タクシー運転手はきつい?経験者6人でつらかったのは1人だけ
タクシー運転手は、長い勤務や酔ったお客さんの相手できついと言われがちな仕事です。今の仕事から移るか迷っていて、本当はどれくらいつらいのか知りたい人もいるはずです。
ドライバー経験者130人のうち、タクシーを経験した人は5人でした。仕事をきつかったと答えたのは1人(20%)だけです。
タクシーのつらさは体の疲れより、お客さんと収入のぶれに出ていました。6人と少ないので割合は目安として読んでください。
- タクシー経験者のきつさの割合
- ほかのドライバー職との比べ
- 隔日勤務の長さと決まり
- お客さん・歩合・人間関係のきつさ
- タクシーが楽だと感じた理由
- 入る前に確かめること
目次
タクシー運転手はきつい?6人 中きつかったのは1人
タクシーを経験した5人のうち、きつかったと答えたのは1人でした。全職種の130人では58人(45%)がきつかったと答えています。
「きつかった」 の割合をタクシーと全体で比べる
6人の答えは「普通」が3人・「やや楽だった」が2人・「ややきつかった」が1人です。きつかったはここで「かなり」か「やや」きつかったを選んだ人を指します。
タクシー経験者6人 のきつさ(5段階)
6人のうち4人はタクシー会社の正社員です。1人は介護タクシーを業務委託で走り、もう1人は本業のかたわらライドシェアを副業にしていました。ライドシェアは、二種免許のない人が自分の車でお客さんを運ぶ仕組みです。
6人の中では、きつかった人より普通かやや楽だった人のほうが多くいました。6人なので1人の答えが変わると割合は17%ずつ動きます。
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8つの職種でくらべると、きつかった人の割合はタクシーの20%が最も低い結果でした。高いのは軽貨物と宅配で、7割前後がきつかったと答えています。
職種別の「きつかった」の割合
棒の左の数字は答えた人の数です。トラックの38人や宅配の25人とくらべ、タクシーは6人と少ない点に気をつけてください。
軽貨物や宅配は、荷物を持って家を何十軒も回る仕事です。荷物の上げ下ろしがないことが、タクシーのきつさを小さくしています。
人を乗せて日中だけ働くなら送迎も近い
同じく人を乗せる送迎ドライバーは9人で、きつかったのは2人(22%)でした。送迎は幼稚園や介護施設の利用者を決まった時間に送り迎えする仕事です。
夜を避けて子育てと合わせたい人には、タクシーより送迎のほうが時間をそろえやすくなります。
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6人のうち4人は1日12時間以上働いていました。それでもきつかったのは1人で、タクシー以外の12時間以上の13人では8人がきつかったと答えています。
1日12時間 以上の人の「きつかった」の割合
タクシー以外の13人は、トラック9人・宅配と軽貨物が4人ずつなどです。荷物を運びながらの長い時間と、運転と休憩を自分で回す長い時間とでは疲れ方がちがいます。
隔日勤務とは朝から翌朝まで走って次の日は休む形
タクシーの長い勤務の多くは隔日勤務です。1回の勤務で朝から翌朝近くまで走ります。朝に勤務を終えたその日は「明け」と呼ばれ、仕事のない日です。
30代の正社員は、会社にいる時間が最大21時間の日もあったと書いています。それでも休憩を自由に取れて明けの日も使えるので、想像より働きやすかったそうです。
- 2日にまたがる1回の勤務で、会社にいる時間は22時間まで
- 2回の勤務をならすと1回21時間まで
- 1か月に会社にいる時間は262時間まで(労使の取り決めで年6か月まで270時間)
- 勤務のあとは続けて24時間以上休ませるよう会社が努め、短くても22時間は休む
これは厚生労働省のハイヤー・タクシー作業部会の報告(2022年3月)で決まり、2024年4月から使われている上限です。日勤なら1日13時間まで(のばしても15時間)で、1か月288時間までと決まっています。
長い時間がこわい人は、日勤を選べる会社かどうかを先に見ましょう。
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一番きつかったことを6人の言葉で分けると、お客さんとのトラブルと収入のぶれが2人ずつでした。残る2人は営業所の人間関係と、介護タクシーの介助の重さです。
タクシー経験者6人 が一番きつかったこと
割合は6人を100%にした数です。1人が1つずつ当たるので、足すと6人になります。
酔ったお客さんと後ろの席からの怒鳴り声
「酔っぱらいを乗せた時が一番大変で、まずお客様に触れることができないのでお客さんが暴れだした場合、制止できません。」
暴れるお客さんでも、運転手が手で押さえることはできない決まりでした。身の危険を感じたら車を止めて外へ逃げ、警察に来てもらったそうです。
「お客様の要望通りに走れなかった(スピードが遅かった)ようで、前の車を抜かせ、車線を変更しろと後部座席から叩かれたり怒鳴られたりしました。」
