配送ドライバーがミスで落ち込むのは普通?経験者10人の失敗と立ち直り方
配送の仕事でミスをすると、帰りの車の中まで気持ちが沈みます。経験者130人のうち10人が、自分の失敗やミスの重さを自分の言葉で書いていました。
10人のうち、事故や誤配など自分のミスを具体的に書いた5人は全員が3年以上続けた人です。ミスで落ち込むのは普通のことで、それだけで向いていないとは言えません。
- ミスを書いたのは130人中10人
- ミスを書いた人ほど続いていた
- ミスの中身は事故と誤配と荷物
- 落ち込みやすいのは最初の半年
- ミスしたあとの立て直し方
- 弁償や自己負担は会社で変わる
目次
ミスで落ち込む配送ドライバーの声は130人中10人
ミスや失敗を自分のこととして書いたのは130人中10人(8%)です。設問で聞いたのではなく、後悔やアドバイスの欄に自分から書いた人数になります。
10人の書いた中身は3つに分かれます。自分のミスの話が5人・始めのうちはミスすると書いた人が4人・ミスが許されない重さが4人でした。
ミスにふれた10人が書いた中身
10人を100%とした割合です。3人は2つの中身にまたがるので、5人と4人と4人を足すと13人になります。
書かなかった人の中にも、小さなミスをした人はたくさんいるはずです。10人は、ミスが強く記憶に残った人と見てください。
「たった一度のミスで大勢の人達に迷惑をかけてしまい本当に心から反省しました。」
トラックの正社員を3〜5年続けた20代の男性の声です。寝不足で走った日に事故を起こし、集中力が落ちていたとふり返っています。
ミスを書いた10人 は続けた経験者が多い
10人のうち9人は1年以上続けた人です。10人と少ないので、ここからの割合は目安として読んでください。
ミスにふれた10人のうち、仕事を「きつかった」と答えたのは2人(20%)でした。ほかの120人は56人(47%)です。
「きつかった」と答えた人の割合
後悔ありは10人のうち3人(30%)でした。ほかの人は48%です。後悔ありに入るのは、5段階の答えのうち「ある」か「少しある」を選んだ人。
後悔ありの割合
10人の後悔の内わけは、ない3人・あまりない3人・どちらともいえない1人・少しある1人・ある2人です。10人は1人ちがうだけで割合が10%動くので、目安として見てください。
自分のミスを具体的に書いた5人に限ると、全員が3年以上です。ミスを語れるのは、ミスのあとも仕事を続けた人だということです。
10人の職種はトラック3人・宅配3人・ルート配送2人・食品配送1人・そのほか1人です。働き方は正社員5人・パート2人・業務委託と個人事業主と契約社員が1人ずつでした。
トラックの長い運転でも宅配の細かい配達でも、ミスの話は出てきます。どの職種を選んでもミスはゼロにならないので、ミスしたあとの決まりのほうを見てください。
ミスをしたから楽になったわけではありません。ミスを乗りこえて続けた人が、あとからふり返って書いていると読むのが自然です。
- ミスにふれた10人のきつさは20%(ほかの人は47%)
- 後悔ありは30%(ほかの人は48%)
- 10人のうち9人は1年以上続けている
配送ドライバーのミスの中身は事故と誤配と荷物
自分のミスを書いた5人の中身は、事故が2人・車を擦った人が1人・誤配や荷物を傷めた人が2人です。誤配は、荷物を別の家やお店に届けてしまうことを言います。
「仕事の中では誤配をしてしまったこともあり、お客様に謝罪した経験もあります。」
声の主は、ルート配送のパートを5年以上続けてきた50代の女性。飲み物のケースを落として缶をへこませたこともあり、そこから作業を慎重にするようになったと書いています。
この人の後悔は「ない」でした。誤配や破損をしても、謝って直せば仕事は続けられます。
事故で仕事が止まって落ち込む
「さらに北海道ですので大雪や吹雪になったりすると大変な思いをします、一週間に2回も事故にあって凹んだ時もありました。」
