運送会社の大手と中小の違いは?経験者59人で休みと月収と後悔を比べた
運送会社の大手と中小の違いは、休みと月収にいちばんはっきり出ました。経験者59人に働いた会社の大きさを聞くと、300人以上の大手では13人中9人が月9日以上休めています。
一方で、仕事のきつさと後悔は大手でも減っていません。大手は宅配や1日12時間以上の人が多く、体の負担は中小と同じか重いくらいでした。
大手か中小かで決めるより、休み・時間・荷物の3つを会社ごとに確かめるほうが外れにくい選び方です。
- 大手と中小で休みと月収はどれくらい違う
- 大手でもきつさと後悔が減らない理由
- 51〜300人の会社で後悔が少ない話
- 中小で多い入社前とのずれ
- 大手と中小が向いている人
- 面接で確かめること
数字はドラリアルの第3回の調査(2026年10〜11月)で答えた59人のものです。内わけは従業員50人までが21人・51〜300人が11人・300人以上が13人・個人や家族経営が7人です。残りの7人は業務委託で働き、どこの会社かは選べない形でした。
- AT限定の普通免許でも、軽バンや送迎のワゴン車の仕事は大手でも中小でも働けます
- 2t以上のトラックには準中型免許が要る会社がほとんどです
- 未経験で入った人は中小に多く、大手は長く勤めた人が中心でした
この記事では従業員50人までと51〜300人を中小、300人以上を大手と呼びます。1つの組は11〜21人と少ないので、割合は目安として読んでください。
目次
運送会社の大手と中小の違いは休みの日数に出る
月に9日以上休めた人は、大手で13人中9人(69%)でした。従業員50人までの会社では21人中5人(24%)です。
会社の大きさ別、月の休みが9日以上の割合
51〜300人の会社は11人中6人で、ちょうど間に入ります。会社が大きいほど休みが増える形がはっきり出ました。
月9日は、週休2日にほぼ近い日数です。50人までの会社では月5〜6日の人が9人でいちばん多く、週1日ほどの休みで回している会社が目立ちます。
休みを優先したい人ほど、大きい会社の求人から当たると近道です。ただし50人までの会社にも9日以上休めた人が5人いました。
有給休暇の取りやすさも大手が上
有給休暇を希望どおり取れた人は、大手で13人中5人でした。50人までの会社では21人中1人だけです。
会社の大きさ別、有給を希望どおり取れた割合
50人までの会社では「有給がなかった」と「ほとんど取れなかった」が合わせて10人いました。人が少ない会社は、だれかが休むと代わりがいないためです。
関連記事ドライバーは休みが少ない?経験者の休みの声→大手の正社員は月収の中央値が32.5万円
大手の正社員で月収を金額で答えた8人の中央値は32.5万円でした。50人までの会社の正社員12人は24.5万円、51〜300人の正社員7人は25.0万円です。
中央値は、答えた人の額を順に並べてちょうど真ん中の人の金額のこと。大手の正社員は9人いて、そのうち8人が金額で答えました。
会社の大きさ別、正社員の月収の中央値
大手の8人は少ないので、32.5万円は目安です。入って1年未満の正社員5人は月20万〜30万円で、5人とも中小の会社でした。
大手の正社員9人のうち、経験5年以上は7人でした。長く勤めた人が多いことも、額を押し上げています。
1日12時間以上働いた人も大手に4人いて、50人までの会社の1人より多めです。大手の月収の高さは、長い経験と長い時間の両方から来ていると見たほうが正確です。
ボーナスは、年2回出た人が50人まで7人・51〜300人5人・大手7人でした。割合にすると33%・45%・54%です。
年収400万円 をこえた人は会社の大きさで変わらない
ボーナスや残業代も入った年収で見ると、400万円以上の人は50人まで21人中6人・51〜300人11人中2人・大手13人中5人でした。
会社の大きさ別、年収400万円以上の割合
年収では51〜300人がいちばん低く、月収と順番が入れ替わりました。11人の組では1人ちがうだけで割合が9%動くので、細かな順番より大手が上という形だけ見てください。
月収の中央値ほどの差は、年収では出ていません。50人までの会社で400万円をこえた6人のうち4人はトラックの人で、職種の差が効いています。
