの短い時間に入っています。
ルート配送の正社員の1日の例では、朝5時に出勤して点呼とアルコール検査と点検を済ませます。5時半には積み込みが始まる流れです。点呼に使える時間は数分なので、聞くことを先に決めておくのが補助者の腕の見せどころです。
運行管理者の点呼は全体の3分の1以上が決まり
補助者に点呼を任せても、運行管理者が自分で行う点呼は全体の3分の1以上でなければなりません。営業所でやるべき点呼の総回数で数えます。
3分の1の決まりの計算例(国の通達「輸送安全規則の解釈及び運用」・2026年11月3日に確認)
| 1か月の点呼の総回数 | 運行管理者が行う回数 | 補助者が受け持てる回数 |
|---|---|---|
| 90回 | 30回以上 | 60回まで |
| 300回 | 100回以上 | 200回まで |
| 600回 | 200回以上 | 400回まで |
ドライバー10人が月に22日働くと、出発前と帰ったあとで点呼は440回です。440回を3で割ると約147回で、そのぶんは運行管理者本人が行う計算です。
補助者がいても、運行管理者が朝だけ来て夜は全部任せる形は決まりから外れやすいです。当番表で運行管理者の点呼が3分の1に届いているかを見るのも補助者の大事な役目です。
点呼は顔を見て行うのが基本
点呼は営業所で顔を合わせて行うのが原則です。営業所と車庫が離れているときは、運行管理者や補助者が車庫へ出向いて点呼をします。
遠くで仕事を始める日などは、電話のように直接話せる方法でも点呼ができます。メールやFAXのような一方的な連絡は点呼に入りません。
点呼の形と使える場面(国の通達「輸送安全規則の解釈及び運用」・2026年11月3日に確認)
| 点呼の形 | 使える場面 |
|---|---|
| 顔を合わせる点呼 | 営業所や車庫で出発するとき |
| 電話などで話す点呼 | 遠くで仕事を始めるか終えるとき |
| メールやFAX | 点呼にならない |
| 走っている最中の電話 | 点呼にならない |
走っている最中に電話で点呼を済ませることはできません。補助者が電話で点呼をするときは、ドライバーが車を止めている時間に合わせます。
運行管理補助者が運行管理者に知らせる5つの場面
点呼で次の5つのおそれに気づいたら、補助者はすぐ運行管理者に知らせます。走らせるかどうかの指示をもらい、その指示どおりにドライバーへ伝えます。
- ドライバーが酒気を帯びている
- 病気や疲れや寝不足で安全に運転できない
- 免許がない・その車に乗れる免許でない
- 積める重さをこえて積んでいる
- 速度をこえて走るおそれがある
- 補助者が自分の判断で「少しなら大丈夫」と出発させない
- 電話がつながらなくても、運行管理者の指示が出るまで出発を止める
- 伝えた時刻と指示の中身を点呼簿に残す
毎朝のアルコール検査は、ドライバーの休みの日の過ごし方まで変えます。経験者の声にもそれが出ています。
「前日なども夜更かしできないので友人たちとも疎遠になっていきましたし、毎朝の点呼でアルコール検査があるので仕事の前の日は休みであってもお酒を遅くまで飲まないよう気にしなくてはならないのが休みを満喫できていなくてしんどかったです。」
点呼する側も、前の晩の酒が残る人を見逃さない目が要ります。数字が出たら言いにくくても止めるのが補助者の役目です。
経験者の出勤時刻はばらばらで補助者の出番が多い
ここからはドライバー経験者への調査の数字です。全体は130人で、出勤時刻や会社の大きさは新しく聞いた第3回の59人の答えです。
第3回の59人の出勤時刻は、4時より前から10時以降まで広がっていました。6時より前に出勤した人は16人、8時以降は20人です。
ドライバーの出勤時刻(第3回の59人)
このグラフからわかること6〜8時が31%で最多でした。
出発前の点呼は出勤した時刻に行います。運行管理者1人で朝4時前から夜まで全部見るのは難しく、ここを補助者が受け持ちます。
トラックの正社員の1日の例には、4時半に出勤して点呼を受け5時過ぎに積み込みを始める流れもありました。
夜明け前に出る便があれば、その時刻に点呼をする人が要ります。運行管理者が寝ている時間の点呼を、補助者が受け持つ形がとれます。
勤務が長いと出発と帰りの点呼の間が開く
1日10時間以上の勤務だったと答えた経験者は、130人中46人いました。朝に点呼をした人がそのまま夜の帰りの点呼まで残るのは無理があります。
1日の勤務時間(経験者130人)
6〜8時間が23%で最多でした。
出発と帰りで点呼をする人が変わるのはふつうのことです。朝と夜で同じことを確かめられるよう、点呼簿の書き方を営業所でそろえます。
補助者がいる営業所は点呼がしっかりしていた
点呼の人手が足りている営業所では、体調の確認や休憩の管理が行き届きます。そう感じた経験者の声です。
「大手だからかもしれませんが点呼による体調管理や休憩などの運行管理はかなりしっかりしていた」
宅配の正社員からは、運行管理の人が配達の遅れに気づいて助っ人を回してくれた、という声もありました。1人でこなす仕事だと思っていたのでチームで動くと知って驚いたそうです。
補助者は点呼だけでなく、走っている間のドライバーを支える立場でもあります。
運行管理補助者は他の営業所との兼務もできる
同じ会社の別の営業所の補助者を兼ねることは、仕事に支障が出ないときに限りできます。その場合は、運行管理規程に体制を書いておきます。
