接客業からドライバーに転職して楽になった?接客出身6人と経験者130人の本音
飲食・販売・ホテルの仕事からドライバーに移った6人で、後悔ありと答えたのは2人でした。お客さんの対応に疲れた人ほど、移ってよかったと書いています。
ただし接客がゼロになるわけではなく、時間と体力のつらさは増えます。接客出身の声と経験者130人の数字で、移る前に知りたいことを並べました。
- 接客出身のきつさと後悔
- 接客を辞めた理由
- ドライバーに残る接客
- 職種で変わるお客さんとの距離
- 時間と体力のつらさ
- 接客業からの月収
- 面接で聞くこと
目次
接客業からドライバーに移った6人 で後悔ありは2人
接客出身の6人で後悔ありは2人(33%)です。ほかの124人は47%でした。
後悔ありの割合
後悔は「ある・少しある・どちらともいえない・あまりない・ない」の5段階で聞き、上の2つを後悔ありにしています。6人の残りは、どちらともいえない2人・あまりない1人・ない1人です。
その一方で、きつかったと答えた人は4人(67%)いました。ほかの124人の44%より多めです。
「きつかった」と答えた人の割合
体はきついけれど気持ちは楽になった、というのが接客出身の6人に多い形です。6人なので1人ちがうだけで割合が17%動きます。目安として見てください。
6人の前の仕事は飲食1人・ホテル1人・サービス業1人・販売2人・接客の仕事1人です。移った先はルート配送3人と宅配・食品配送・企業配送が1人ずつで、5人が正社員でした。
企業配送は、お店ではなく会社や事務所を回って荷物を届ける配送のこと。ルート配送の一つで、回る先が日によって変わることもあります。
接客を辞めた理由は人間関係とクレーム
6人のうち4人が、お客さんや職場の人づきあいに疲れたことを理由に挙げていました。残りは給料の低さと、仕事をがらっと変えたい気持ちです。
「前職は飲食業で接客や店舗管理をしていましたが、コロナ禍以降の業績不振や、常にクレーム対応や人間関係の調整に追われる日々に精神的に疲れてしまいました。」
「接客する仕事が苦手だと感じ、ドライバー職ならば運転してる間は接客をしなくてもいいと思ったため。」
販売から移った1人は、前の月給が20万円ほどで初任給39万円の求人に入っていました。もう1人は理由を「心機一転」と書いています。
「当時販売職をしていて、心機一転で仕事を大きく変えようと思いドライバーの道を選びました。」
- 辞めたい理由がクレームや客の機嫌なら、ドライバーで減らしやすい
- 理由が職場の人づきあいなら、社内のドライバーの人数を先に聞く
- 理由が給料なら、あとの月収の節を見てから決める
ドライバーにも接客はあるが量は少ない
答えは「ある」です。ただしレジや客席のように、1日中お客さんの前に立つ仕事ではありません。
130人の中で、お客さんとの関わりを良かったことに書いた人は10人いました。反対に、お客さんや届け先の対応がつらかったと書いた人は8人です。
お客さんとの関わりを書いた人(130人のうち)
10人は130人の8%、8人は6%にあたります。どちらも1割に届きません。届け先とのやりとりは数分のあいさつや受け渡しが中心で、それをつらさの1位に書く人は多くないということです。
「配送先のお客と色々な話をしながら作業するのは楽しい。」
「私の所は運転だけではなく、お客様とのやり取りが思った以上に多かった。」
話すのが好きな人には、届け先との短い会話がいい息抜きになります。接客がつらかった人も、レジのように列が切れない状態とはちがうと考えてください。
関連記事ドライバーが怒られる相手と理由→お客さんとの距離は職種でちがう
接客からいちばん離れやすいのは、決まった届け先を回るルート配送です。タクシーと送迎は、お客さんを乗せて走るぶん人と話す時間が長くなります。
職種別「きつかった」の割合
人数はルート配送31人・トラック30人・宅配21人・食品配送13人・軽貨物9人・送迎9人・タクシー5人です。タクシーと送迎は人数が少ないので、高さはおおまかに見てください。