30代の女性の声で、急げと言われて車線を変えるよう迫られた場面です。運転の腕より、お客さんを受け流す力がきつさを左右します。
事故を起こせない緊張も毎日続く
5年以上続けた40代は、無事故無違反を守ることがタクシーでいちばん大事だと書いていました。見習いの期間に事故が続くと、正社員になれないこともあるそうです。
別の30代も、人を乗せる責任を毎日突きつけられる仕事だと書いています。お客さんを乗せている間は、ずっと気を張り続けることになります。
ライドシェアの人も、乗せている間は道と周りに気を配り続け、慣れるまで気疲れしたと振り返っていました。体よりも頭が疲れる仕事だと考えておくと、入ってからの差が小さくなります。
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収入のぶれを一番きつかったことに挙げたのは2人です。1人は体調をくずして出られる日が半分になり、手取りが10万円を切った月がありました。
「インセンティブ制のタクシードライバーの宿命でしょうけれど、体調不良などで出勤数が半分になってしまい、手取りが10万円を下回った月があったのでそれが1番きつかった。」
タクシーの給料は、売上の何割かが手元に入る歩合が中心です。休んだ月や暇な月は、そのまま給料に出ます。
ライドシェアを副業にした30代は、乗車の依頼がなかなか入らず待つ時間が長かったと書いています。走れる時間を空けても、依頼が少なければ思ったほど稼げなかったそうです。
金額で月収を答えた正社員3人は、月18.5万円・30万円・36万円と倍近く開きました。入ってしばらくは、売上に関係なく決まった額が出る保証給の期間を置く会社があります。保証給が何か月続き、いくら出るかを入る前に聞いておきましょう。
お客さんが見つからない時間がいちばん長く感じる
タクシーは、お客さんを乗せていない時間は売上が0円です。駅で並んで待つか、街を流して手をあげる人を探すかで、その日の売上が変わります。
50代の人は、配車アプリの依頼が運転手どうしの取り合いになっていたと書いていました。一方で、アプリで空港どうしの長い距離のお客さんに当たった日もあったそうです。
アプリの配車がどれくらい入る会社かで、待ちのきつさは大きく変わります。面接では、新人にも依頼が回る仕組みかを聞いておくと安心です。
関連記事タクシー運転手の給料はいくら?→営業所の人間関係と介護タクシーの重さ
車の中では一人でも、営業所で先輩に無視された50代が1人いました。上の人に相談しても、何も変わらなかったそうです。
営業所は、車を出し入れして売上を納める拠点です。毎日顔を合わせる時間は短くても、そこで孤立すると居場所がなくなります。
介護タクシーは、車いすの人や歩けない人を病院などへ運ぶタクシーです。乗り降りの手助けも仕事に入ります。
「ご利用者様をお迎えにあがられた時に自宅で体調不良になっており、タクシーに乗せるまでの介護がかなり大変でした。」
この人は休みも不定期だったと書いていました。透析の患者さんは曜日に関係なく病院へ通うからです。
「ただドライバーのため運転時間は本当に多く、介護タクシーですら少ない日でも100キロは必ず走ります。」
介護タクシーは、普通のタクシーより体と気持ちの負担が重い別の仕事と考えたほうが安全です。
関連記事ドライバーの人間関係はきつい?経験者の声→タクシーが楽だと感じた理由は一人と時間の自由
良かったことには、時間を自分で決められることと一人で走れる気楽さを挙げた人が多くいました。新しい店や近道を覚えていく楽しさを書いた人もいます。
「一人での運転がほとんどでご利用者様との対人関係だけですので気楽さはあります。」
お客さんに叩かれた同じ30代の女性は、調理のパートのころより給料が大きく増えたことを喜んでいました。副業の人は、決まったシフトに縛られず予定を合わせやすい点を良かったことに挙げています。
- 休憩を取る時間を自分で決められる
- 隔日勤務なら明けの日がまるごと使える
- 荷物の積み下ろしがない
- 上司や同僚と一日中いっしょにいない
タクシー経験者の口コミからわかること
6人は、入る前に確かめたほうがいいことを書いていました。給料の決まり方と勤務時間・休日がほとんどです。
下のコラムの横乗り研修は、先輩の隣に座って仕事を覚える期間のこと。タクシーでは二種免許のあとに受ける、道と接客の研修がこれに近い形です。

タクシーに入る前に確かめたいこと
タクシー経験者5人が、入る前に確かめてほしいと書いた中身を並べました。
目立ったのは給料・経費。長い拘束時間・休めないがそれに続きます。求人を選ぶ段階で避けられるものばかりです。
求人を選ぶときに見ておくこと
- 固定給か歩合か、経費はだれが払うかを確かめる
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
- 横乗り研修の期間と、相談できる人がいるかを聞く
きつさの多くは、お客さんより先に給料と勤務の形で決まります。保証給の期間と、隔日勤務か日勤かを数字で聞いておきましょう。
タクシーがきつくなりやすい人と向いている人