北海道でお弁当の配達を5年以上続けた60代の個人事業主の声です。大雪の日に事故が続き、処理が終わるまで仕事が止まって心苦しかったそうです。
この人の事故は物損で、人身事故ではなかったそうです。それでも仕事を続け、後悔は「あまりない」を選んでいます。
急いで荷物をひっくり返す
トラックで食品を運んでいた40代の男性は、時間がなくて慌てた日に荷物をひっくり返しました。会社に報告すると運転中でも原因を細かく聞かれるため、結局は自腹で買い取っていたそうです。
この人は後悔「ある」と答え、いまは時間にゆとりのある別のドライバーの仕事に移っています。ミスを自分で払う職場は、ミスそのものより気持ちを重くします。
関連記事事故を起こした人のきっかけと対策→ミスのきっかけは焦りと寝不足
ミスのきっかけで目立つのは時間に間に合わせようとした焦りです。5人のうち2人が焦りや慌てたことを、1人が寝不足を書いていました。
「渋滞や配達の遅れが続いた時、焦る気持ちから休憩を削って運転したことがありました。」
トラックの正社員を3〜5年続けた30代の男性です。休憩を削った日に集中が切れ、狭い道で車を軽く擦ったそうです。
急いで取り戻そうとした日ほど、ミスは起きやすくなります。遅れそうな日は、遅れを連絡するほうが早く片づきます。
「未経験となると運転技術に自信がないと、焦って事故などにもつながるし危険は伴う仕事の一つということは頭においておくべき。」
食品配送を半年から1年続けた人が、未経験の人へ書いた助言です。運転にまだ自信がない時期ほど、焦りがミスにつながります。
- 遅れを取り戻そうとして休憩を削る
- 寝不足のまま朝いちばんの運転に出る
- 時間指定に追われて確かめる手順を飛ばす
寝不足の日のミスを防ぐ
寝不足で事故を起こした20代の男性は、ふだんなら当たり前にできることができなくなっていたと書いています。眠い日のミスは、腕ではなく体の調子から来ます。
前の晩に眠れなかった日は、出発前に上司へひと言伝えておいてください。言いにくくても、事故を起こしてから話すよりずっと軽くすみます。
朝の早い仕事なら、夜の予定を決めて寝る時間を先に守ります。休みの前の日に夜ふかしをすると、次の出勤日のリズムがくずれやすくなります。
関連記事時間に追われる原因と減らし方→ミスで落ち込みやすいのは最初の半年
きつさの山は2回あります。最初の山は半年未満の24人で50%、半年〜1年の16人では25%まで下がります。
1回目の山は運転と道に慣れていないことから、2回目の山は任される仕事の量から来ます。ミスで落ち込みやすいのは、1回目の山です。
経験年数別「きつかった」と答えた人の割合
1〜3年の33人では61%と2回目の山が来ます。運転や道に慣れたあと、任される件数や距離がふえる時期です。
運転の慣れは半年ごろがひと区切りで、その先のきつさは仕事の量で決まります。半年までのミスや落ち込みは、多くの人が通る道です。
ルート配送を5年以上続けた30代の正社員も、最初は筋肉痛や落ち込みがあったと書いています。数ヶ月耐えると急にできるようになり、そこから楽になったそうです。
「これからドライバーの仕事を始める人には、「最初から完璧を目指しすぎなくて大丈夫」と伝えたいです。」
最初は道を覚えるだけでも大変で、時間どおりに回れない日が続きます。それでも経験を重ねると動き方がわかってくる、と同じ人が書いています。
最初の半年に落ち込みを減らす工夫
最初の半年は、1日の終わりにできたことを1つだけ数えてください。できなかったことより昨日より早く回れた道を数えるほうが、次の日の運転が落ち着きます。
わからない届け先は、翌日の朝に先輩へ聞くと決めておきます。一人で地図とにらめっこする時間が減るだけで、焦りはかなり小さくなります。
ミスが続いた週は、休みの日に体を休めることを先にしてください。寝不足で事故を起こした人の話にもあるとおり、疲れたまま走ることがいちばんミスを呼びます。
関連記事先輩の横で覚える研修の中身→ミスしたあとの立て直し方