ルート配送は毎日同じお店や会社を回るので、届け先の担当者と顔なじみになります。宅配は毎回ちがう家に届けるので、不在や時間の指定で気をつかう場面が増えます。
タクシーではお客さんに後ろの席から怒鳴られた人や、酔ったお客さんの扱いに困った人もいました。接客から離れたい人がタクシーを選ぶと、同じつらさに戻りやすいと考えておいてください。
送迎は9人中2人がきつかったと答え、職種の中でいちばん少なくなっています。日中だけ働きたい人や女性にも選ばれていて、女性42人では15人(36%)がきつかったと答えました。
関連記事ルート配送31人の働き方と月収→接客より楽なのは社内の人づきあい
130人のうち66人(51%)が、良かったことに「一人」の気楽さを挙げていました。接客出身の6人も、5人が一人の気楽さか人づきあいの軽さを良さに書いています。
飲食から移った1人は、職場の人間関係がさっぱりしていて前のようなストレスがないと書いていました。ホテルから移った1人も、上下関係がなく休憩を自分で決められるのが良かったそうです。
「運転している時は気楽に1人で働けることで、1人が好きな私にとっては良かったです。」
接客の仕事では、お客さんと店長と同僚の三方に気をつかう日が続きます。ドライバーは車に乗れば一人になるので、気をつかう相手が届け先と会社の人に減ります。
「接客等が苦手なので、個人プレーの仕事なことが一番メリットでした。」
シフトの調整や売り場の空気から離れられる
接客の仕事でつらいのは、お客さんだけではありません。急な休みの穴うめやシフトの調整、店長の機嫌を見ながら動く毎日に疲れた人も多いはずです。
ドライバーは、出発してしまえば自分の段取りで1日が進みます。サービス業から移った1人は、早く帰れた日の達成感と社内の駆け引きに巻きこまれない点が合っていたと書いていました。
ただし会社に戻れば人はいます。販売から来た1人は、思っていたより人間関係が大事だったと書いていました。
「タスクをこなしていくことが重要と考えていたが、人間関係が思ったより重要だった。」
接客で身についた力はドライバーでも生きる
いちばん生きるのは、短い時間で相手に好かれるあいさつです。ルート配送や食品配送では、同じ届け先に何度も通うので印象がそのまま仕事のしやすさにつながります。
- 届け先の担当者に顔と名前を覚えてもらいやすい
- 荷物の置き場所や時間の希望を、感じよく聞き出せる
- 誤配や遅れをわびるときに、言い方で角を立てない
- 混んだ時間でも手を止めずに動く段取りに慣れている
届け先から差し入れをもらったり、顔なじみのお客さんと話すのが楽しみだったりという声もありました。接客で人に喜ばれるのが好きだった人は、その気持ちを残したまま移れます。
反対に、繁忙期はお客さんからの電話が鳴りやまないという声もあります。荷物が遅れたときに謝る役は、接客のころと同じく自分に回ってきます。
接客よりつらいのは長い時間と体力
接客出身の6人のうち、1日10〜12時間働いた3人は全員がきつかったと答えています。立ち仕事に慣れていても、荷物を運ぶ力仕事と長い時間は別のつらさです。
1日の勤務時間別「きつかった」の割合
130人で見ても、10〜12時間の29人はきつかった人が79%でした。8〜10時間の27人では37%まで下がります。
12時間以上が10〜12時間より低いのは、タクシーの4人のうちきつかったのが1人だけだからです。6時間未満が少し高いのは、短い時間に件数が詰まる宅配の7人のうち4人がきつかったと答えたためです。
飲食の仕事も長い時間になりがちです。ドライバーはそれに加えて朝が早く、休憩の時間が届け先の都合でずれます。
食品配送に移った販売出身の1人は、腰を痛めたことがいちばんきつかったと書いていました。座る時間が長くなったうえに、荷おろしの負担が重なったそうです。
「なかなか腰の痛みがおさまらず痛みに耐えながら仕事をしたのはキツかったです」
立ち仕事とドライバーの疲れ方はちがう