きつくなりやすいのは、毎月決まった額がないと落ち着かない人と、知らない人の強い言葉を引きずる人です。6人のきつかったことが、ちょうどこの2つに当たります。
- 毎月の給料が同じでないと不安
- 怒鳴られると何日も引きずる
- 夜に眠れないと体調をくずしやすい
- 自分で売上の目標を立てるのが苦手
- 荷物を運ぶ仕事は腰が心配
- 一人で黙々と働きたい
- 頑張った分を給料で受け取りたい
- 道や店を覚えるのが好き
6人とも運転の仕事は初めてで、そのうち1人は運転が好きで始めた人です。前職がちがっても、きつさの中身はお客さんとお金に集まっています。
夜に走る時間が長いほど眠りの管理が要る
隔日勤務の人は、夜中から明け方まで走るのが当たり前です。介護タクシーの人も、夜に出るほうが稼げるがかなりきついと書いていました。
明けの日に昼まで眠り、次の出番の前の晩にふつうに眠れるかがわかれ目です。夜に眠れない体質の人は、日勤の枠がある会社を選ぶとつらさを減らせます。
きつくないタクシー会社を選ぶために確かめること
確かめたいのは、勤務の形・保証給・歩合の決まり方・事故の自己負担の4つです。きつかったことの多くは、入る前にこの4つを聞けば見当がつきます。
- 隔日勤務・日勤・夜勤のどれを選べるか
- 月に何回の出番で、休日は何日か
- 保証給は何か月で、いくらか
- 売上の何割が給料になるか
- 事故のときに自分が払う額はいくらまでか
- 配車アプリの依頼がどれくらい入るか
出番は、タクシーで1回の勤務のことです。足切りは、月の売上の目標額のこと。届かない月は、売上のうち給料になる割合が下がる決まりです。
タクシー会社の面接で聞くこと
隔日勤務と日勤は選べますか。月に何回の出番になりますか。
入ってから何か月、決まった額の給料が出ますか。その後の決まり方も教えてください。
事故のときに運転手が払う額は、いくらまでと決まっていますか。
お客さんを乗せるには二種免許が要る
タクシーでお客さんを乗せて走るには、普通二種免許が要ります。普通免許から3年以上たっていれば受けられ、AT限定もあります。
6人のうち2人は、免許代を営業所に持ってもらって入っていました。そのぶん何年か辞めずに働く約束がつくことがあるので、年数と途中で辞めたときの扱いを聞いておきましょう。
日勤と隔日勤務のどちらがきつくないか
日勤は朝から夕方か夜までの勤務を、ほぼ毎日くり返す形です。会社にいる時間は1日13時間までで、生活のリズムはふつうの会社員に近くなります。
隔日勤務は会社にいる時間が月262時間までです。1回21時間なら262÷21で、出番は月12回ほどが上限になります。1回が長いぶん、休める日は多くなります。
まとまった休みがほしい人は隔日、毎日同じ時間に眠りたい人は日勤が合います。
子育て中の人は、夕方までに帰れる日勤の枠があるかを先に聞きましょう。昼だけの枠がない会社なら、送迎ドライバーのほうが学校の時間に合わせやすくなります。
夜の時間帯を外すと売上は下がりやすいので、保証給の期間と合わせて考えると決めやすくなります。
関連記事普通二種免許の費用と取り方を見る→タクシー運転手のきつさでよくある質問
タクシー運転手の仕事は本当にきついですか?
タクシーを経験した5人のうち、きつかったと答えたのは1人でした。全職種の130人では45%なので、ドライバーの中では少ないほうです。
タクシーとトラックではどちらがきついですか?
きつかった人はタクシーが6人中1人、トラックが38人中15人(39%)でした。タクシーは6人だけなので目安です。荷物を持ち上げる作業がないぶん、体への負担はトラックより軽めです。
タクシーの隔日勤務は何時間働きますか?
2日にまたがる1回の勤務で、会社にいる時間は22時間までと決まっています。終わったあとは続けて24時間以上休むのが基本です。
タクシー運転手で一番つらいことは何ですか?
6人のうち2人が酔ったお客さんや怒鳴るお客さん、2人が歩合と待ちの時間で収入がぶれることを挙げました。
女性でもタクシー運転手はきつくないですか?
6人のうち女性は1人で、30代で月36万円と答えました。きつさは「ややきつかった」で、後ろの席から叩かれた経験も書いています。夜の勤務の決まりは会社ごとに聞いておきましょう。
腰が心配でもタクシー運転手はできますか?
荷物を運ぶ作業はないので、配送の仕事より腰の負担は小さめです。ただ長い時間座り続けるので、休憩の取り方を自分で決められる会社を選びましょう。
タクシー運転手のきつさは勤務の形と歩合で決まる
- タクシーを経験した5人のうち、きつかったのは1人(8職種で最少)
- 1日12時間以上の4人でもきつかったのは1人
- つらさはお客さんとのトラブルと収入のぶれが2人ずつ
- 隔日勤務は1回22時間まで・勤務のあとは24時間休むのが基本
- 入る前に勤務の形と保証給と歩合の決まり方を聞く
タクシーは体よりお客さんとお金の波がきつい仕事で、勤務の形と給料の決まり方を先に知れば備えられます。同じ地域のタクシーでも決まりは会社でちがうため、1社だけで決めずに比べてみてください。
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