立て直しの答えはすぐ報告して、次の回から1つだけやり方を変えることです。隠したり自分で埋め合わせたりすると、あとでもっと重くなります。
- ミスに気づいたらその場で会社に連絡する
- 届け先やお客には会社と相談してから謝る
- 何が起きたかをその日のうちに1行メモする
- 次の回から確かめる手順を1つだけ足す
落ち込んだ日は、次の届け先に向かう前に車の中で深呼吸をしてください。落ち込んだまま急ぐと、次のミスを呼びます。
会社への報告の例文
お疲れさまです。さきほど〇〇様の荷物を隣の家に届けてしまいました。いまから回収に向かってよいですか。
お疲れさまです。〇〇の近くで車の左側を壁に擦りました。けが人はいません。このあとどう動けばいいか教えてください。
お疲れさまです。道が混んでいて〇〇様の時間指定に20分ほど遅れそうです。届け先へ連絡をお願いできますか。
「ドライバー職を始める人へのアドバイスとして、一番伝えたいのは「最初は焦らない事」です。」
宅配の正社員を5年以上続けた20代の男性です。最初は道を間違えたり荷物の扱いに戸惑ったりするので、運転の腕より安全確認と時間の使い方を見てほしいと書いています。
関連記事怒られたあとの気持ちの切りかえ方→ミスの弁償や自己負担は会社で変わる
ミスをしたときの弁償は、会社の決まりで大きく変わります。修理代の一部を給料から引く会社もあれば、保険で会社が払う会社もあります。
「また、一番重要なのは「事故時の自己負担」があるかどうかです。」
ルート配送の正社員を1〜3年続けた40代の男性の声です。ぶつけたときに給料から引かれる会社もあるので、免責の金額は必ず聞くようにと書いています。免責の金額は、保険を使っても自分で払う分のこと。たとえば免責5万円なら、修理代が30万円でも自分の負担は5万円までです。
ミスのお金の決まりを入る前に知っておくと、落ち込みは半分ですみます。荷物をひっくり返して自腹で買い取った人の話も、決まりを知らないまま入ったことから始まっていました。
面接で聞くこと
車をぶつけたときの修理代は、会社の保険で払いますか。自分で払う分はいくらまでですか。
荷物を落として傷めたときは、どこに報告しますか。お金はだれが払いますか。
業務委託や個人事業主は、会社に雇われず自分で仕事を受ける働き方です。ミスのお金を自分で持つことが多いので、保険に入っているかを始める前に確かめてください。
正社員やパートでも、事故の修理代を毎回引かれる職場はあります。ミスのたびに給料が減る職場なら、それは辞める理由になります。
関連記事ドライバーの自腹はどこまで?→ミスが許されない重さを書いた4人
残りの4人は、ミスそのものよりミスが許されない仕事の重さを書いた人です。4人のうち3人は女性で、宅配が2人でした。
「また時間に追われる上にスピードも出せなければミスが許されない。」
前の職場ではデジタコとカメラで細かく見られていたと書く人です。デジタコは、走った速さや時間を記録する機械のことです。
「神経を尖らせておかなければいけないし、荷物だって自分だけの荷物ではありません。」
宅配のパートを1〜3年続けた30代の女性です。荷物を壊せば注文した会社にも作った会社にも響くので、責任を持ってほしいと書いています。
葬儀のスタンド花を一人で運んだ30代の女性も、名札を1つも間違えられない重さを書いていました。重さを知っている人は、確かめる手間を惜しまない人でもあります。
4人の後悔は、ない2人・あまりない1人・ある1人です。重さを感じながらも、多くは続けられていました。
下のコラムに出る運行の組み方とは、1日にどの順番でどこを回り、どこで休むかという走る予定の立て方のことです。ここに無理があると、焦りと寝不足が重なってミスが出やすくなります。

ミスを経験した人が一番きつかったこと
ミスにふれた10人が、一番きつかったこととして書いた中身です。
声の中心は事故・眠気の不安と暑さ・寒さ・天候。どちらも会社しだいで大きく変わります。
経験者の声から学べること