年収の表には、パートや契約社員の人も入っています。正社員だけの話をしたいときは、上の月収の中央値を目安にしてください。
関連記事ドライバーのボーナスは出る?正社員と委託の差→大手の運送会社でもきつさは減らない
意外なことに、仕事がきつかった人の割合は大手がいちばん高く出ました。大手は13人中8人(62%)で、50人までは52%・51〜300人は45%です。
会社の大きさ別、仕事がきつかった人の割合
きつかったは、5段階の答えのうち「かなりきつかった」と「ややきつかった」を足した人数です。大手の8人のうち5人は「かなりきつかった」でした。
大手の13人は宅配が4人でいちばん多く、1日12時間以上も4人います。荷物の数が多い仕事と長い時間が重なって、きつさが上がっています。
荷待ちは、荷物の積み下ろしの順番を待つ時間のことです。大手は待ち時間の短い人が多いのに、それでもきつさは高く出ました。
- 大手は休みと月収で上でも、きつかった人は62%で3つの中でいちばん多い
- 大手の13人は宅配4人・12時間以上4人
- 荷待ちが「ほぼない」人は大手が13人中7人で多め
大手なら楽という思いこみは外れやすいので、職種と1日の時間で選びましょう。
荷待ちの長さは大手で二つに分かれる
荷待ちが1日2時間以上あった人は、大手で3人・50人までで2人でした。大手は「ほぼない」人と「2時間以上」の人に分かれています。
大手で「ほぼない」7人は、宅配・ルート配送・軽貨物の人が中心でした。2時間以上の3人は、食品配送とその他の仕事の人です。
同じ大手でも、倉庫やお店の都合で待たされる仕事は待ち時間が長くなります。
50人までの会社は「30分〜1時間」が9人でいちばん多く、毎日少しずつ待つ形でした。待ち時間は会社の大きさより、運ぶ相手先で決まります。
関連記事ドライバーの労働時間の実態は?→後悔が少ないのは51〜300人の運送会社
ドライバーになって後悔した人は、51〜300人の会社で11人中4人(36%)でした。50人までは57%・大手は54%です。
会社の大きさ別、後悔ありの割合
後悔は5段階で聞いていて、「ある」と「少しある」の人を後悔ありに数えています。51〜300人の会社では「ない」と答えた人が5人いて、ほかの大きさより多めでした。
51〜300人の会社は月9日以上休めた人が半分をこえ、1日12時間以上は2人だけです。休みと時間のつり合いが取れている人が多い形でした。
11人と少ないので、中くらいの会社なら後悔しないとまでは言えません。休みが取れて長すぎない会社が後悔を減らしている、と読むのが近い見方です。
「中小企業ならここまで厳しくないんじゃないかと思うことはたまにある。」
大手のルート配送で働く40代の正社員は、運転中の見守りや査定(働きぶりの評価)の厳しさにつらさを感じていました。大手は決まりが細かいぶん、自由に動きたい人には合わないこともあります。
中小の運送会社は手積みのずれが多い
入社前の説明と違ったこととして、荷物の重さや手積みを挙げた人は50人までの会社で21人中7人でした。大手では13人中2人です。
会社の大きさ別、手積みが入社前の説明と違った割合
手積みは、荷物を手で1つずつ積み下ろしする作業です。50人までの会社では、給料と拘束時間(出勤から帰るまでの休憩も入った長さ)も7人ずつが入社前の説明と違ったと答えました。
違ったことは1人がいくつも選べるので、足すと人数をこえます。腰が気になる人は、手積みがあるかを中小の会社ほど先に聞いておきましょう。
残業代が全部出た人は大手でも半分ほど
残業代が全部出た人は、50人まで43%・51〜300人45%・大手54%でした。大手が少し上でも、差は大きくありません。
会社の大きさ別、残業代が全部出た割合
大手でも「一部だけ出た」が4人いました。残業代は会社の大きさに関係なく、面接で払い方を聞いておきたい項目です。
関連記事ドライバーの残業代はちゃんと出る?→個人経営の会社と業務委託はさらに違う
個人や家族経営の会社の7人は、有給を希望どおり取れた人が3人いる一方で、有給がなかった人も4人でした。社長の考え方しだいで、働きやすさが大きく分かれます。