接客の立ち仕事は、同じ場所で足が疲れる形です。ドライバーは座って運転する時間と荷物を持って歩く時間が交互に来て、腰と肩に疲れがたまります。
最初の1か月は、仕事のあとに腰や足がどれくらい張るかを見ておくと続けられるかを決めやすくなります。重い荷物の多い日だけ痛む程度なら、慣れで軽くなる人もいます。
接客から移るなら、まず1日8〜10時間で帰れる仕事を選ぶと気持ちの楽さを体のつらさで打ち消さずにすみます。
関連記事ドライバーに体力はどれくらい要る?→接客業からの転職で月収は正社員26万円
接客から正社員で入るなら、目安の月収は26.0万円です。正社員68人のうち金額で答えた39人を、低い順に並べて真ん中に来た人の額です。
残りの29人は「20万〜30万円」のような幅で答えています。答えには額面と手取りが混ざっていて、額面なら手取りはその8割ほどです。
職種別の正社員の月収(金額で答えた人のまんなか)
グラフは額の高い順で、名前の横の人数は金額で答えた正社員の数です。1つの職種で十数人までなので、だいたいの高さとして見てください。
接客出身の6人では、4人が月20万〜30万円の幅に入っていました。1人は答えたくないとし、販売から移った1人だけがルート配送で月40万円と答えています。
この人は1日10〜12時間で、朝から200個の荷物をバラ積みしていました。バラ積みは、箱を1つずつ手で積むことです。高い額は長い時間と力仕事とセットなので、飲食や販売より上がるかは働く時間で決まります。
26.0万円が額面なら、手取りは21万円前後です。賞与を入れずに12か月で見ると年312万円ほどで、いまの給与明細も賞与を外した月の額で比べると差がはっきりします。
関連記事ドライバーの給料を車両と職種で比べる→パートで日中だけ移るなら送迎とルート配送
1日8時間未満で働いた52人では、きつかった人は27%でした。接客のパートから日中だけ移る人は、この働き方から考えると体の負担が小さくなります。
働き方別「きつかった」の割合
パートの33人はルート配送9人・食品配送7人・宅配7人などで、半分の16人が1日6時間未満でした。パートの女性22人では、後悔ありは3人(14%)にとどまります。
送迎の9人は全員が1日10時間未満で、女性が5人でした。月の額を金額で答えた7人のまんなかは16.0万円で、短い時間のパートが入るぶん正社員より低く出ます。
- 送迎は乗せる人と話すので、接客がつらかった人は相手が子どもかお年寄りかを聞く
- ルート配送のパートは、決まった先を回るぶん道と荷物を覚えやすい
- AT限定でも乗れる軽バン・ワゴン車の求人が多い
「自分は接客でお客様と関わることが本当に苦手だったので、接客から離れることができ、後悔はあまりありませんでした。」

接客出身の6人 が入る前に聞きたかったこと
接客出身の6人が「入る前に確かめたほうがいい」と書いた中身です。
目立ったのは長い拘束時間・休めない。事故・眠気の不安がそれに続きます。求人を選ぶ段階で避けられるものばかりです。
求人を選ぶときに見ておくこと
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
- 運行の組み方と、仮眠や休憩が取れるかを聞く
- 手積み・手降ろしがあるか、カゴ台車かを確かめる
接客のころは気にしなかった項目が並びます。荷物の重さと時間を求人票の外で確かめることが、接客から移る人の後悔を減らします。
運行の組み方は、どの順でどこを回り、どこで休むかという1日の走り方の予定のこと。手積み・手降ろしは、荷物を手で積んで手で降ろす作業です。
カゴ台車は荷物を載せたまま押して運べる車輪つきのかごで、これを使う職場は腰がずっと楽になります。
接客業からドライバーが合う人・合わない人
お客さんの前に立つことに疲れたかどうかで、向き不向きが分かれます。接客出身6人の声と130人の数字から分けました。
- クレームや客の機嫌に気をつかう毎日に疲れた人
- 短いあいさつなら苦にならない人
- 立ち仕事に慣れていて、体を動かすのが嫌いでない人