兼務できる組み合わせ(国の通達「輸送安全規則の解釈及び運用」・2026年11月3日に確認)
| だれが | 兼ねられるもの |
|---|---|
| 補助者 | 同じ会社のほかの営業所の補助者 |
| 補助者 | 同じ会社のバスやタクシーの営業所の補助者 |
| 運行管理者 | ほかの営業所の運行管理者や補助者は兼ねられない |
運行管理者は1つの営業所に専念する立場です。補助者のほうが動き方の自由が大きいので、人の少ない営業所どうしで助け合う形がとれます。
小さい会社ほど補助者の出番が回ってきやすい
第3回の59人の勤め先は、従業員50人までの会社がいちばん多く21人でした。
勤めた会社の大きさ(第3回の59人)
従業員50人までが36%で最多でした。
運行管理者を置く数は車の台数で決まり、国の通達の表では29台までなら1人です。小さい会社では運行管理者が1人だけのことが多く、ドライバーが講習を受けて補助者を兼ねると、休みの日の点呼も回せます。
補助者の経験は運行管理者試験の受験資格になる
補助者として運行管理に1年以上たずさわると、その経験で運行管理者試験を受けられます。国の通達でも、補助者の経験は実務の経験に入ると書かれています。
運行管理者試験を受ける2つの道(国の通達「輸送安全規則の解釈及び運用」・2026年11月3日に確認)
| 道 | 受験資格の満たし方 | 向く人 |
|---|---|---|
| 基礎講習から | 基礎講習を終えてすぐ受ける | 早く資格を取りたい人 |
| 補助者の経験から | 補助者として1年以上働く | 現場を知ってから受けたい人 |
基礎講習を受ければ、補助者になる資格と試験を受ける資格が同時に手に入ります。講習を受けて補助者で現場を覚え、そのあと試験に受かるのがむだのない順番です。
経験者130人のうち、5年以上ドライバーを続けた人は40人でした。長く続けた人ほど、運転の次に管理の仕事を考える時期が来ます。
運行管理者に選ばれたあとは、2年ごとに一般講習を受ける決まりがあります。一般講習は補助者として運行管理の仕事をしている人も受けられる講習です。
補助者のうちから一般講習に出ておくと、法令が変わったところを早めに知れます。講習を受けた回数は記録が残るので、手帳や修了証をまとめて持っておきます。
関連記事運行管理者試験の日程と合格率と勉強の仕方→運行管理補助者が向いている人
- ドライバーの経験があり、出発前の不安がわかる人
- 朝早い時間や夜の当番に入れる人
- 言いにくいことでも出発を止められる人
- 将来は運行管理者の試験を受けたい人
- 自分の判断で決めてしまいがちな人
- 点呼簿などの記録をためてしまう人
- 決まった時間に営業所にいるのが難しい人
補助者は、運転の経験がそのまま生きる立場です。点呼の相手の気持ちがわかる人ほど、短い会話で体調の変化に気づけます。
日中だけ働きたい人と補助者の当番
出勤時刻のグラフでは、8時から10時に出勤した人も20人いました。昼前後に出て夕方に帰る便なら、点呼の当番も日中に収まります。
送迎の会社でも、緑ナンバーなら運行管理者と点呼が要ります。当番の時間帯を面接で聞き、日中だけで回せるかを確かめると家の予定と合わせやすいです。
送迎は朝と夕方に子どもやお年寄りを運ぶ便が多い仕事です。運転のあいだの昼の時間に、ほかのドライバーの帰りの点呼を受け持つ形もとれます。
ドライバーと補助者を兼ねる日の動き方
小さい営業所では、朝は補助者として点呼をして昼はハンドルを握る人もいます。自分が出発する前に、ほかの人の点呼を済ませる順番です。
兼ねる日は、自分が出る前の点呼をだれから受けるかが大事です。自分の点呼の相手を前の日に決めておくと朝にあわてません。
関連記事ドライバーが受ける適性診断の種類と費用→運行管理者の補助者でよくある質問
運行管理者の補助者に資格は要りますか?
国家試験は要りません。基礎講習(3日・8,900円)を終えるか、運行管理者の資格者証を持っていればなれます。
補助者だけで点呼を全部してもいいですか?
できません。運行管理者が行う点呼は、総回数の3分の1以上でなければなりません。
補助者は運輸支局に届け出が要りますか?
届け出は運行管理者を選んだときのものです。補助者は会社の運行管理規程に選び方と仕事を書いておきます。
補助者になると給料は上がりますか?
手当が出るかは会社しだいです。運行管理者の資格に手当を出す会社もあるので、面接や上司に手当の有無を聞いておくと先が見えます。
ドライバーをしながら補助者になれますか?
なれます。小さい会社では、ドライバーが講習を受けて朝や夜の点呼を受け持つ形がよくあります。
AT限定の普通免許でも補助者になれますか?
なれます。補助者になる条件は講習か資格者証で、運転免許の種類は問われません。
運行管理者の補助者は講習3日で始められる管理の入口
- 補助者は基礎講習(3日・8,900円)を終えればなれる
- 受け持てるのは点呼の一部で、運行管理者の点呼は3分の1以上
- 酒気・体調・免許・積みすぎ・速度のおそれはすぐ運行管理者へ
- 補助者の経験1年で運行管理者試験を受けられる
ドライバーを続けながら管理の仕事に近づくなら、補助者がいちばん手前の一歩です。会社に講習を受けたいと伝えるところから始められます。
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