個人経営の7人のうち、残業代が出なかった人は5人です。パートが3人いるので、月収はほかの大きさと並べて比べられません。
業務委託で会社の大きさがわからない7人は、ボーナスと有給が全員なしでした。業務委託は会社と仕事ごとに契約する働き方で、休みも自分で決めます。
- 個人経営は社長しだいで、休みの取りやすさが両極端に分かれる
- 業務委託はボーナスと有給の仕組みがない
- どちらも会社の大きさより、契約の中身を先に読む
個人経営や業務委託を選ぶなら、休みと残業代の決まりを紙で確かめてから入りましょう。
関連記事業務委託ドライバーの手取りはいくら?→大手と中小で働いた経験者の声
大手の安心は、体調の管理や休憩の決まりに出ます。大手の宅配で働いた正社員は、運行の管理がしっかりしていたと書いています。
「大手だからかもしれませんが点呼による体調管理や休憩などの運行管理はかなりしっかりしていた」
点呼は、出発の前に体調やお酒を確かめる決まりです。決まりが守られている会社は、休憩も取りやすくなります。
福利厚生にひかれて大手を選ぶ人もいます。事務職から転職した女性は、大手なら女性も働きやすいと考えて決めました。
「運転をすることが好きだったため、大手の運送会社であれば福利厚生がしっかりしており、女性のドライバーも増えているというニュースを見て挑戦を決めました。」
この女性は宅配の契約社員で、仕事はかなりきつかったと答えています。大手でも、宅配の物量の多さは変わらない例です。
未経験の人には、研修のある大手から入るのを勧める声もありました。
「未経験の方は、まずは教育研修が手厚い大手企業や、カゴ車配送のような体力的負担が少ない案件から探すことをお勧めします。」
カゴ車は、車輪の付いた大きなかごです。荷物をかごごと運ぶので、手積みより体の負担が軽くなります。
下の箱に出る運行の組み方は、どの順番でどこを回り、いつ休むかという1日の予定のことです。

入る前に確かめたこと
会社の大きさを答えた経験者が、入る前に確かめたほうがいいと書いた中身を話題ごとに見ました。
長い拘束時間・休めないの声がいちばん多く、次が給料・経費でした。面接で聞けば先に手を打てる内容です。
面接で確かめたいこと
- 面接で1日の拘束時間と休憩の取り方を数字で聞く
- 固定給か歩合か、経費はだれが払うかを確かめる
- 運行の組み方と、仮眠や休憩が取れるかを聞く
会社の大きさが違っても、確かめることはほとんど同じです。面接では時間とお金を数字で聞きましょう。
大手の運送会社が向いている人と中小が向いている人
大手が向いているのは、休みと決まりの安心を優先したい人です。中小は、会社を選べば短い時間や融通のきく働き方がしやすくなります。
- 月に9日以上休みたい人
- 有給を予定どおり使いたい人
- 研修や点呼など決まりがある方が安心な人
- 長く勤めて月収を上げたい正社員
- 家の近くで働きたい人
- 決まった道を決まった時間で走りたい人
- 細かい見守りより自分のペースで動きたい人
- 社長や仕事の割りふりの係と話して働き方を相談したい人
- 大手なら楽だと思っている人
- 中小ならどこでも融通がきくと思っている人
- 会社の大きさだけで決めて時間と荷物を聞かない人
未経験で入った会社の大きさ
経験1年未満の人は、50人までの会社に8人・51〜300人に5人・大手に1人いました。入って間もない人は中小に多く、大手は長く勤めた人が中心です。
中小は人手が足りず、未経験でもすぐに採用されやすい面があります。そのぶん研修が短く、最初の数か月で手積みや時間の多さに驚く人が出やすくなります。
40代で未経験から入る人は、体の負担が少ない仕事を選べるかが大きな分かれ目です。会社の大きさより、ルート配送や送迎のように荷物が軽い仕事から探すと続けやすくなります。
年収を落としたくない人は、大手の正社員で長く勤める道がいちばん近い形です。50人までの会社でも、トラックの人には年収400万円以上が4人いました。
女性やパートで働くなら
女性は50人までの会社に4人・51〜300人に2人・大手に1人でした。パートは50人までと個人経営に3人ずつで、大手は1人です。