- 店長や同僚との調整より、一人で段取りを組みたい人
- お客さんと話すことが好きで、それがやりがいだった人
- 重い荷物や長い時間がどうしても不安な人
- 接客から離れたくてタクシーを考えている人
- 決まった時間に帰れないと困る人
話すことが好きな人には、食品配送やルート配送で届け先と顔なじみになる形もあります。話好きの自分に合っていたと書いた人もいました。
「何より一人で働ける自由さが1番ですし、 お客さんと接する仕事なので話好きの自分には天職やと思う」
接客業からの転職で面接で聞くこと
聞くのは届け先の数と荷物の積み方、それに1日の終わる時間です。接客で身につけた丁寧な聞き方は、面接でもそのまま役に立ちます。
面接で使える例文
1日に回る届け先はいくつくらいですか。毎日同じ先を回る形でしょうか。
荷物は手で積み下ろしますか。カゴ台車を使う日もありますか。
出発と戻る時間は、ふだんだと何時ごろですか。遅くなる日の理由も教えてください。
飲食の仕事でお客さまと毎日接してきました。届け先の方と長く信頼を積み上げる仕事がしたくて応募しました。
- AT限定の普通免許でも、軽バンや送迎のワゴン車ならそのまま乗れる
- 2017年3月12日以降に取った普通免許は3.5t未満まで、それより前なら5t未満まで乗れる
- MTの普通免許なら、手動の小さなトラックもそのまま運転できる
- 接客で鍛えたあいさつは、届け先で信頼される近道になる
接客の経験は、志望動機でいちばん使いやすい材料です。お客さんと話すのが嫌で辞めたとしても、面接では「届け先との信頼」の言い方にすると前向きに伝わります。
関連記事未経験から始めた117人のその後→接客業からドライバーへの転職でよくある質問
接客業からドライバーになると楽になりますか?
接客出身の6人で後悔ありは2人でした。気持ちは楽になったという声が多い一方で、4人は体がきつかったと答えています。
ドライバーにも接客はありますか?
あります。130人のうちお客さんとの関わりを良かったと書いた人は10人、つらかったと書いた人は8人でした。多くは届け先での短いやりとりです。
接客が苦手でもドライバーはできますか?
できます。接客が苦手で移った女性の1人は、後悔は「あまりない」と答えていました。タクシーや送迎よりも、荷物を運ぶ配送のほうがお客さんと話す時間は短くなります。
接客業から移ると給料は上がりますか?
金額で答えた正社員39人の真ん中は月26.0万円です。接客出身の6人は4人が月20万〜30万円の幅で、40万円の1人は1日10時間以上働いていました。
飲食業からドライバーはきついですか?
飲食から移った1人は、朝5時からの荷積みと12時間近い日がきつかったと書いていました。それでも職場の人間関係はさっぱりしていて、前のようなストレスはないそうです。
40代で接客業からドライバーになれますか?
接客出身の6人のうち4人が40代でした。130人のうち40代は38人いて、未経験から正社員で入った人もいます。
女性でも接客業からドライバーになれますか?
130人のうち女性は42人で、きつかった人は36%です。接客出身の女性は、企業配送に移り、一人が好きな自分には合っていたと書いていました。
接客業からドライバーはお客さん疲れの人に向く
接客出身の6人のうち、後悔ありは2人でした。クレームや人づきあいに疲れた人には、一人で走る時間が気持ちを軽くしてくれます。
その一方で、6人中4人は体がきつかったと答えています。届け先の数と荷物の積み方、終わる時間を面接で聞いてから移ると、楽になったと感じやすくなります。
- 接客から来た6人で後悔ありは2人、きつかったのは4人
- 辞めた理由はクレームと人間関係が中心
- お客さんとの関わりは残るが、良かったと書いた人のほうが多い
- 10〜12時間の人はきつかった割合が79%
- 正社員の月収はまんなか26.0万円(金額で答えた39人)
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