- 運行の組み方と、仮眠や休憩が取れるかを聞く
- 車両のエアコンと、繁忙期の人の増やし方を聞く
- 1日の配達件数と時間指定の多さを聞く
ミスは腕の問題に見えて、時間の組み方で減らせることが多いです。焦らなくていい職場を選ぶことが、いちばんのミス対策です。
ミスで辞めなくていい人と職場を変えたほうがいい人
分かれ目はミスが自分の慣れの問題か、職場の組み方の問題かです。慣れの問題なら、半年ほどで落ち着く人が多くいます。
- 始めて半年たっていない人
- ミスの理由が道や手順の覚えきれなさにある人
- 相談できる先輩や上司がいる人
- 休憩を削らないと回らない件数を任されている人
- ミスのお金を毎回自分で払っている人
- 寝不足のまま走る日が続いている人
職場を変えたほうがいい人に当てはまっても、ドライバーに向いていないわけではありません。同じ職種でも、件数と決まりがちがう会社に移れば楽になることがあります。
女性の読者は、女性42人のうちミスにふれた人が4人だったことも目安にしてください。4人とも後悔は「ない」か「あまりない」でした。
パートや短い時間で働く人のミス
ミスにふれた10人には、パートが2人います。どちらも女性で、ルート配送と宅配を1年以上続けた人でした。
短い時間の仕事でも、届け先をまちがえる怖さは同じです。件数が少ないうちは1軒ごとに名前と部屋番号を声に出して確かめるだけで、誤配はぐっと減らせます。
子どもの送り迎えの前に急いで終わらせたい日ほど、確かめる手順を飛ばしがちです。終わる時間に余裕のあるシフトを選ぶことも、ミスを減らす工夫の1つになります。
関連記事未経験から始めた人のきつさと後悔→配送ドライバーのミスと落ち込みのよくある質問
配送ドライバーはみんなミスをしますか?
ミスや失敗を自分から書いたのは130人中10人でした。書かなかった人にも小さなミスはあるはずで、始めのうちはミスすると書いた経験者も4人います。
誤配をしたらクビになりますか?
誤配をしてお客に謝った50代の女性は、5年以上続けて後悔は「ない」と答えています。すぐに会社へ報告して回収すれば、1回の誤配で仕事を失うことはまずありません。
ミスが続いて落ち込むのはいつまでですか?
経験半年未満の24人は50%がきつかったと答え、半年〜1年の16人では25%に下がりました。運転と道に慣れる半年ごろが、ひと区切りの目安です。
車を擦ったら弁償しますか?
会社によります。修理代の一部を給料から引く会社もあるので、事故のときの自己負担と免責の金額は面接で聞いておいてください。
女性でもミスが怖くて続けられますか?
女性42人のうちミスにふれた人は4人で、4人とも後悔は「ない」か「あまりない」でした。研修の長い職場を選ぶと、最初の半年のミスを減らせます。
ミスしにくいドライバーの仕事で給料はどれくらいですか?
月収はミスより勤務時間と車両で決まります。正社員68人のうち金額で答えた39人の中央値は26.0万円で、パートは金額で答えた19人の中央値が10.0万円でした。中央値は、答えた額を小さい順に並べてちょうど真ん中に来る額のこと。答えには手取りの額と額面の額の両方が入っていて、額面なら手取りはおよそ8割です。
配送ドライバーのミスは報告と職場選びで乗りこえられる
ミスで落ち込むのは、続けた経験者も通ってきた道です。すぐ報告して、次の回から1つだけ変えれば十分です。
ミスが焦りや寝不足や自腹から来ているなら、それは職場の組み方の問題です。焦らなくていい件数と、ミスのお金の決まりがある会社を選んでください。
- 経験者130人中10人がミスや失敗を自分の言葉で書いた
- 自分のミスを書いた5人は全員が3年以上続けていた
- ミスにふれた10人のきつさは20%・後悔ありは30%
- ミスのきっかけは焦りと寝不足が目立つ
- 落ち込みやすいのは最初の半年で、弁償の決まりは会社で変わる
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