女性11人のうち、1日8時間未満で働いた9人では、きつかった人は2人だけでした。8時間以上の2人は2人ともきつかったと答えています。
送迎の3人は、51〜300人の会社に2人・50人までの会社に1人でした。日中だけ働く人ほど、会社の大きさより時間の短さが楽さを決めています。
日中だけ短く働きたい人は、会社の大きさより時間の合い方を先に見ましょう。どちらを選ぶにしても、決め手は会社の大きさより働く時間と休みです。
関連記事送迎ドライバーの経験者の口コミとデータ→大手か中小かより面接で確かめること
面接では、月の休日の数と有給を去年どれくらい使えたかを聞くのがいちばん確かです。会社の大きさの違いが出やすいのが、この2つでした。
面接での聞き方の例
ドライバーの方は月に何日くらい休んでいますか。繁忙期はどうなりますか。
ドライバーの方は去年、有給休暇を何日くらい使っていましたか。
1日の出勤から帰るまでの時間は、ふだん何時間くらいですか。
荷物の積み下ろしは手作業ですか、台車やフォークリフトを使いますか。
残業代は時間どおりに出ますか、月給に入っている分はありますか。
- 休日は月の日数で聞く(年間休日だけで判断しない)
- 有給は去年に使えた日数で聞く
- 手積みと残業代は大手でも聞く
休み・時間・手積み・残業代の4つがわかれば、会社の大きさの違いはほぼ見えてきます。
ホワイトな運送会社は大きさより数字で見分ける
ホワイトな運送会社かどうかは、求人票の数字でかなりわかります。会社の大きさに関係なく、休みと時間とお金が数字で書かれている会社は安心しやすい形です。
- 年間休日と月の休みの数が両方書いてある
- 1日の始業と終業の時刻がはっきりしている
- 残業代を時間どおりに払うと書いてある
- 手積みの有無と台車やフォークリフトを使うかが書いてある
- 「休日はシフトによる」だけで日数がない
- 月給の例が残業の多い月の額になっている
- いつ見ても同じ求人が出ている
会社の大きさは、求人票の会社概要にある従業員数で確かめられます。営業所ごとに働き方が違う会社も多いので、働く営業所の人数も聞いておくと安心です。
大手でも中小でも、数字で答えてくれる会社かどうかが働きやすさの目印になります。
関連記事ドライバーの面接で聞いておくこと→運送会社の大手と中小でよくある質問
未経験なら大手と中小のどちらがいいですか?
休みと研修を優先するなら大手が入りやすいです。大手は13人中9人が月9日以上休めていました。ただし宅配はきつさが高いので、職種も一緒に選びましょう。
大手の運送会社は給料が高いですか?
正社員の月収の中央値は、大手が32.5万円・50人までが24.5万円でした。大手は経験5年以上の人や長い時間の人が多く、そのぶん高く出ています。
中小の運送会社はやめとけと言われるのはなぜですか?
休みの少なさと、入社前の説明とのずれが目立つからです。50人までの会社では21人中5人しか月9日以上休めておらず、手積みのずれも7人いました。
大手ならきつくないですか?
きつくないとは言えません。きつかった人は大手で62%と、中小より多めでした。宅配や1日12時間以上の人が多いためです。
後悔しにくい会社の大きさはありますか?
51〜300人の会社が36%でいちばん少なめでした。ただ11人と少ないので、休みと時間のつり合いで選ぶほうが確かです。
女性やパートは大手と中小のどちらが働きやすいですか?
日中だけ短く働くなら、家の近くの中小やルート配送の会社も選びやすいです。会社の大きさより、働く時間と荷物の重さが合うかを先に見てください。
運送会社は大きさより休みと時間で選ぶ
大手は休み・有給・月収で上でしたが、きつさと後悔は中小と変わりません。会社の大きさは、休みの当たりやすさの目安くらいに考えると外れにくくなります。
- 月9日以上休めた人は大手69%・50人まで24%
- 正社員の月収の中央値は大手32.5万円・50人まで24.5万円
- きつかった人は大手が62%でいちばん多い
- 後悔は51〜300人の会社が36%で少なめ
- 中小は手積みと休みのずれ、大手は宅配と長い時間に気をつける
大手か中小かで迷ったら、休みの日数と1日の時間を面接で聞いて決めましょう。
あわせて読みたい
横にスクロールして42本の記事を見られます →

